不倫相手に慰謝料を請求する訴状の書き方
- 2024年10月03日
- 2024年10月04日
不倫相手に慰謝料請求を提起するための「訴状」は、裁判所に対して法的に損害賠償(慰謝料)を請求する正式な文書です。訴状の書き方や提出方法、掛かる費用、手続きの流れを順を追って詳しく説明します。
1. 訴状の書式・構成
訴状は裁判における最も重要な書類であり、次のような構成で記載します。
- 事件名
- 原告(あなた)の氏名・住所
- 被告(不倫相手)の氏名・住所
- 請求の趣旨
- 請求の原因
- 証拠の提示
- 附属書類(証拠書類)
2. 訴状の書き方の詳細説明
2.1. 事件名
事件名は、裁判の種類を示すもので、「損害賠償請求事件」と記載します。
例:損害賠償請求事件
2.2. 原告・被告の氏名・住所
原告(あなた)の情報と、被告(不倫相手)の情報をそれぞれ記載します。正確な名前と住所が必要です。
例:原告 ○○県△△市□□丁目XX番地 △△ △△(あなたの名前) 電話番号:XXX-XXXX-XXXX 被告 ○○県△△市□□丁目YY番地 □□ □□(不倫相手の名前)
2.3. 請求の趣旨
「請求の趣旨」では、あなたが裁判で求める具体的な内容、すなわち慰謝料の金額を明確に示します。
例:請求の趣旨 1. 被告は、原告に対し、慰謝料として金○○円を支払え。 2. 訴訟費用は被告の負担とする。
2.4. 請求の原因
「請求の原因」では、あなたが慰謝料を請求する理由を詳細に説明します。不倫の事実とそれによる精神的苦痛を具体的に記載します。ここでは、証拠に基づいて不貞行為の事実を説明することが求められます。
例:請求の原因 1. 原告は、○○年○○月○○日に被告□□が原告の夫○○と不貞行為を行った事実を確認しました。具体的には、○○年○○月○○日に○○ホテルで宿泊していたことを、SNSでのやり取りや探偵による調査報告書(別添証拠1参照)で確認しました。 2. この不貞行為により、原告は精神的に大きな苦痛を受け、夫との婚姻関係も悪化しました。精神的苦痛を受けた結果、日常生活に支障をきたしており、原告の家庭生活は大きな影響を受けています。 3. よって、原告は被告に対して、不貞行為による精神的苦痛の賠償として、慰謝料として金○○円を請求します。
2.5. 証拠の提示
証拠の提示は訴状の重要な部分です。どの証拠を使うかを明確にし、証拠番号を振り分けます。証拠の内容を簡潔に説明します。
例:証拠 1. 甲第1号証 探偵の調査報告書(○○年○○月○○日) 2. 甲第2号証 LINEメッセージのスクリーンショット(○○年○○月○○日)
2.6. 附属書類
裁判所に提出する書類には、以下のものを付け加えます。
- 訴状の写し(裁判所用、相手用、自分用に3部作成)
- 証拠の写し
- 印紙代の領収書
- 郵便切手(裁判所からの書類送付のため)
3. 提出方法
3.1. 管轄の裁判所に提出
訴状を作成したら、以下の手順で提出します。
-
裁判所の選定:被告の住所を管轄する地方裁判所または簡易裁判所に訴状を提出します。慰謝料が140万円以下の場合は簡易裁判所、それ以上の場合は地方裁判所が担当します。
-
提出する部数:訴状は3部作成します。1部は裁判所、1部は相手、もう1部は自分用です。
3.2. 印紙代の支払い
訴状を提出する際には、裁判所に支払う「印紙代」が必要です。印紙代は請求額に応じて異なります。例えば、100万円を請求する場合の印紙代は5,000円です。
請求額 | 印紙代 |
---|---|
100万円まで | 5,000円 |
200万円まで | 10,000円 |
300万円まで | 15,000円 |
裁判所にて印紙代を確認し、窓口で支払います。
3.3. 郵便切手の準備
裁判所からの通知や書類を送付するための郵便切手代も必要です。裁判所ごとに必要な金額が異なるため、事前に問い合わせて必要な金額を確認しておきます。
4. 手続きの流れ
4.1.訴状の作成
- 不倫の事実を確認し、証拠をまとめる。
- 訴状を作成する。
4.2.訴状の提出
- 訴状を3部用意し、裁判所に提出。
- 印紙代や郵便切手を準備し、支払い。
4.3.裁判の進行
- 裁判所から被告に訴状が送付され、裁判が開始。
- 口頭弁論や証拠の提出、反論などが行われる。
5. 訴状の例文
以下は、不倫相手に対する慰謝料請求裁判の訴状の例文です。
訴状の例文
訴状 損害賠償請求事件
原告 ○○県△△市□□丁目XX番地 △△ △△(あなたの名前) 電話番号:XXX-XXXX-XXXX 被告 ○○県△△市□□丁目YY番地 □□ □□(不倫相手の名前)
請求の趣旨 1. 被告は原告に対し、慰謝料として金○○円を支払え。 2. 訴訟費用は被告の負担とする。
請求の原因 1. 原告は、○○年○○月○○日に被告□□が原告の夫○○と不貞行為を行った事実を確認しました。具体的には、○○年○○月○○日に○○ホテルで宿泊していたことを、SNSでのやり取りや探偵による調査報告書(別添証拠1参照)で確認しました。 2. この不貞行為により、原告は精神的に大きな苦痛を受け、夫との婚姻関係も悪化しました。精神的苦痛を受けた結果、日常生活に支障をきたしており、原告の家庭生活は大きな影響を受けています。 3. よって、原告は被告に対して、不貞行為による精神的苦痛の賠償として、慰謝料として金○○円を請求します。
証拠 1. 甲第1号証 探偵の調査報告書(○○年○○月○○日) 2. 甲第2号証 LINEメッセージのスクリーンショット(○○年○○月○○日) 令和○○年○○月○○日 ○○県△△市□□丁目XX番地 △△ △△(あなたの名前) 【印】
まとめ
不倫相手に慰謝料請求を提起する訴状は具体的な事実と証拠に基づいて作成する必要があります。書類の提出手続きや印紙代、郵便切手などの準備を整えたうえで、適切な裁判所に提出することが重要です。