不倫夫と離婚しない理由──子どもを守るための本当の選択とは
- 2025年05月12日
- 2025年05月13日

「不倫されたけど、子どものために離婚はしない」──そう考えている方は少なくありません。 確かに、両親がそろっている家庭が子どもにとって安定した環境であるというのは、一般的な考え方です。
しかし、「不倫」という裏切りがあった夫婦関係を維持することは、本当に子どもの幸せにつながるのでしょうか?
この記事では、「不倫夫と離婚しない」という選択が、子どもの視点から見てどのような影響をもたらすのかを整理しながら、自分自身の本音とも向き合っていきます。
はじめに:あなたの決断は誰のため?
離婚を選ばない理由として「子どものため」という言葉がよく使われますが、その奥には親自身の恐れや不安が隠れていることもあります。まずは、その気持ちとしっかり向き合うことが大切です。
「子どものため」って本当? その裏にある“自分の気持ち”
「子どものため」と言いながらも、実は次のような気持ちが隠れていることはありませんか?
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離婚後の生活に不安がある(経済的・社会的)
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一人で子育てする自信がない
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周囲の目が気になる
こうした気持ちは決して悪いものではありません。ただ、「自分の不安」を「子どものため」と言い換えていないかを一度見つめ直すことは重要です。
チェックリスト:自分の気持ちに正直になれている?
このチェックリストは、「子どものために離婚しない」と考えているあなた自身の気持ちを深く掘り下げるためのものです。一つひとつ、じっくりと自分に問いかけながら確認してみてください。
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「子どものため」と言いながら実は将来の生活費や仕事に不安を感じている
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離婚後の孤独や親として一人になることへの恐れが強い
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社会的な「いい母親像」や「理想の家庭像」に縛られている気がする
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子どもに「片親にさせるのはかわいそう」と自分を責めている
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周囲(親、友人、学校関係など)の目を気にして離婚を踏みとどまっている
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配偶者が本気で謝罪したわけではないが関係を続けている
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誰にもこの悩みを相談できておらず、一人で抱えている
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子どもの前で本心を隠して笑顔を作ることに疲れている
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配偶者と信頼関係を築ける気がしないまま現状を続けている
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自分の人生の幸せについて深く考える時間を持てていない
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子どもが夫婦間の空気を敏感に察して不安そうにしている
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自分の気持ちよりも「世間体」や「常識」を優先している気がする
このチェックリストで多く当てはまる項目があった場合は、あなたが「子どものため」と思っていることが、実は「自分を守るため」になっていないかを見つめ直すタイミングかもしれません。
本当に子どものために必要なのは、両親が形式的にそろっていることではなく、子どもが安心して過ごせる、健やかな環境です。
不倫後の家庭環境は、子どもにとって安心?
不倫が発覚した後、夫婦関係がぎくしゃくしている家庭の中で、子どもは次のような空気を感じ取っています。
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両親の会話が少ない、あるいは冷たい
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母親が精神的に疲れ切っている
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家にいても安心できず、緊張して過ごしている
子どもは、言葉に出さずとも親の感情や空気を敏感に感じ取ります。そして、それが長く続くと「家庭=緊張する場所」になってしまい、心の安定や自己肯定感に悪影響を及ぼします。
離婚による変化は、必ずしもマイナスではない
確かに離婚にはリスクもありますが、同時に新しい安定を得るチャンスでもあります。
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親が前向きに人生を歩む姿を見せられる
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家庭内の空気が安定し、子どもが安心して過ごせる
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子ども自身も「我慢することが家族愛ではない」と知る
大切なのは、「離婚すること」そのものよりも、「離婚後の環境をどう整えるか」です。
自分に問いかけたい3つの質問
離婚を選ぶか、夫婦関係を続けるか、どちらの選択も非常に重いものです。感情や不安、そして恐れが入り混じった状態で決断を下すことは容易ではありません。しかし、重要なのは、選択をする前に自分の本音と向き合い、しっかりと自分に問いかけることです。以下の3つの質問を自分自身に投げかけることで、選択肢を絞り込み、最も幸せな未来に近づくことができるはずです。
1. 今の家庭環境で、子どもは本当に安心して過ごせているか?
まずは、家庭内での現状を冷静に見つめ直してみましょう。子どもは言葉に出さずとも、家の中の空気を敏感に感じ取ります。もしも夫婦間に不和や不安定な雰囲気が続いていると、子どもはそれを無意識に察して心に影響を及ぼすことがあります。
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夫婦間の会話やコミュニケーションはどれくらい穏やかか?
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家の中に冷たい空気や沈黙が多くなっていないか?
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子どもが親の感情に敏感に反応していないか?
もし、家庭内で緊張感やストレスが続いていると、子どもがその影響を受け、精神的に不安定になることがあります。今の家庭環境が、子どもの心の安定にどれほど寄与しているかを冷静に見つめ直すことが、第一歩です。
2. 10年後、このままの家庭で子どもが幸せでいられると言えるか?
短期的な感情だけでなく、長期的な視野で自分と子どもの未来を考えることが大切です。今の家庭環境が将来にどう影響を与えるのかを考えてみましょう。子どもは成長する過程で、親の態度や行動を見て学びます。将来的に、子どもが振り返ったときに、今の決断がどのように響くかを想像してみてください。
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今の家庭環境が子どもにとって将来の安心感を与えているか?
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親として、10年後に子どもにどんな価値観を伝えたいか?
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子どもが成人し、自立する過程で親としてどうサポートするべきか?
もし、このままの家庭環境では子どもが幸せになれないと思うなら、長期的に見たときの選択肢を考え直すことが必要です。離婚が必ずしも悪い決断ではなく、新しい環境を作ることで、子どもにとっても良い未来を提供できる場合もあります。
3. 私は、子どもに“自分を大切にする生き方”を見せられているか?
親は、言葉だけでなく行動を通して子どもに影響を与えます。「自分を大切にする生き方」は、子どもにとって最も重要なメッセージの一つです。自分の心や体、そして人生を大切にする姿を見せることで、子どももその価値を学び、自己肯定感を育むことができます。
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自分が満たされていない状態で、子どもに「幸せな家庭」をどう伝えるか?
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自分の幸せを犠牲にしてまで「家族を守る」と思っていないか?
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自分の感情やニーズを無視して、子どもに“犠牲的な愛”を見せていないか?
子どもは、親が自分を大切にする姿を見て、自己尊重や自己肯定感を育てます。もし、自分を犠牲にしていると感じるなら、その状態で子どもに何を教えることができるのかを問い直すことが大切です。親が幸せで充実している姿を見せることこそが、子どもにとっても最良の手本になります。
これらの質問を通して、自分が本当に望んでいる未来や子どもにとって最適な選択を見つけることができます。焦らず、自分の気持ちと向き合いながら、最も幸せな決断を下してください。
子どもへの説明をどうするか
離婚や家庭内の問題を抱えている中で、最も難しいのは子どもに対する説明です。どんな状況でも、子どもは大人が考える以上に敏感で、家の中で起きていることを感じ取っています。そのため、子どもに対してどのように話すかは非常に重要です。
1. 年齢に応じた伝え方
子どもに説明する際は、年齢や理解力に応じた言葉を使うことが大切です。小さな子どもには簡単な言葉で、状況を少しずつ伝えていく方法が良いでしょう。一方で、思春期の子どもには感情的に配慮しながらも、より具体的で真摯な説明が求められます。
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幼児や小学生低学年:簡単で優しい言葉で、家庭の中で起きている変化を説明しましょう。「お父さんとお母さんは少し違う形で過ごすことに決めたけれど、あなたのことは変わらず大切に思っている」というような形で、子どもが不安にならないように配慮します。
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小学生高学年や中学生以上:ある程度の理解力を持っているので、状況を説明し、なぜその決断に至ったのかを少し具体的に話すことができます。「家庭の状況が良くなく、みんなが幸せに暮らせるように、別々の生活をすることになった」というように、子どもが納得できるように伝えます。
2. 正直さと優しさのバランス
子どもには正直に話すことが重要ですが、その際、過度に詳細な情報を伝えることは避けましょう。例えば、配偶者の不倫の詳細や、あなたが感じている怒りや悲しみなど、子どもにとって重すぎる情報は不要です。あくまで子どもが理解できる範囲で、家庭内で起きている変化を伝えることを心掛けましょう。
「お父さんとお母さんがもう一緒に暮らさないけれど、あなたを愛していることは変わらない」と伝えることで、子どもは不安を減らすことができます。
3. 子どもの感情を尊重する
子どもに説明した後は、その感情を尊重することが非常に大切です。質問を受けた場合には、正直に答え、また子どもが感じる不安や寂しさを受け止める姿勢を見せましょう。
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子どもが泣いたり怒ったりするかもしれません。そのときには「悲しいよね」「怒る気持ちもわかるよ」と、子どもを受け入れることが大切です。
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子どもが何も言わない場合でも、積極的に感情を聞いてあげることを忘れないでください。「どう感じている?」と声をかけてあげることが、子どもとの信頼関係を築く一歩となります。
4. 今後の生活についての期待感を持たせる
説明の中で、今後の生活がどうなるのかを具体的に話すことで、子どもに不安を感じさせないようにします。例えば、「これからはお父さんとお母さんがそれぞれの場所で生活をするけれど、どちらの家でも愛されているよ」といった言葉をかけ、子どもが新しい環境に適応できるようにサポートしましょう。
ワーク:自分の気持ちを見つめる書き出しワーク
紙とペンを用意して、以下の問いに自由に答えてみてください。形式は自由です。箇条書きでも文章でも構いません。
ステップ1:理由を書き出す
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「離婚しない」と思っている理由を、できるだけ多く具体的に書き出してください。
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例:経済的な不安がある、子どもの学校を変えたくない、親に反対されそう、など。
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ステップ2:「誰のため?」を問い直す
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書き出した理由の横に、「それは子どものため?自分のため?世間体のため?」と自分に問いかけて答えてみましょう。
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例:「経済的な不安 → 自分のため」「子どもの学校 → 子ども+自分の安心」など。
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ステップ3:理想の未来を描く
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「どんな未来なら、自分と子どもが心から安心して過ごせるか?」を自由に想像して書き出してください。
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例:毎日笑顔でいられる家、子どもが安心して話せる環境、自分が自信を持って働いている姿など。
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ステップ4:今の生活と比較してみる
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描いた理想の未来と、今の現実を比べてみましょう。
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ギャップに気づいたら、「それを埋めるために何ができるか?」も一緒に考えてみてください。
このワークは、自分の本音と向き合い、選択の軸を整理するためのものです。 焦らず、何度でも繰り返してみてください。時間をかけて書くことで、自分でも気づいていなかった本音が見えてくることがあります。
子どもにとって大切なのは、親の“かたち”ではなく“安心感”
不倫という裏切りがあった中で夫婦関係を継続することは、相当な覚悟と努力が必要です。
「子どものために離婚しない」という選択は、時に子どもを無意識に“犠牲”にしてしまう危険性もあります。
子どもが本当に必要としているのは、「両親がそろっていること」よりも「安心して過ごせる環境」です。
だからこそ、「離婚しないこと」が本当に子どものためなのか、今一度問い直してみましょう。
あなた自身と、あなたの子どもにとって最善の選択が見つかりますように。
同じ経験をした人の言葉
不倫や離婚という苦しい状況に直面しているあなたにとって、同じような経験をした人の言葉は、大きな支えとなることがあります。ここでは、実際に不倫を経験し、その後の選択をした方々の言葉をいくつかご紹介します。彼らの言葉から、どのように心の整理をして前に進んだのか、そのリアルな経験を感じてください。
1. 40代女性 Aさんの言葉
「最初は、子どものために離婚を考えませんでした。私がしっかりと家庭を守らなければ、子どもに悪影響を与えてしまうと思っていたからです。でも、夫と毎日顔を合わせるたびに、心がどんどん壊れていきました。ある日、子どもが不安そうに私を見ているのを感じて、『これ以上続けても、子どものためにはならない』と心から思いました。今では離婚して、親子で新しい生活を始めています。確かに不安もありますが、前よりも子どもは笑顔を取り戻し、私も少しずつ自分を取り戻しています。」
2. 30代女性 Bさんの言葉
「私は不倫をされたことで、最初は心の中がどうしても乱れました。でも、夫とやり直すべきかどうか悩んでいた時、友人から『自分がどうしたいのかをまず考えて』と言われました。それから自分の気持ちに正直になり、最終的には離婚を決断しました。周囲の反応は冷たかったけれど、今思うとその選択が最良だったと思います。子どもは少し時間がかかりましたが、私が元気を取り戻すことで、自然と笑顔を見せてくれるようになりました。」
3. 50代女性 Cさんの言葉
「私の夫も不倫をしていましたが、最初はどんなに謝られても信じることができませんでした。心の中では『子どもがかわいそうだから、離婚しない方がいいのでは』という思いが強かったです。しかし、次第に家の中の雰囲気がどんどん悪くなり、子どももそれを敏感に感じていることに気づきました。最終的に私は離婚を選びました。子どもは最初は混乱していたけれど、今は少しずつ笑顔が戻り、私自身も新たな人生を歩むことができています。」(50代女性)
4. 30代後半女性 Dさんの言葉
「私も離婚を選ばず、夫婦関係を続けることに決めましたが、その決断には多くの苦しみが伴いました。自分の心の中で『もう限界だ』と思った瞬間、子どもに対して『どんな環境であれば幸せになれるか』を真剣に考えました。その結果、離婚ではなく、別居という選択をしました。今は家族全員が少しずつ前向きに生活をしており、子どもも少しずつ落ち着きを取り戻しています。子どもにとって大切なのは『安定感』だと実感しました。」(30代後半女性)
最後に
このように、同じ状況に直面した人々が、どのように感じ、どのように乗り越えたかを知ることが、あなた自身の選択にとって重要な手助けになるかもしれません。年齢や立場に関わらず、最終的に大切なのは自分自身の気持ちに正直に向き合い、後悔しない選択をすることです。あなたの最良の選択が、あなたとあなたの大切な人々にとって、平穏で幸せな未来を作り出すことを願っています。