都合のいい女になった私──不倫という“偽りの愛”に縛られて
- 2025年07月01日
- 2025年07月01日

不倫をされた側として、どうしても理解できないことがある。
「なぜ、あの女性は“妻がいると知っていて”関係を続けられるのか?」
「どうして、彼にとって“都合のいい存在”に甘んじていられるのか?」
怒りや悲しみだけでは整理しきれないその疑問。
そこには、不倫相手側の**“心の癖”や“満たされない欲求”**が大きく関わっています。
ここでは、不倫された側の視点から、不倫相手が“都合のいい女”になってしまう心理を冷静に掘り下げます。
■ 1. 「誰かに愛されたい」寂しさに支配されている
不倫関係に陥りやすい女性の中には、心の深いところに“寂しさ”を抱えている人が少なくありません。
この寂しさは、単に「恋人がいない」という状況からくるものではなく、誰かに必要とされたい、愛されたい、特別でいたいという強い承認欲求の裏返しでもあります。
特に、過去に「十分に愛された経験」が乏しかった人や、自己評価が低くなりやすい環境で育った人は、
「愛されること=自分の存在価値を証明する手段」になってしまう傾向があります。
● 「愛されている感覚」を求めて関係にしがみつく
不倫関係の中でも、ほんの少しの優しさや甘い言葉で
「私はこの人にとって特別なんだ」
「奥さんではなく、私を選んでくれている」
と錯覚してしまうことがあります。
本当は、会えるのは都合のいい時間だけ。
将来の話は一向に進まない。
約束は何度も破られる。
でも、それでも関係を手放せないのは、
“たとえ不完全でも、誰かとつながっていること”に安心を覚えてしまうからです。
● 寂しさが「自分を大切にする感覚」を曇らせる
「一人でいるのがつらい」
「また誰からも必要とされなくなるのが怖い」
そんな不安が、不倫という不安定な関係にしがみつかせ、
相手の曖昧な態度にも「本当は愛されている」と思い込もうとします。
その結果、自分の尊厳を守れず、
相手の都合に合わせてしまったり、傷つけられても我慢してしまうことに――。
■ 2. 「いつか私を選んでくれる」という幻想
不倫相手の女性が、既婚者との関係を断ち切れない理由のひとつに、
**「いつか彼が奥さんと別れて、私を選んでくれるはず」**という淡い期待があります。
不倫関係は本来、どこかに罪悪感や後ろめたさを伴うものです。
しかしその罪悪感を抱えたまま関係を続けるには、“希望”という名の言い訳が必要なのです。
● 現実は変わらないのに、「言葉」だけが心を縛る
「今はタイミングが悪いだけ」
「子どもがもう少し大きくなるまで待ってほしい」
「いずれは君と一緒になりたいと思ってる」
——そんなセリフを信じて、不倫相手の女性は“都合のいい存在”として待ち続けます。
でも実際には、月日が流れても何も変わらない。
口先だけの「約束」でつなぎ止められているだけなのに、
“信じていた時間”が長くなるほど、引き返せなくなっていくのです。
これは心理学でいう「サンクコスト効果(埋没費用効果)」にも通じます。
投資した時間や感情が多ければ多いほど、やめたときの“損失感”が大きく感じられるため、
自分でも無意識のうちに「この関係には意味がある」と思い込もうとするのです。
● 「選ばれたい」という気持ちは、自分自身を消耗させる
「きっといつか私のもとへ来てくれる」
そう願い続けるほど、彼女たちは**“今の自分”を犠牲にし続ける**ことになります。
休日に会えない
イベントは一緒に過ごせない
未来の約束は曖昧なまま
家族と過ごす彼を想像しては、自己嫌悪に陥る
それでも「彼が悪い人だと思いたくない」「私は本命だ」と信じたくて、
現実の不都合な部分を見て見ぬふりをするようになります。
● 傷ついているのは、不倫相手じゃない
不倫された側のあなたも、裏切られ、蔑ろにされた現実と向き合っています。
でも、もう一方で「選ばれることを信じている女性」が、**事実上“その片棒を担いでいる”**こともまた事実です。
たとえ彼女が純粋な気持ちで彼を信じていたとしても、
その幻想が、あなたの人生を壊しているという現実は否定できません。
● 「選ばれる日」は、ほとんどの場合やってこない
統計的にも、不倫関係から再婚につながるケースは極めて少数です。
そして仮に結ばれたとしても、それは「嘘と裏切りから始まった関係」であることに変わりありません。
-
あなたに嘘をついて会っていた人
-
家族を裏切ってでも関係を続けていた人
そうした事実は、関係が始まった後にも影のように付きまとうのです。
だからこそ、「いつか選ばれる」という幻想は、
「本当に大切にされること」とはかけ離れた場所にあるということになります。
■ 3. 「彼の家庭に迷惑をかけたくない」という矛盾した気遣い
不倫相手の女性がよく口にする言葉の一つに、
**「奥さんや子どもに迷惑をかけたくない」**というセリフがあります。
一見すると良心があるように見えるこの言葉。
けれど、その裏には矛盾した心理が隠れています。
● すでに「迷惑をかけている」という現実
彼女がそう思った時点で、すでに関係は始まっており、
奥さんや家族の知らぬところで、確実に「家庭」は傷ついています。
-
夫が嘘をついて外出している時間
-
家族のためにあるはずの心や労力が他の女性に向けられている現実
-
知らないうちに踏みにじられている信頼や尊厳
「迷惑をかけたくない」と言いながら、
その人の最も大切な領域に、静かに入り込んでいるのです。
これは決して、被害者が「不倫相手だけが悪い」と断定しているのではなく、
“加担している事実”からは誰も目をそらしてはいけないということです。
● 良心と執着が混ざり合う「都合のいい気遣い」
「奥さんに悪いから、会うのは平日の昼間だけにしてる」
「連絡は向こうから来るまで我慢するようにしてる」
……このような“配慮”は、いずれも 「関係を続けることが前提」 でなされているもの。
つまりその気遣いは、相手の家庭を守るためのものではなく、関係を長引かせるための言い訳になっているのです。
本当に「家庭に迷惑をかけたくない」と思うなら、
一番の配慮は 関係を終わらせることに他なりません。
● 良識ある人間でいたいという“自己イメージ”の保身
不倫相手の女性が「迷惑をかけたくない」と口にするのは、
単に奥さんを思いやっているからだけではありません。
実際には、
「私はちゃんと分別がある人間だ」
「最低限の良心は持っている」
――そんな“自己イメージ”を守るための防衛反応であることも多いのです。
でもその「良心」は、
すでに人の家庭を壊しかけている関係の中で語られるとき、
形ばかりの美しさをまとった“都合のよさ”に変わってしまいます。
● 被害者から見れば、矛盾でしかない
不倫された側からすれば、
「迷惑をかけたくないと思っているなら、なぜ関係を続けるの?」
「なぜ、私の大切な人を奪っているのに“気遣っているつもり”なの?」
——そんなふうに思わずにはいられません。
この矛盾は、加害者である不倫相手が、
自分の罪悪感を最小限に抑えるために作り出した言葉にすぎないのです。
● 「本当の気遣い」は、身を引くこと
「誰かに迷惑をかけたくない」という言葉を、本当に大切にするならば、
その選択肢はひとつしかありません。
関係をやめること。
自分の感情より、誰かの人生を壊さないことを優先すること。
それが、本当の「気遣い」であり、
不倫という泥沼から抜け出す唯一の道なのです。
■ 4. 「自分は特別」だと思いたいプライド
不倫相手の女性の中には、たとえ罪悪感を抱えていたとしても、
心のどこかで**「私だけは彼にとって特別な存在だ」**という思いを抱いている人が少なくありません。
この“特別感”は、ただの恋心ではなく、
プライドを保つための心の防衛反応として根を張ることがあります。
● 「既婚者が私を選んだ」という優越感
本来、既婚男性との関係は「正しくない」もの。
それを自分の中で正当化するために、次のような思考が働くことがあります:
-
「奥さんとはもう終わってるって言ってた」
-
「彼の本当の気持ちは私に向いている」
-
「私と一緒にいるときの彼は、本当に楽しそう」
こうして、“自分は特別だから選ばれた”というストーリーを自分の中で作り出すことで、
倫理的な罪悪感を薄め、自尊心を守っているのです。
しかしこれは、“特別”なのではなく、
相手の都合のいい枠に自らはまりにいっているだけのことがほとんどです。
● 「本妻」と比べて自分の価値を測る心理
不倫相手はしばしば、見えない奥さんとの間に無意識の競争心を抱きます。
-
「私の方が若いし、可愛い」
-
「彼は私といるときの方がリラックスしてる」
-
「私には本音を話してくれる」
こうして、勝手に比較をし勝手に“自分が勝っている”と思い込むことで、
自己価値を高めようとするのです。
けれどそれは、“勝ち負け”でしか愛を感じられない不健全な状態であり、
本来の意味での「愛されている」という実感からは程遠いものです。
● 特別でいたい気持ちが、自分を縛る
「私は彼にとって特別な存在」
「誰よりも愛されている」
——その思いが強くなるほど、
彼が家庭を壊してでも自分を選んでくれることを“証明”してほしくなります。
そしてそれが叶わないとき、
次第に自分の価値そのものを疑い、苦しむようになります。
「特別な存在でありたい」という願望が、逆に自分自身を不自由にするのです。
● 不倫関係における「特別」は、現実ではなく幻想
不倫の中で語られる「君だけが特別」という言葉は、
本当の意味での“選ばれた証”ではありません。
-
相手が家族を捨てていない時点で、あなたは「2番目」
-
約束を果たす行動がなければ、それはただの慰め
-
その“特別”が、あなたを孤独と苦しみに縛っていないか?
大切なのは、誰かに特別扱いされることではなく、
自分自身が自分の価値を信じられるかどうかです。
● 被害者から見える“歪んだ優越感”
不倫された側から見ると、不倫相手が“特別な女”を気取る姿は、
とても現実を直視していないように映ります。
「私の方が愛されている」
「彼は私のところに来るはず」
……そう信じることで、「不倫している自分」から目を背けているだけなのではないかと。
そしてその“自分だけが特別”という思い込みが、
誰かの家庭を壊し、誰かの心を踏みにじっているという現実には、なかなか気づけないのです。
■ 5. 「都合のいい存在」でも離れられない依存状態
「会えるのは彼の都合のいい時だけ」
「誕生日もクリスマスも、結局ひとりで過ごした」
「優しい言葉はくれるけど、行動はいつも曖昧」
……それでも、不倫相手の女性は関係を断ち切れないことがあります。
彼の生活に「都合よく組み込まれているだけ」と感じながらも、
なぜ抜け出せなくなるのでしょうか。
● “本命”ではなくても「特別扱いされている気がする」
たとえ奥さんや家庭があるとわかっていても、
彼からかけられる甘い言葉や優しい態度に、「特別な存在だ」と思ってしまう。
-
「こんなに本音を話せるのは君だけだよ」
-
「いつか必ず一緒になるから」
-
「妻とはもう気持ちがない」
——そう言われることで、彼女の中では
「私は単なる遊びじゃない」という幻想が強まっていきます。
その結果、たとえ都合よく扱われていても、
“愛されている気がする”という感覚にしがみついてしまうのです。
● 愛ではなく「承認欲求」を埋める関係
不倫相手との関係の中には、しばしば「愛情」ではなく、
自己否定を埋めるための承認欲求が隠れています。
-
誰かに必要とされたい
-
誰かの一番でいたい
-
誰かに選ばれたい
その欲求が満たされる瞬間だけは、自分に価値があるように思えてしまう。
だからこそ、どれだけ雑に扱われても、「次こそは大切にされるかもしれない」と期待してしまうのです。
● 心のどこかで「自分が変えられる」と信じている
「彼は本当はいい人」
「私の存在があれば、きっと変わってくれる」
——そんな思い込みは、まるで“恋愛版の共依存”。
問題のある相手との関係でも、そこに意味や価値を見出そうとしてしまう。
自分の苦しみすら「愛の証拠」に変換してしまう、この構造こそが依存の深さです。
● 自尊心を失うことで「抜け出す力」を失っていく
関係を続けるほどに、
彼女は少しずつ自尊心をすり減らしていきます。
-
自分の気持ちより彼の都合が優先される
-
待つこと、我慢することが当たり前になる
-
泣いても怒っても、変わらない現実に慣れていく
そしてある日、**「こんな自分には彼しかいない」という感覚が芽生え、
ついには「傷つけられても、離れた方がもっと苦しい」**と錯覚してしまうのです。
● 被害者の視点から見る「関係の不健全さ」
不倫された側から見れば、このような関係性は決して「愛」ではありません。
それは、誰かの家庭を壊しながら、“自分の寂しさ”だけを埋めている自己中心的な行為。
そしてもう一つの事実は、
不倫相手にとっての「依存」は、家庭を破壊された側にとっての「苦しみの源」でもあるということ。
■ 6. 「恋愛=自己犠牲」という歪んだ愛情観
不倫関係において、多くの不倫相手は無意識のうちに「恋愛とは自分を犠牲にするもの」という誤った価値観にとらわれています。
そのために、自分の時間や気持ち、尊厳までも削って不倫関係を続けてしまうのです。
この背景には、幼少期の愛着不安や「愛されるには我慢が必要」という過去の刷り込みがある場合もあります。
● 「我慢は愛情の証」という誤解
不倫相手としての立場は、どうしても「彼の都合に合わせる」ことが多くなります。
-
会いたい時に会えない
-
予定を後回しにされる
-
約束が破られても許してしまう
そんな我慢や犠牲を「私が愛しているから」と自己正当化してしまいがちです。
しかし、本当の愛情は、一方的な我慢や犠牲ではありません。
● 何故、自己犠牲の価値観に囚われるのか?
この歪んだ愛情観は、次のような背景から生まれます。
-
幼少期の家庭環境で「自己犠牲的な愛情」を学んだ
-
過去の恋愛で「我慢が愛の証」とされた経験がある
-
社会的なジェンダーロールやメディアによる「献身的な女性像」の刷り込み
これらの影響で「愛されるためには、自分を犠牲にするしかない」と信じ込んでしまうのです。
● 自己犠牲がもたらす悪循環
自己犠牲の愛情観は、次第に不健全な関係を強化します。
-
彼の都合ばかり優先して自分の感情が置き去りになる
-
不満や怒りを表現できず、心が押しつぶされる
-
「自分は愛されていない」と自己否定が強まる
-
それでも「これが愛」と信じて関係を続けてしまう
この悪循環は、心と体を蝕み、長期的には精神的なダメージを深刻化させる恐れがあります。
● 不倫被害者としてのあなたに伝えたいこと
不倫という特殊な関係に限らず、愛とは犠牲ではなく、相互尊重と理解によって成り立つものです。
自分の気持ちや権利を犠牲にしてまで、誰かの「都合のいい存在」である必要は決してありません。
不倫被害者である、あなたが感じている「我慢」や「不満」は、決して間違いではなく、心があなたに発している重要なサインです。
■ 7. 「人のものを奪うことで満たされる」優越感と承認欲求
不倫関係において「都合のいい女」となってしまう背景には、単なる孤独や寂しさだけでなく、もっと複雑な心理が絡み合っています。
その一つが、「他人のものを奪うことで得られる優越感」と「承認欲求」の満たし方です。
● 他人のパートナーを奪うことで得る一時的な満足感
不倫相手は、相手が配偶者や恋人を持つ「特別な存在」であることに価値を感じます。
それは「人のものを手に入れた」という心理的な快感、つまり優越感を生み出します。
-
自分が選ばれた特別な女性だという錯覚
-
周囲には理解されにくい秘密の関係が持つスリル
-
社会的なタブーを破ることで得る自己重要感
こうした感覚は、一時的に自己肯定感を高め、孤独感を和らげることがある一方、根本的な満たされなさを埋めることはできません。
● 承認欲求の歪んだ満たし方
誰しも「自分を認めてほしい」「必要とされたい」という承認欲求を持っています。
不倫相手もしばしば、この欲求を「相手の配偶者から奪う」形で満たそうとします。
-
「彼は私を選んだ」という自己証明
-
「妻よりも自分のほうが魅力的」と感じたい気持ち
-
他者から認められにくい自分を特別扱いされることで埋める虚しさ
しかしこの満足感は非常に脆弱で、相手の気持ちや関係の不安定さに常に揺れ動きます。
● 優越感と承認欲求が生む依存と執着
この「奪うことで満たされる感覚」は、一度経験すると強烈な依存を生みやすくなります。
不倫相手は自分の存在価値をそこに見出すため、たとえ「都合のいい女」として扱われても、なかなか離れられません。
-
相手に必要とされたい一心で、自己犠牲を続ける
-
関係が冷める恐怖から執着心が増す
-
「私は彼の人生の一部だ」という幻想を手放せない
こうした心理的な鎖が、不倫相手の心を縛りつけます。
■ 8. 「自分を大切にする感覚」が麻痺している
不倫相手として「都合のいい女」になってしまう人の心理には、しばしば「自分を大切にする感覚」が麻痺しているという深刻な問題があります。
これは、自分自身の価値や心身の健康を守るための本能的な感覚が鈍り、無意識のうちに自己犠牲や自己否定を繰り返してしまう状態です。
● なぜ「自分を大切にする感覚」が麻痺するのか?
多くの場合、過去のトラウマや傷ついた経験、自己肯定感の低さが根底にあります。
たとえば、
-
幼少期の愛情不足や否定的な環境
-
過去の恋愛での裏切りや傷害
-
周囲からの否定的な評価や期待に応えようとする過剰な自己犠牲
これらが積み重なると、「自分は愛される価値がない」「自分の感情や欲求は後回しでいい」といった誤った信念が形成され、自己防衛機能として「自分を大切にする感覚」が麻痺してしまうのです。
● 麻痺した感覚がもたらす影響
この感覚の麻痺は、以下のような行動や心理状態を生み出します。
-
自分の心や体の不調に気づかず無理を続ける
-
相手からの扱いが悪くても「仕方がない」「これが私の役割」と受け入れてしまう
-
「自分の幸せよりも相手を優先する」ことが当たり前になり、自己犠牲が常態化する
-
不倫関係の不安定さや苦しみに耐え続け、離れられなくなる
この状態は、精神的にも肉体的にも大きな負担となり、長期的には心身の健康を損なうリスクが高まります。
■ 9. モラハラ男性にハマりやすい女性の特徴
モラハラ男性に惹かれ、関係が長引いてしまう女性には、共通する心理的な特徴や傾向があることが多いです。これは決して「弱い」からではなく、過去の経験や心の傷が影響している場合も少なくありません。
● 「自己肯定感」が低く、自分の価値を信じにくい
自己肯定感が低い女性は、自分を大切に扱ってくれない相手にも「自分はこれくらいが相応しい」と感じてしまいがちです。
そのため、モラハラのサインに気づきにくく、暴言や冷たい態度を受け入れてしまうことがあります。
● 「愛されたい」という強い願望と孤独感
誰かに必要とされたい、愛されたいという強い思いがあると、相手の些細な優しさや関心に敏感に反応します。
モラハラ男性はこの心理を利用して、巧みに近づき、心の隙間に入り込みます。
● 過去に「愛されなかった」経験やトラウマがある
幼少期の家庭環境や過去の恋愛で「愛されなかった」「見捨てられた」という感覚が強いと、無意識にそれを埋めようとしてしまいます。
結果的に、自己犠牲的に尽くすことでしか愛を感じられず、モラハラ男性の支配に抵抗できなくなることがあります。
● 「相手を変えたい」「自分が救いたい」という思いが強い
モラハラ男性に対し、「本当は優しいはず」「自分が愛情を注げば変わる」と信じ込みやすい傾向があります。
しかし、この思いが強いほど、被害から抜け出せなくなり、自分を犠牲にしがちです。
● 境界線(バウンダリー)が弱い
「NO」と言えなかったり、自分の感情や意見を後回しにする習慣がある女性は、モラハラ男性にコントロールされやすくなります。
自己主張が苦手なため、加害的な言動を受け入れてしまう傾向にあります。
● 感情の起伏が激しく、自己コントロールが難しい
感情の波が大きい女性は、モラハラ男性の揺さぶりに翻弄されやすく、支配的な態度に振り回されやすい傾向があります。
そのため、依存関係に陥りやすく、抜け出しづらくなります。
■ 10. 「本当は自分でもわかっている」けど抜け出せない
不倫関係やモラハラの苦しい状況にいると、多くの人は「このままではいけない」「本当は自分でもわかっている」と心のどこかで感じています。けれど、その「抜け出さなければ」という思いが強いほど、なぜか動けない、踏み出せない現実に苦しむのです。
● 心の葛藤と矛盾
「離れたい」と願う一方で、「離れたくない」「まだ可能性を信じたい」という相反する感情が同時に存在しています。
この葛藤は、心理学で言うところの「認知的不協和」として知られ、矛盾する感情や考えを同時に抱えることで、精神的に大きな負担になります。
● 「希望バイアス」と「サンクコスト効果」
-
希望バイアス:現実の辛さを直視しにくく、「いつか変わるかもしれない」「本当の彼は違うはずだ」と願望的に捉えてしまう心理です。
-
サンクコスト効果:これまで費やした時間や労力、感情の投資を無駄にしたくないという心理で、「ここまで頑張ったんだから…」と関係を続けてしまいます。
これらの心理的罠により、抜け出すことが難しくなっているのです。
● 自己肯定感の低下と依存
モラハラや不倫関係の中で受ける精神的ダメージは、自己肯定感を著しく低下させます。
「自分には価値がない」「誰かに必要とされなければ生きられない」と感じると、依存状態に陥りやすくなります。そうなると、冷静に行動することが困難になります。
● 社会的・経済的な事情
経済的な自立が難しい、子どもがいる、周囲に相談しづらいなど、現実的な障壁も抜け出せない理由の一つです。
これらの事情が心理的な葛藤と絡み合い、動けない状況をさらに強化してしまいます。
● 恐怖と孤立感
「離れたらどうなるのか」「一人で生きていけるのか」という不安が大きく、恐怖感に縛られます。
また、被害を話せる相手がいない孤立感も抜け出せない要因です。
■ 最後に——あなたは、不倫相手と比べる必要はありません
不倫相手と自分を比べて、「私には何が足りなかったのだろう」と自問する方もいるかもしれません。
けれど、“都合のいい女”になってまで愛を得ようとする人と、
“誠実に愛すること”を選んできたあなたは、まったく別の人間です。
あなたの価値は、誰かの裏切りや不実で決まるものではありません。
配偶者の不倫に傷ついた心に、少しでも冷静さと、自分への信頼を取り戻すために、
まずは「配偶者の心理を知る」ことが、その第一歩となるはずです。