「悪いと思ってる。でも悪くない」──不倫加害者の開き直りに潜む心理とは?
- 2025年06月21日
- 2025年07月24日

不倫を問い詰めたとき、「ごめん」と素直に認めたかと思えば、次の瞬間には「でも、そっちにも原因があるでしょ?」と返してくる。反省しているように見えて、その実、どこか他人事のような態度。その矛盾に、深く傷ついた経験がある人は少なくないでしょう。
横浜で浮気調査を行っている探偵の現場でも、「謝罪と開き直りが同時にくる加害者の言動」に混乱してしまう依頼者の声は多く聞かれます。心を踏みにじられた側が、さらに理不尽な言葉に晒されてしまうのです。
今回は、なぜ不倫者が問い詰められた瞬間に“素直さ”と“開き直り”を同時に見せるのか。その複雑な心理構造を解き明かしていきます。
■1. なぜ、不倫は認めるのに開き直るのか?
●「認めること」で責任を果たした気になる
不倫をしたことを認める──これは一見「誠実さ」のように見えるかもしれません。しかしその実、多くの場合は「これ以上責められたくない」という自己防衛の一環でしかありません。
「ごめん」と口では言いながらも、内心では「もうこれで済んだ」と思っている。つまり、“認めたこと”が“責任を取ったこと”だと勘違いしているのです。
●「でも……」の一言に込められた逃げ道
「ごめん。でも…」「悪かったよ。でも…」といった言葉には、“認めたくない気持ち”が透けて見えます。これは、「全面的に自分が悪いとは思っていない」ことの証拠であり、ある意味では“謝罪のフリ”です。
実際のところ、「自分が全面的に悪いわけじゃない」という思いがあるからこそ、「でも、そっちにも問題があった」とすぐに反論や言い訳が出てくるのです。
●謝罪=免罪符、という誤った認識
不倫をした人の中には、「謝れば水に流せる」と本気で思っている人もいます。これは幼少期の「ごめんなさいをすれば許される」というしつけが影響していることもあります。
しかし大人の関係、特に深い裏切りを伴う不倫においては、「謝った」だけで信頼が回復するわけではありません。その現実に向き合おうとせず、安易に“謝罪”という手段に逃げることで、開き直りに繋がってしまうのです。
●「これ以上責めるな」の先手防衛
中には、「もう十分に謝った」という姿勢で、相手の怒りや悲しみに蓋をしようとする人もいます。これは“心からの謝罪”ではなく、“自分の罪悪感から逃げるための謝罪”に過ぎません。
「もう終わったことでしょ」「そこまで言わなくてもいいじゃん」といった言葉が出てくるのは、「これ以上この話を続けたくない」という意図の現れ。つまり、「謝ったんだから終わりにしてくれ」という開き直りです。
■2. 「仕方なかった」「悪気はなかった」のすり替えロジック
● 言い訳としての「仕方なかった」
不倫者がよく使う「仕方なかった」という言葉は、行動の責任を自分から外すための言い訳です。家庭の問題や孤独感など、背景を強調することで「自分は悪くない」という印象を作ろうとします。
● 「悪気はなかった」という自己弁護
「悪気はなかった」というフレーズは、故意ではなく無意識のうちに行動したと主張し、罪の重さを軽減しようとする心理です。本人は自分の行動を正当化し、他者からの非難を和らげたいのです。
● 責任回避の巧妙な心理操作
これらの言葉は単なる説明ではなく、聞く側に「悪意がなければ許されるべきだ」という暗黙のメッセージを送っています。これにより、相手の感情を揺さぶり、責任を逃れようとする巧妙な心理的戦略と言えます。
● 説明と正当化の境界線の曖昧さ
「事情を説明すること」と「自分の行動を正当化すること」は似て非なるものです。こうした言葉を使うことで、当人は自分の罪悪感を和らげつつ、周囲に自分の行動を正当化させようとします。
■3. 責められると、すぐに“被害者ポジション”に逃げる理由
● 共感を求める自己防衛機制(投影と自己正当化)
心理学では、人は自分の非や失敗を認めることが苦痛であるため、防衛機制を働かせます。その一つが「投影」で、自分の問題や悪い部分を他者や環境に転嫁し、「被害者」という立場に身を置くことで心のバランスを保とうとします。また、「自己正当化」によって、自分の行動を合理化し、責任を回避しようとする傾向があります。
● 認知的不協和理論による矛盾解消の試み
自分が「悪いことをした」という事実と「自分は良い人間でありたい」という理想自己との間に矛盾(認知的不協和)が生じると、人はその矛盾を減らすために言動や思考を変えます。不倫の責めに直面したとき、「自分は被害者だ」という立場をとるのは、この不協和を解消する手段の一つです。
● 自己肯定感の低さと外的帰属バイアス
自己肯定感が低い人は、自分を否定されることに過敏に反応します。責められると「自分は悪くない、むしろ被害者だ」という外的帰属バイアス(問題の原因を外部に求める傾向)が強く働き、自分の非を認められずに被害者ポジションに逃げ込む傾向があります。
● 愛着理論と対人関係の回避行動
幼少期の愛着スタイルが不安定な場合、対人関係での問題に直面すると、自己防衛として「被害者ポジション」を取ることがあります。これは対立や責任の受け入れを避け、心の安全を確保しようとする無意識の行動です。
● 被害者意識は共感欲求の裏返し
責められた際に被害者を演じるのは、根底には「理解されたい」「受け入れてほしい」という強い感情的ニーズがあります。これが満たされないと、さらなる対立や孤立を招く悪循環に陥りやすいのです。
■4. 「私だけの責任じゃない」と言い出す心理的カラクリ
● 自己責任を薄めたい心理
不倫を責められたとき、「私だけの責任じゃない」という言葉が出てくる背景には、自分の罪を少しでも軽く見せたいという強い防衛本能があります。「配偶者にも問題があった」「寂しかったのはお互い様」と責任を“相殺”しようとするのです。
● 認知的不協和を緩和するためのバランス取り
心理学で言う「認知的不協和」の状態、つまり「自分は悪いことをした」という意識と「自分は正しい人間でいたい」という思いの矛盾に苦しんだとき、人はその矛盾を減らそうとします。その方法のひとつが、「でもそっちにも悪いところがあったよね」と相手に原因の一端を押し付けることです。
● 過剰な責任追及への反発
問い詰められる過程で、責任を全面的に押しつけられると、「全部自分が悪いのか?」という反発心が芽生えやすくなります。その結果として、「自分だけが悪者扱いされている」という不満が募り、「あなただけじゃない」という逆攻撃に変わっていくのです。
● 実は“罪悪感”があるからこそ出る言葉
意外に思えるかもしれませんが、こうした言動の背景には、強い罪悪感や自己否定感が潜んでいる場合があります。だからこそ、「全部自分が悪い」と受け入れるのが怖い。「あなただって…」という言葉で、なんとか自分を正気に保とうとしているのです。
■5. バレたことで“もう取り繕う必要がない”と開き直る
● 嘘をつき続けるストレスからの解放
不倫関係を続けている間、当事者は常に“バレないように”細心の注意を払っています。嘘の辻褄を合わせ、スマホを管理し、予定を偽り…それは精神的に大きな負担です。
そしてそれがバレた瞬間、「もう隠さなくていい」という解放感が生まれます。その結果、まるで抑圧が外れたように、一気に“開き直りモード”に切り替わることがあるのです。
● 自己防衛としての「逆ギレ的態度」
バレたという事実は、裏切りの証拠でもあります。しかし人は追い詰められると、素直に謝るよりも攻撃的になることがあります。これは自己防衛本能の一種で、「自分をこれ以上否定されたくない」という感情が、開き直りや強気な言動に表れます。
「どうせバレたし」「もう終わったことだろ?」というのは、実は心の脆さの裏返しでもあるのです。
● 罪悪感を消すための“開き直り”という逃避行動
本来なら、バレた後こそ深い反省や謝罪が必要ですが、現実には「どうせ責められるなら、もういいや」と感情を切ってしまう人もいます。これは、罪悪感に直面することが怖くて、その痛みから逃げるための「感情のシャットダウン」です。
開き直りとは、“反省を放棄するための手段”であり、逃げのひとつでもあります。
● 「素直に謝っても許されない」という諦め
中には、「今さら謝ってもどうせ許されない」という被害者的な認知に陥る人もいます。その結果、謝ることよりも“強く出る”ことを選び、自分の感情を守ろうとするのです。これは一種の「自己防衛型無責任」であり、相手の心をさらに深く傷つける原因になります。
■6. 「謝ってるのに、なんで責めるの?」の暴力性
●「謝罪=免罪」と勘違いする心理
「ごめん」と口にした瞬間、不倫をした側が「もう責任は果たした」と感じてしまうケースは少なくありません。これは、幼少期の“謝れば許される”という体験が影響していることがあります。
しかし、現実の裏切りや不倫のような関係破壊では、「謝った」だけでは関係の修復にも、信頼の回復にも至りません。にもかかわらず、「謝ったのにまだ責めるのか」と返されると、被害者は「自分の怒りが間違っているかのような感覚」に追い込まれてしまいます。
● 被害者の感情を“封じ込める”言葉
「謝ってるじゃん」という言葉は、一見すると反省の言葉のようでいて、実際には相手の怒りや悲しみの感情を“早く終わらせたい”“黙らせたい”という意図が込められていることがあります。
これは心理学でいう「感情の否認」や「情緒的なガスライティング」に近く、相手に「もう怒るな」「もう泣くな」と無言の圧力をかける、非常に暴力的な言動です。
● 自分の罪悪感を処理したいだけ
このセリフは、多くの場合「自分がこれ以上責められて苦しくなるのが嫌だ」という“加害者側の都合”から出てきます。つまり「謝った自分を、早く許してほしい」という自己中心的な欲求の現れであり、相手の痛みではなく“自分の辛さ”を優先しているのです。
●「傷つけたこと」より「責められること」が苦しい
不倫をした人が「謝ってるのに責めるな」と言う背景には、「人を傷つけた罪悪感」よりも「自分が責められてつらい」という感情が上回っていることがあります。
これは、感情の未成熟さや共感力の乏しさを表しており、根本的な対話をすり抜けようとする態度です。責任を引き受ける姿勢が欠如している場合、こうした発言は“加害”の延長線にあります。
■7. 「自分だけが悪者になる」ことへの恐怖
● 不倫の当事者が一番恐れているもの
不倫をした人が開き直ったり、責任を相手に分散させようとしたりする背景には、「自分一人だけが悪者になるのが怖い」という強烈な恐れが隠れています。
特に、社会的・家庭的立場を持つ人ほど、周囲からの非難や孤立への不安が強く、全面的に非を認めることに大きな心理的抵抗を抱きます。
● 「加害者である自分」を直視できない防衛反応
人は本能的に、“自分は悪い人間ではない”と思いたい生き物です。不倫が発覚した際、その裏切り行為を完全に認めることは、イコール「自分は加害者だった」と認めることでもあります。
それは、自己イメージの崩壊に繋がるため、心理的に非常に大きなストレスとなり、“他人にも非がある”という構図を作ってバランスを取ろうとするのです。
● 誰かと「罪を分け合いたい」心理
「あなたも冷たかったじゃないか」「うまくいってなかったよね」「わかってくれなかった」といった言葉は、過去の出来事を根拠に、自分の罪を少しでも“薄めたい”という思いから出てきます。
不倫の責任は本来個別のものですが、「誰かと一緒に悪くなっていたい」「自分ひとりが悪者ではいたくない」という心理が、相手を無意識に巻き込んでいくのです。
● 被害者に「共犯意識」を押しつけてくる危うさ
「お前も俺を放っておいたじゃないか」
「会話がなかったから、寂しかった」
――こうした言葉は、一見すると“正直な心の叫び”のように聞こえるかもしれませんが、実際には責任の転嫁です。
被害者に対して“共犯者意識”を押しつけることで、「一方的に責めるのは不公平だ」という空気を作り、自分の非をうまく薄めようとしているのです。
● “悪者にされるくらいなら怒られるほうがマシ”という心理
これは一部の人に見られる思考パターンですが、「責任を一方的に背負わされるくらいなら、いっそ怒りをぶつけられた方が楽」と感じてしまうケースもあります。
それは、反省ではなく“怒りの矛先を早く終わらせるための演出”であり、本質的な謝罪や和解には繋がりません。
■8. 感情の混乱が招く矛盾した言動
●「ごめん」と言いながら「悪くない」と主張する
不倫が発覚した直後、不倫した本人が「ごめん、本当に悪かった」と謝ったかと思えば、次の瞬間には「でもあなたにも原因がある」と返してくる。こうした“謝罪と自己弁護”が同時に出てくる矛盾は、感情の混乱によって引き起こされます。
自分の中で「悪いことをした自覚」と「自分だけが悪者になる不安」がせめぎ合い、言動に一貫性がなくなるのです。
● 被害者と加害者の立場を行き来する
不倫を責められているのに、「私だって辛かった」「一人で耐えてきた」など、“自分も傷ついていた”という主張を始めることがあります。
これは、加害者である自分の立場を直視できず、無意識に“被害者の自分”に逃げ込もうとする心理的な揺れです。自分の感情が処理しきれず、「責められる苦しさ」と「罪を認めたくない気持ち」が交錯し、支離滅裂な態度になるのです。
●「別れたくない」と言いながら「どうでもいい」と投げやりになる
「やり直したい」「本当に大切なのは家族だ」と言いながら、数日後には「もうどうでもいい」「勝手にしてよ」と突き放すような態度をとるケースも少なくありません。
これは、“罪悪感・焦燥・恐怖・自己否定”といった多くの感情が一気に押し寄せ、自分でもどう振る舞えばいいのか分からなくなっている状態です。感情が整理されないまま本音と建前が交錯し、行動や発言がブレていくのです。
●「自分を守りたい」と「相手に嫌われたくない」の板挟み
不倫がバレた直後、多くの人が「これ以上嫌われたくない」「なんとか元に戻したい」という気持ちを抱きます。
しかし同時に、「これ以上責められたくない」「自分の気持ちを守りたい」という防衛本能も働くため、態度が揺れ動きます。その結果、ある瞬間には優しく寄り添い、次の瞬間には逆ギレするという、相手をさらに混乱させるような矛盾した行動が目立ち始めます。
■9. 幻想としての「正当な恋」
●「本物の愛だった」と言い張る心理
不倫関係がバレたとき、不倫した側が「でもあの人とは本気だった」「あれは遊びじゃなかった」と口にすることがあります。
この言葉の裏には、「これは単なる裏切りではない」「愛だったのだから仕方ない」という自己正当化の心理が隠れています。
つまり、「愛」という言葉で、自分のしたことの倫理的責任や他者への裏切りを“中和”しようとするのです。
● 禁じられた関係だからこそ「運命」にすり替わる
不倫は、社会的にも倫理的にも“許されない関係”です。だからこそ、当事者の中には「これほどリスクを背負っても一緒にいたいと思えるのは、本物の愛だ」と、関係そのものに“特別な意味”を見出してしまう人がいます。
まるでドラマや映画のような「運命の恋」を演じることで、自分たちの関係を特別なものとして扱い、現実から目をそらしてしまうのです。
●「愛ゆえに仕方なかった」というご都合主義
「寂しかったから」「心が満たされたかっただけ」「愛してしまったから」――
不倫者がよく使うこの種の言い訳には、「感情が動いた以上、止められなかった」という責任回避が含まれています。
これは、「恋に落ちた自分」に酔っている状態とも言えます。
愛という名のもとにすべてを“仕方なかった”にしてしまう、その甘さと逃避が、相手をさらに傷つけてしまうのです。
●「私たちは純粋だった」という“被害者意識”の転化
中には、「周囲が理解してくれなかっただけ」「愛し合っていたのに責められるなんて理不尽」と、本来加害者であるはずの立場から“被害者意識”にすり替えるケースも見られます。
これは、愛情そのものを「無罪の盾」にして、自分たちの行動を正当化しようとする危険な心理パターンです。
■10. 「相手が悪い」という外部化の心理
● 責任を「外」に置くことで、自分を守ろうとする
不倫をしたにもかかわらず、「配偶者が冷たかったから」「相手が誘ってきたから」といった言い訳をする人がいます。
これは、自分の中にある罪悪感や自己否定の感情に耐えきれず、責任の所在を外部に転嫁することで、なんとか自尊心を守ろうとする心理的な防衛反応です。
このような思考の背景には、「自分は悪くない」と信じたい気持ちがあります。心の中で「悪いことをした」という認識があっても、それを真正面から受け止めてしまうと、精神的なダメージが大きすぎる。だからこそ、「自分だけが悪いわけじゃない」と考えることで、心理的バランスを保とうとするのです。
● 責任転嫁による“被害者ポジション”への逃避
外部化が進むと、「自分も被害者だった」という言い分にすり替わっていきます。
たとえば──
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「家では全然会話がなかった」
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「夫(妻)が家庭をないがしろにしていた」
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「自分だって苦しんでいた」
という言葉が出てくるとき、それは“加害者”としての立場を薄め、「自分もかわいそうだった」と位置づけることで、批判を受け止める苦しさから逃れようとしている状態です。
この心理は、「相手のせいにできれば、自分を否定しなくて済む」という、防衛本能からくるものです。
● 「選ばなかった責任」への無自覚
不倫を選んだのは自分であっても、「そうなるしかなかった」と言い訳することで、“選択の責任”からも逃げてしまいます。
たとえば──
「気づいたら惹かれていた」
「最初はそんなつもりじゃなかった」
といったセリフは、感情に流された自分を正当化し、「積極的に選んだわけじゃない」とするためのロジックです。
しかし実際には、無数の“選択”を重ねた結果として不倫に至ったのは事実です。にもかかわらず、その責任を認識せず「周囲の状況が悪かった」と語ることで、自分の非を薄めようとするのです。
● 外部化がもたらす関係の崩壊
責任を他者に押し付ければ押し付けるほど、本来向き合うべき“自分の課題”が見えなくなっていきます。
その結果、同じような問題を繰り返したり、相手との関係修復も困難になっていく。
「私がこんな行動をとったのは、あなたのせい」と言われた相手は、信頼も尊厳も傷つけられ、二度と関係性を築こうとは思えなくなることも少なくありません。
■11. 社会的・心理的プライドが開き直りを助長する理由
● 自分を「悪者」として認めることができないプライド
不倫をした側であっても、「自分が全面的に悪かった」と認めることは、プライドの高い人間にとっては大きな精神的苦痛を伴います。
とくに社会的地位が高い人や、普段から「優秀さ」「人としての正しさ」に自信を持って生きている人ほど、「過ちを犯した自分」を受け入れにくい傾向があります。
その結果、「自分にも言い分がある」「一方的に責めるな」といった開き直りの態度をとりがちになります。
● 「謝ったら負け」という無意識の防衛線
謝る=自分の非を完全に認めること。
そう感じている人は、心のどこかで「謝ることで立場が弱くなる」と思ってしまうため、あえて攻撃的な態度や論点のすり替えを使って防御に回ります。
これは、「自分を守るための嘘」や「本心とは異なる態度」であっても、自尊心を傷つけずに済ませたいという心理的な防衛反応です。
● 世間体とプライドのジレンマ
家庭を持ち、社会的にも認められている立場の人ほど、「不倫=自分の人生の汚点」となってしまうことに対して強い恐れがあります。
その恐れから、「そんなに悪いことじゃない」「みんなやってる」などと一般化し、開き直ることで“自分はそこまで悪くない”という感覚を保とうとします。
世間の目や自分の評判を守るために、現実の罪と正面から向き合わないまま、言い訳を重ねてしまうのです。
● 真の謝罪には「自我の崩壊」が伴うこともある
本当に悪かったと認めることは、自分自身のアイデンティティを大きく揺るがす可能性があります。
特に、「良き夫・妻」「仕事ができる人間」「信頼されていた存在」としての自己像が強固であるほど、不倫という裏切り行為はその自己像と矛盾します。
その矛盾に耐えられないため、「自分が悪かった」と素直に言えず、“開き直り”というかたちでバランスを取ろうとするのです。
■ まとめ:開き直りは“罪悪感”から逃げるための最後の防衛
不倫がバレたとき、人は誰でも動揺します。
しかしそこで見える“開き直り”や“言い訳”は、多くの場合、責任を取る勇気のなさ、そして罪悪感に押し潰されそうな自分から逃げるための行動です。
本当に反省している人は、「どう言い訳するか」よりも、「どう償うか」を考えます。
横浜で浮気調査を行っている探偵のもとにも、「謝罪されたのに、なぜか余計に傷ついた」という声が多く寄せられます。本当に反省している人は、「どう言い訳するか」よりも、「どう償うか」を考えるものです。
もしあなたが相手の“謝罪”に違和感を覚えたなら、それはきっと「謝ってるように見えて、責任を避けているだけ」なのかもしれません。
裏切られた事実よりも、軽々しく見えるその態度こそが、あなたの心を深く傷つけるのです。