不倫被害者が陥りやすい心理について

不倫被害者が陥りやすい罠:「私に原因があるのかも」と思ってしまう心理

  • 2025年05月15日
  • 2025年05月16日

配偶者の不倫が発覚したとき、多くの人がショックや怒りと同時に、自分を責めてしまうという感情に襲われます。「私が冷たかったから?」「ちゃんと家庭を支えられていなかった?」——そんなふうに、自分のどこかに原因を探し始めてしまう人は少なくありません。

この記事では、不倫された側が陥りやすい「自責」という罠と、そこに付け込むようなモラハラ的言動の特徴を解説しながら、心を守るための考え方や行動をお伝えします。

なぜ「自分が悪いのかも」と思ってしまうのか?

不倫の被害に遭ったにも関わらず、「私にも非があったのかもしれない」と自分を責めてしまう——これは多くの被害者が陥る心理です。この思考が生まれる背景には、いくつかの要因があります。

1. コントロールされ続けてきた関係性

長期間にわたり、相手からモラハラや精神的なコントロールを受けていた場合、自分の思考や感情よりも「相手にとって都合の良い自分」を優先するようになります。その結果、相手の浮気ですら「自分の努力が足りなかったせい」「もっと優しくしていたら防げたかもしれない」と考えてしまうのです。

2. 家庭を守りたいという責任感

特に子どもがいる場合、「家庭を壊したくない」「子どもから父親を奪いたくない」という思いから、相手を責めることよりも「自分にできたことはなかったか?」と考える方が心理的に“安全”に感じることもあります。

3. 相手からの刷り込み

「お前がかまってくれなかったからこうなった」「俺を追い詰めたお前に原因がある」など、加害者が被害者に責任を押しつけるような言動を繰り返すと、それが“真実”のように思えてしまうことがあります。長年にわたり繰り返されると、自尊心が傷つき、自分の判断に自信を持てなくなります。

4. 何か原因があってほしいという心理

不倫という裏切りに対して、「理由のない裏切り」は想像を超えたショックを与えます。だからこそ、「自分にも至らないところがあったのでは…」という考えは、一種の“納得できる説明”として機能してしまうことがあります。これは、理不尽な現実を受け入れるよりも、原因を自分の中に見出した方が精神的に処理しやすいという防衛反応でもあります。

不倫被害者が陥りやすい5つの罠

不倫の被害に遭った直後は、冷静に物事を判断することが難しくなります。ショックと混乱の中で、自分を責めたり、間違った方向へ進んでしまうことも少なくありません。ここでは、不倫被害者が陥りやすい「心の罠」をまとめました。ひとつでも心当たりがあれば、自分を責める材料にするのではなく、「気づけたこと」に価値を置いてください。

1.「周囲に話せない」という孤立の罠

不倫の被害はとてもプライベートな問題であり、恥や屈辱感から「誰にも話せない」と感じる人が多くいます。しかし、すべてをひとりで抱え込むことは、心の回復を著しく遅らせます。孤立したままでは、自分の考えや感情を整理できず、モヤモヤを溜め込む一方です。

信頼できる友人や家族、第三者であるカウンセラーといった専門家に相談することは、心の荷物を少しずつ下ろす第一歩です。「誰にも話せない」ではなく、「少しだけ話してみる」という選択が、あなた自身を守る力になります。

2.「子どものために我慢すべき」という犠牲の罠

「子どものために離婚は避けたい」「自分さえ我慢すればこの家庭は守れる」——そんな思いから、自分を犠牲にしてしまう方も少なくありません。しかし、子どもにとって本当に大切なのは「両親が一緒にいること」よりも「安心できる家庭環境」です。

不安定な親の姿や、言葉にしなくても伝わってしまう夫婦間の緊張感は、子どもの心に大きな影響を与えます。自分を押し殺す選択が、必ずしも子どもの幸せにつながるとは限らないということを、どうか忘れないでください。

3.「時間が経てば忘れられる」という思考停止の罠

「時間が解決してくれる」——よく聞く言葉ですが、感情を感じきらずに放置したままでは、傷は癒えるどころか、無意識のうちに蓄積されていきます。時間だけが過ぎて、心だけが取り残される、という状態に陥ることもあります。

大切なのは、「痛みを感じることを自分に許すこと」です。悲しみや怒り、虚しさを否定せずに、少しずつ外に出していくことでしか、心の整理は進みません。自分の感情に正直であることが、未来の自分を助けることにつながります。

4.「相手を変えようとする」期待の罠

「きっとまた優しかった頃の夫に戻ってくれる」「謝っているのだから、今度こそ信じたい」——そんな期待を抱いてしまうのは自然なことです。しかし、残念ながら、相手を変えることはできません。変えられるのは、あなた自身の考え方と選択だけです。

期待を持つことで、傷ついた自分の心に希望を与えようとするのはよくある反応ですが、それが繰り返し裏切られることで、さらに深く傷つく結果にもつながりかねません。現実を見る勇気と、自分の未来のために決断する力を持つことが必要です。

5.「不倫された自分は価値がない」と思う自己否定の罠

不倫されると、自尊心が大きく揺らぎます。「私に魅力がなかったのでは?」「私がダメだからこんなことに…」と自分を責めてしまいがちです。しかし、不倫という行為は、あくまで加害者の選択であり、あなたの価値を示すものではありません。

人は誰しも完璧ではなく、どんなに努力しても相手が裏切ることはあります。あなたの価値は、他人の行動で測れるものではありません。あなたがどれほど努力してきたか、どれだけ思いやりをもって家庭を支えてきたか——その価値は決して失われません。

モラハラ不倫夫の常套句

不倫が発覚したあと、開き直ったようにあなたを責めてくる言葉に、心がさらに傷ついていませんか?
「お前のせいでこうなった」「お前が俺を追い詰めた」――そんな言葉を投げかける加害者は少なくありません。そして、その言葉に真実味を感じてしまう自分がいると、さらに苦しくなってしまいます。

ここで覚えておいてほしいのは、それらの言葉は**“不倫を正当化するための道具”であり、加害者が責任逃れをするための戦術**であるということです。

よくあるモラハラ的なセリフとその本当の意味

「お前が冷たかったから、不倫した」

これは、自分の裏切り行為を“相手のせい”にして正当化し、責任から逃れる典型的なモラハラの言動です。
本来、パートナーに不満があるなら、それを話し合いで解決しようとする責任が双方にあります。しかし、モラハラ気質の人は対話を避け、都合の良い逃げ道(=不倫)を選びます。

このセリフの裏には、「自分は被害者だ」「不倫はやむを得なかった」という自己正当化が潜んでいます。そして、あなたに罪悪感を植えつけることで、「これからも責めないでほしい」「許してほしい」という思惑も隠れています。

「家に居場所がなかった」

この言葉の裏にも、「だから仕方なかった」という自己弁護があります。
しかし、家庭に安らぎを感じられないことと、不倫をすることには因果関係がありません。不満を感じていたのなら、それを共有し、改善の努力をするべきだったのです。

また、モラハラ加害者は往々にして自分が家庭内の空気を悪くしていたことには気づいていません。自分で家庭にストレスを生み出しておきながら、被害者面をして正当化する――これは、責任転嫁の構造そのものです。

「お前も悪いところがあったよな?」

この言葉は、非常に巧妙で危険です。一見、「フェアな視点」を装っているように聞こえますが、実際には責任の分散と操作が目的です。

このセリフを聞くと、多くの人は「確かに私も完璧ではなかった」「責めすぎたかもしれない」と考えてしまいます。そして、「だから不倫されたのかもしれない」と結論づけてしまう。これが“自責”への第一歩です。

重要なのは、夫婦関係に多少の問題があったとしても、不倫という裏切りは一方的に加害者が選択した行動だということです。どんなにすれ違いがあったとしても、誠実な話し合いの余地は必ずあったはずです。

「もう終わったことをいつまで言ってんだ?」

これは被害者の「悲しみ」や「怒り」を封じ込める言葉です。
裏切られた側には、時間をかけて消化する権利があります。モラハラ加害者はそれを無視して、「終わったことにしてしまいたい」だけなのです。

また、「終わったこと」と片づけられてしまうと、あなたの痛みや感情の正当性が否定されます。これは二次的な精神的暴力にもなり得ます。

「あいつとは本気じゃなかったんだよ」

ここで見落としてはいけないのは、「本気かどうか」は問題の本質ではないということです。
重要なのは、信頼を裏切ったという事実と、それがあなたに与えた精神的ダメージです。

「本気じゃないから許してよ」というのは、被害者の傷の深さを軽視し、自分が責められる時間を短縮したいだけの言葉にすぎません。

これは、罪の大きさを小さく見せかける操作的な発言です。

モラハラ不倫夫の常套句チェックリスト

以下のセリフをあなたは一度でも言われたことがありますか?
1つでも当てはまるなら、相手の言動は モラハラ的な責任転嫁である可能性があります。

  • □「浮気したのはお前のせいだ」

  • □「どうせ俺のこと愛してなかったんだろ?」

  • □「浮気くらいで何をそんなに騒いでるんだ」

  • □「お前だって俺を傷つけてきただろ?」

  • □「俺だって辛かったんだ」

  • □「お前が冷たかったからこうなった」

  • □「あのときのお前の言動が、ずっと引っかかってた」

  • □「俺の気持ちなんて、どうせお前には分からない」

  • □「他の人なら俺をもっと理解してくれたはず」

  • □「こんなことで離婚なんて、お前は冷たい女だな」

1〜3個: モラハラ的傾向がある可能性があります。
4〜6個: 相手の言動に明確な心理的操作が見られます。
7個以上: 深刻なモラハラ状態にあるかもしれません。外部の支援を視野に入れてください。

なぜこのような言葉に惑わされるのか?

モラハラ加害者は、あなたが持つ「関係を修復したい」「自分にも非があるのかも」という気持ちを利用します。
罪悪感を植え付けることで、あなたの判断力を奪い、自分の立場を優位に保とうとするのです。

あなたが感情的になったり、混乱していたり、正常な思考ができない時期に、こういった言葉を浴びせられると、真に受けてしまうのは当然のことです。

この言葉に振り回されないために

● 感情と事実を分けて考える

言葉に反応してしまうのは自然なこと。でも、「腹が立った=相手が正しい」とは限りません。
まずはその発言が事実に基づいているかどうかを冷静に見極めましょう。

● 記録を取っておく

精神的に追い込まれるような発言は、後に法的手続きを考える際にも重要な証拠になります。LINE、会話、行動など、できるだけ記録を残しておきましょう。

第三者の視点を借りる

モラハラ的な発言は、渦中にいると見抜けなくなることが多いです。信頼できる人やカウンセラーなどの意見を聞くことで、冷静な判断が可能になります。

モラハラ不倫夫の言葉は、あなたの“傷つきやすい部分”を的確に突いてきます。
でも、その言葉に振り回される必要はありません。裏切った事実が消えることはなく、その責任を他人に転嫁することは許されるものではないのです。

どうか、自分の感情を否定せず、「その言葉はおかしい」と一度立ち止まって考えてみてください。
あなたの感じた痛みは、本物です。相手の言葉よりも、あなた自身の心の声を信じてください。

不倫の責任は、裏切った側にある

夫婦関係に問題があったとしても、「不倫」という選択をしたことの責任は、あくまで不倫をした本人にあります。どんな事情があっても、パートナーを裏切る前に「話し合う」「離婚を申し出る」などの手段は取れたはずです。

不倫は、意思による裏切り行為です。原因がどうであれ、その行動を選んだ時点で責任は加害者側にあるのです。

自分を守るためにできること

モラハラや不倫というダブルの裏切りに直面したとき、私たちは「どうしていいか分からない」という混乱の中に放り込まれます。
ここでは、そんな状況にいるあなたが、自分の心と生活を守るためにできる具体的な行動をいくつかご紹介します。

1. 「事実」と「言葉」を切り分ける

モラハラの加害者は、あなたの感情を操作するために言葉を巧妙に使います。
でも、その言葉が真実とは限りません。まずは相手の「主張」ではなく、起きた事実だけを見る訓練をしてみてください。

  • 「浮気をした」という事実

  • 「責任をあなたに押しつけてきた」という事実

感情を揺さぶるセリフは、しばしば本質から目をそらすための煙幕です。
「本当に悪いのは誰か」を、冷静に見極めることが、自分を守る第一歩です。

2. 「記録」をとっておく

相手の発言や態度、LINEのやりとり、音声、日記など、可能な範囲で記録を残すことを強くおすすめします。

  • モラハラの証拠として

  • 自分自身の気持ちの変化を確認するために

  • 将来的な法的判断の材料として

日々の記録は、あなたの「感覚は間違っていなかった」と後で自分を支える武器になります。

3. 第三者とつながる

孤立は、モラハラの土壌になります。
少しでも「おかしい」と思ったら、信頼できる第三者(家族・友人・カウンセラー)に相談することが大切です。

話すことで、自分の気持ちを客観的に見られるようになりますし、視野が広がります。
相談先が分からないときは、公的な窓口(配偶者暴力相談支援センターや女性センターなど)も視野に入れてください。

4. 自分の「境界線」を守る

加害者は「あなたが悪い」と言って、あなたの感情、時間、判断を支配しようとします。
だからこそ、「これは私の責任ではない」「これ以上は聞きたくない」など、自分の境界線(=バウンダリー)を明確にすることが重要です。

  • 返事をしない

  • 話し合いを録音する

  • 「後で話します」と距離を取る

小さな“拒否”が、あなたの尊厳を取り戻す大きな一歩になります。

5. 必要なら、物理的に距離を置く

精神的に追い詰められているとき、安全な場所に身を置くことは最優先の対策です。

  • 実家に帰る

  • 一時的な避難場所を探す

  • 別居を検討する

「逃げること=負け」ではありません。
自分を守るために距離を取ることは、何よりも尊い行動です。

6. 「今、自分を大切にできているか?」を常に問い直す

モラハラの被害を受けていると、次第に「自分の感情が分からなくなる」状態に陥ることがあります。
だからこそ、毎日の中で自分にこう問いかけてみてください。

「私は、今日、自分を大切にできただろうか?」

  • 睡眠をしっかり取る

  • 好きな飲み物をゆっくり飲む

  • SNSを見ない時間を作る

  • 気になっていた本を読んでみる

そんな小さな積み重ねが、「自分を守る力」になっていきます。

最後に:あなたのせいではありません

モラハラ的なセリフは、一見正論のように聞こえたり、共感や納得を引き出そうとしたりしますが、その多くが罪悪感の植え付けや責任転嫁を目的とした言葉の操作です。

どんなに巧妙な言い回しであっても、裏切った責任は加害者にあります。
あなたが感情的になるのも、混乱するのも、何もおかしくありません。

もしこれらのセリフを聞いたことがあるなら、「その言葉の裏にある意図」を見抜いてください。
そして、自分を責める必要はないということを、何度でも思い出してください。

ご相談は何度でも無料です!【365日24時間受付】

初めてで不安な方も、ひとりで抱えこまず、
まずはお気軽にご相談ください。

045-332-1236

ページの先頭

相談無料!お気軽にご相談下さい。(365日24時間受付)