現実をねじ曲げてでも自分を正当化する“不倫夫”の思考回路 ― 都合のいい解釈で責任から逃げる人たち ―
- 2025年07月04日
- 2025年07月05日

「もう気持ちはないから不倫しても問題ない」
「別居して3週間も経ったんだから、もう夫婦関係は終わってる」
「悪いのはお前。だから俺は自由になって当然だ」
そんな、現実とかけ離れた“自己中心的な言い分”を平気で口にする夫に、心が折れそうになったことはありませんか?
不倫という裏切りをしているのに、なぜ彼らはこんなにも堂々と“自分の都合のいい理屈”を語れるのでしょうか?
今回は、その心理構造を掘り下げていきます。
■ 1. 自己正当化のための“現実の書き換え”
不倫をしている夫がしばしば見せるのが、「事実」をねじ曲げてまで、自分を正当化しようとする姿勢です。
それは意図的な嘘というより、都合の悪い現実を心の中で“書き換えて”しまう、ある種の自己防衛でもあります。
ここでは、その心の動きの具体的な特徴を掘り下げます。
● 自分の行動を正当化する“後付けの理屈”
不倫が発覚した後に、こんな言葉を口にする夫はいませんか?
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「お前とはもう気持ちが冷めてた」
-
「俺だって我慢してきた」
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「彼女(不倫相手)は俺を理解してくれた」
こうした発言は、あたかも不倫するに足る理由があったかのように、自分の行動を「仕方なかったこと」として正当化しようとする試みです。
過去の夫婦関係の不満を“根拠”に仕立てて、今の裏切りを正当なものに見せようとする――まさに現実の書き換えです。
● 「過去の記憶」を自分に都合よく再編集する
さらに厄介なのは、夫の中で「記憶」までもが変化していくこと。
たとえば、結婚生活の中で幸せだった思い出や、支え合ってきた日々がまるで存在しなかったかのように扱われるのです。
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「ずっと辛かった」
-
「お前とは最初からうまくいってなかった」
-
「本当は結婚なんてしたくなかった」
これらは、**本心ではなく“自己防衛のためのストーリー作り”**に近いものです。
現在の裏切り行為と矛盾しないように、過去の記憶そのものを“都合よく修正”してしまっているのです。
● 「自分も被害者だった」という思い込み
不倫をした側であるにも関わらず、
「自分も傷ついていた」「お前に大事にされなかった」という“被害者意識”を抱く男性は少なくありません。
これは、自分の中で罪悪感を処理しきれないため、「悪いのは妻だ」という物語を作ることで自分を守ろうとする心理です。
責められたくないからこそ、責める側に回ろうとする――その心理的反転が、冷酷な言動へとつながっていくのです。
● 周囲にも“書き換えた現実”を話すことで正当性を強化
さらに、自分の作った“都合のいい現実”を、周囲にも語り始めることがあります。
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「もう夫婦関係は終わってたんだ」
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「俺がどれだけ苦労してきたか知らないだろ」
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「あの人(妻)は冷たかった」
こうして他人の同情や理解を得ることで、自分のストーリーに“信ぴょう性”を持たせようとするのです。
それは、自分に対する肯定感を取り戻すための、苦しい自己保身でもあります。
■ 2. 自己愛と被害者意識が強く、他責思考に陥る
不倫をしている夫の中には、極端なまでに“自己愛”が強く、自分は悪くないという立場にしがみつこうとする傾向があります。
そしてその延長線上にあるのが、「被害者は自分」「悪いのは妻」という他責思考です。
ここでは、そうした心のメカニズムを詳しく見ていきます。
● 「自分を正しく見せたい」という歪んだ欲求
自己愛が強い人ほど、自分を「正しく、価値のある人間」として見てもらいたいという願望があります。
そのため、自分が加害者であるという事実は受け入れられず、「悪者は別にいるはずだ」と外に原因を探します。
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「お前が冷たかったから」
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「あの頃、家の中は地獄だった」
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「俺だって苦しんでたんだよ」
これらの言葉は、自分の非を認めたくない一心で紡ぎ出される“責任転嫁の言葉”です。
● 被害者ぶることで「正義の立場」に立とうとする
本来なら責められるべき立場であるはずの不倫夫が、逆に**「自分こそ傷つけられた」と主張してくる**のは、自分の過ちを正当化するための“立場のすり替え”です。
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妻の言動を拡大解釈し、「モラハラだった」と語る
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過去の夫婦喧嘩を引き合いに出して、「あのときのこと、覚えてる?」と執拗に責める
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「お前に愛されなかったから、こうなった」と因果関係を歪める
こうして、「浮気したけど、それには理由がある」と周囲に印象づけるのです。
● 他人の視点を想像する力が乏しい
自己愛が強い人は、共感力が低く、他人の立場に立って考えることが苦手です。
そのため、妻がどれだけ傷ついているか、子どもが何を感じているかに想像が及ばず、自分の感情ばかりを主張します。
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「寂しかったんだ」
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「俺だって幸せになる権利がある」
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「誰にでも間違いはあるだろ」
こうした言葉は、一見して共感的なようでいて、実は**“自分だけが被害者”という世界観の中に閉じこもっている証拠**です。
● 「自分は悪くない」と思い込むことで安心しようとする
不倫は社会的にも倫理的にも“悪いこと”です。
だからこそ、それをした自分を肯定するためには、「自分は悪くない」と強く思い込む必要があるのです。
このとき、夫は以下のような心理状態にあります。
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自分の行動に罪悪感を感じたくない
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自分の存在価値が否定されるのが怖い
-
自己評価を守るためには、他人を悪者にするしかない
これは、**内面が極度に不安定な人の“心の防衛反応”**でもあります。
● 「責任転嫁」によって保たれる脆いプライド
不倫しておきながら、「妻が悪い」「自分も被害者だ」と言い続けるのは、
結局のところ、自分のプライドを守りたいがための自己防衛にすぎません。
しかし、その代償として一番傷つけられているのは、
黙って支えてきた妻であり、無言で状況を見つめている子どもたちです。
どれだけ言葉巧みに“被害者”を演じても、現実の行動がすべてを語っています。
どうか、あなた自身の感覚を信じ、相手の“言葉のマジック”に飲み込まれないでください。
■ 3. 法律より「自分の感情」が優先される
不倫している夫がよく言う言葉のひとつに、
「もう気持ちはない」「気持ちがないのに一緒にいるのは不自然だ」というものがあります。
しかし、夫婦関係は「気持ちがあるかないか」で成立しているものではありません。
法的には、婚姻届を出した瞬間から“責任と義務”が生じており、感情とは別に夫婦関係の継続が認められるものです。
それにもかかわらず、なぜ彼らは“感情”を盾に、すべてを正当化しようとするのでしょうか?
● 「もう愛してない」=「離婚できる」という勘違い
不倫をしている夫の多くは、「気持ちが冷めた」という感情を“離婚の正当な理由”にすり替えます。
しかし現実には、民法上、離婚が成立するには法的な要件が必要であり、単に「愛していない」だけでは認められません。
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「好きじゃない」は法的には理由にならない
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感情の問題と婚姻関係の破たんは別物
-
子どもや財産、生活の継続性など複合的な事情が判断基準
彼らはこの違いを理解していても、“不快な現実”を避けるために、あえて感情を主軸に語ろうとするのです。
● 感情を優先することで「責任から逃げる」
「好きじゃない」「苦しい」「もう戻れない」といった言葉には、
自分の気持ちだけを最優先し、相手の気持ちや現実の責任から目をそらしたい心理が隠れています。
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「感情がないから何をしてもいい」という誤解
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相手の苦しみや怒りを「しつこい」と切り捨てる
-
不倫相手への気持ちを“正当な愛”として美化する
このように、感情を根拠にすることで、法律・倫理・道徳すら軽視する状態に陥っていきます。
● 感情が“絶対正義”になっている
自己中心的な傾向が強い夫は、自分の感情を“絶対的な真実”として扱います。
そのため、妻の気持ちや事実関係を無視し、こう言い切ります。
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「もう冷めた。気持ちは戻らない」
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「気持ちがないのに一緒にいるのは偽善だ」
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「お前の言うことはもう響かない」
これは、一見もっともらしく聞こえますが、実際は感情を盾にすれば何でも許されるという危険な思考です。
その背後には、「話し合いも手続きも面倒くさい」「自分の快を妨げるものは排除したい」という利己的な本音があります。
● 結果を急ぐために“感情”を誇張する
本当はそこまで気持ちが冷めていないとしても、
「関係を終わらせたい」「不倫を正当化したい」という思いから、感情を過剰に表現する人もいます。
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「お前の顔も見たくない」
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「家に帰るのが苦痛だった」
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「最初から合ってなかったんだよ」
これは、関係を壊すための口実づくりであり、妻に責任を転嫁して話を早く終わらせたい意図が見え隠れします。
■ 4. 都合の悪い現実から逃げたい心理
不倫をしている夫が「もう終わってる」「別居したから破たんだ」と言い張る背景には、直視したくない現実から逃げようとする心理があります。
彼らにとって、“現実を受け止める”ということは、自分の責任や罪悪感と向き合うことを意味します。だからこそ、言葉や行動で「なかったこと」にしたがるのです。
● 責任を取りたくない
不倫がバレた時、本来であれば責任を取るべき立場にいるのは加害者である夫です。
しかし彼らは、以下のような現実に直面するのを強く避けようとします。
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妻や家族を傷つけたこと
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法的責任(慰謝料、離婚協議)
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社会的信用の失墜
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子どもとの関係悪化
これらを真正面から受け止めることは非常に重く、怖い。だからこそ「気持ちはもうない」「夫婦は終わってる」などの言葉を使って、自分の責任を軽く見せようとします。
● 不倫相手との関係を壊したくない
不倫をしている夫の多くは、“今の楽な関係”を壊したくありません。
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家庭よりも優先している「甘い時間」
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自分を肯定してくれる「都合のいい存在」
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面倒な現実から逃れられる“避難所”
こうした状況を維持するために、家庭での問題(特に不倫に対する責任)には蓋をしようとします。
「まだ離婚してないけど、気持ちはもう向こうにある」という“曖昧な逃げ道”を使いながら、不倫相手との関係も家庭との繋がりも手放さない。これは典型的な「二重生活型の逃避行動」です。
● 過去の行いと向き合うのが怖い
「自分がやってしまったこと」と向き合うことは、誰にとっても苦痛です。
とくに、不倫のように“裏切り”を含んだ行動に対しては、以下のような心理的ブレーキが働きます。
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自分が“悪者”として責められるのが怖い
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自分のイメージが壊されるのが嫌
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失った信頼を取り戻す努力が面倒
その結果、自己防衛として「全部妻のせい」「関係はとっくに終わっていた」という理屈を作り、逃げ込むのです。
これは罪悪感回避の心理であり、同時に“自分を守るための自己中心的な現実逃避”といえるでしょう。
● 「今を壊さなければいい」という短絡的思考
不倫夫の思考は、時にとても“近視眼的”です。
「今がうまくいっていればOK」という価値観で動いており、
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妻が怒っても「そのうち落ち着くだろう」
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離婚を迫られても「どうせ本気じゃない」
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子どものことも「あとで何とかなる」
と、未来の問題をすべて“棚上げ”してしまう傾向があります。
これは、「都合の悪い現実」に蓋をすることによって、自分の世界を崩さずに済ませたいという願望の表れでもあります。
■ 5. 「罪悪感」から逃げるための防衛反応
不倫をしている夫が、自分の行動に対する罪悪感から目を背けるために取る心理的な防衛反応には、さまざまな形があります。
ここでは、その代表的なパターンを詳しく掘り下げ、なぜ彼らが「都合のいい解釈」で現実をねじ曲げられるのかを解説します。
● 罪悪感を避けるための「現実の否認」
不倫という社会的にも倫理的にも非難される行為に対して、多くの人が自然に罪悪感を感じます。
しかし、この罪悪感が強すぎると精神的に耐えられず、以下のように「現実そのものを否認」してしまうことがあります。
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「不倫は悪いことじゃない」
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「もう夫婦関係は終わっていた」
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「自分は悪くない」
こうした否認は、心のバランスを保つための防衛機制であり、罪悪感という苦しみから逃れるための心理的逃避です。
● 自己正当化による「合理化」の強化
現実を否認するだけでなく、「自分の行動には理由がある」という理屈を後付けで作り出し、自分を納得させようとします。
例えば、
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「妻が冷たかったから仕方なかった」
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「彼女(不倫相手)は自分を理解してくれた」
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「我慢の限界だった」
これらは、罪悪感を和らげるための“自己正当化”の言葉であり、不倫という非倫理的行為に対する心理的な免罪符として機能します。
● 「被害者意識」の形成による責任回避
罪悪感を抱えたままでは苦しいため、自分も被害者だと感じることで責任を回避しようとすることがあります。
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「俺もずっと辛かった」
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「お前の態度が冷たくて傷ついた」
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「被害者は自分だ」
こうした被害者意識は、罪悪感を薄める役割を果たし、自尊心を守るための心理的な盾となります。
● 「認知的不協和」の解消による心のバランス保持
不倫をした自分と、良き夫でありたい自分の間に生まれる矛盾を解消するために、認知的不協和理論のメカニズムが働きます。
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「自分は悪くない」
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「妻が悪い」
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「だから不倫は仕方なかった」
この思考のすり替えにより、心の不快感を軽減し、自分の行動を受け入れやすくしています。
● 周囲への情報操作で「自己正当化」を強化
自分の作り出した都合の良い現実を、家族や友人など周囲に語ることで同情や理解を得ようとします。
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「俺は被害者なんだ」
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「妻が原因で関係が壊れた」
他人の共感を得ることで、自分の正当性をさらに固め、罪悪感の払拭につなげようとするのです。
このように、「罪悪感」から逃げるための防衛反応は、不倫夫が自分を守るために無意識に繰り返す複雑な心理プロセスです。
被害を受けた妻側から見ると許せない言い訳や自己中心的な言動に映るものの、彼らの心の奥底には深い葛藤と恐怖が隠れています。
■ 6. 「過去の記憶」さえも捻じ曲げる
不倫している夫は、自己正当化を続ける中で「過去の記憶」そのものまで変えてしまうことがあります。
これは単なる言い訳を超え、彼らの心がどれほど現実を歪めて自己防衛しているかを示す重要な心理現象です。
● 記憶を都合よく再編集する心理メカニズム
人の記憶は確固たる事実の集積ではなく、状況や感情によって変化しやすいものです。
不倫した夫は、現在の裏切り行為と矛盾しないように、過去の幸せだった日々や支え合った記憶を消し去り、むしろネガティブな出来事を強調してしまいます。
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「最初からお前は冷たかった」
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「結婚生活はずっと辛かった」
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「あの頃から俺は我慢の連続だった」
このように、記憶そのものを“自分に都合のいいストーリー”に書き換えることで、自分の行動を正当化しやすくなるのです。
● 過去の良い思い出を否定することで罪悪感を軽減
過去の幸せな時間や努力してきた事実を無かったことにするのは、深い罪悪感から逃れるための防衛反応です。
良い思い出が残っていると、それが裏切り行為との矛盾となり、自分の心を苦しめるからです。
こうして記憶を捻じ曲げることで、「自分は被害者だった」「自分の不倫は仕方なかった」というストーリーを作り上げます。
● 記憶の改ざんによる関係修復の阻害
記憶が歪められていると、真実の認識ができず、夫婦間での本当の話し合いや問題解決が難しくなります。
「過去のことはもう終わってる」「俺は何も悪くない」という態度は、修復を拒む姿勢の表れです。
● 被害者の心に及ぼす深い傷と混乱
妻にとっては、夫の記憶の書き換えはまるで「過去の努力や愛情が否定される」ように感じられ、精神的な苦痛を増大させます。
「本当に私たちには良い時間がなかったのか」という自己否定感に繋がることも多く、心の傷をさらに深くしてしまいます。
● 周囲にも広がる歪んだ記憶の共有
不倫した夫は、家族や友人など周囲にもこの“都合のいい記憶”を語り始めます。
それにより、自分が被害者であるかのようなイメージを作り出し、周囲の理解や同情を得ようとします。
このように、「過去の記憶さえも捻じ曲げる」行為は、不倫をした夫が心理的な罪悪感や責任から逃れるための重要な防衛メカニズムです。
しかし、その歪んだ記憶が夫婦関係や家族全体に大きな傷を残す危険性があるのです。
■ 7. 共感力の欠如と自己中心的な視野
不倫している夫の心理には、しばしば「共感力の欠如」と「自己中心的な視野」が根強く存在します。
これが彼らの言動や態度を特徴づけ、妻や家族の心を深く傷つける大きな要因となっています。
● 他人の感情に鈍感である理由
共感力とは、相手の感情や立場を理解し、寄り添う能力のことです。
不倫夫の中には、この共感力が極端に低い人がいます。
これは本人の性格や、自己防衛のために感情を遮断している心理状態によるものです。
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妻の怒りや悲しみを「面倒だ」と感じる
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子どもの不安や戸惑いに気づかない
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周囲の反応を無視して自己の感情だけを優先する
こうした鈍感さは、彼らの自己中心的な行動を支える土台となっています。
● 自己中心的な視野の形成メカニズム
自己中心的な視野とは、物事を自分の利益や感情だけで判断し、他者の立場や事情を軽視する考え方です。
不倫している夫は、自分の欲望や感情を最優先し、責任や結果を他者に押し付ける傾向が強いです。
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「寂しかった」「幸せになる権利は誰にでもある」と主張し、妻の苦しみを無視する
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不倫相手との関係を正当化し、家族への配慮を怠る
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自分が悪いと認めず、常に相手や環境のせいにする
この視野の狭さが、問題解決を困難にし、傷を深めてしまいます。
● 共感力の欠如がもたらす夫婦関係の悪化
共感力が欠けていると、妻の気持ちや痛みに理解を示せず、対話や和解が成立しにくくなります。
「お前はいつもそうだ」「俺は被害者だ」という言葉に象徴されるように、コミュニケーションは一方的な自己主張に終始します。
これにより、夫婦間の信頼はさらに崩れ、関係修復の可能性が大きく損なわれます。
● 被害者意識と自己正当化の悪循環
共感力の欠如は、自己正当化と被害者意識を強化する原因ともなります。
自分の非を認められないため、妻や周囲を責め立て、「自分が傷ついている」と主張して被害者面を続けるのです。
これにより、現実から目をそらし、問題の根本的な解決から遠ざかります。
● 妻や家族に及ぼす心理的影響
妻や子どもにとって、共感のない夫の言動は深い孤独感や不信感を生みます。
家族の絆が薄れ、精神的な負担が増大することは避けられません。
「自分の気持ちは無視されて当然」という無力感は、精神的なダメージとなり、時には心の健康にも悪影響を及ぼします。
このように、「共感力の欠如と自己中心的な視野」は、不倫をする夫の心理に根付く問題であり、妻や家族の苦しみの一因となっています。
■ 8. 「感情」を正当化の武器にする
不倫している夫がしばしば口にする言葉に、「もう気持ちが冷めた」「愛情はもうない」というものがあります。
これらの「感情」を盾にすることで、自分の行動を正当化し、責任を回避しようとする心理が見えてきます。
● 「感情がすべて」という誤解
多くの不倫夫は、自分の「感情」を絶対的な真実として扱います。
「気持ちがないのだから、もう夫婦関係は終わっている」と主張し、法的義務や社会的責任を無視するのです。
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「好きじゃないから離婚して当然だ」
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「気持ちが冷めているのに一緒にいるのは偽善だ」
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「自分の感情に正直でいることが一番大事」
このような言葉は、一見もっともらしいですが、感情と法的・倫理的責任は別であるという事実を覆い隠しています。
● 感情を盾にすることで逃げる責任
「感情」を正当化の武器にすることで、彼らは自らの不倫や家庭崩壊に対する責任から逃れようとします。
責任を問われると、「気持ちがないんだから仕方ない」と開き直る傾向があります。
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慰謝料や離婚協議の話を避ける
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家庭内の問題を無視し、不倫相手との関係を優先する
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妻の感情を「めんどくさい」「しつこい」と切り捨てる
この態度は、問題の解決を遅らせ、妻や家族をさらに苦しめます。
● 感情の誇張と演出
時には、本当はそこまで冷めていなくても、感情を誇張し、関係破綻の正当化に使うこともあります。
これは「別れたい」「自由になりたい」という願望が先行し、口実を作るための演出とも言えます。
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「顔も見たくない」
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「最初から合ってなかった」
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「家に帰るのが苦痛だった」
こうした言葉は、真実よりも感情を煽ることで、自分の行動を相対化させようとする手段です。
● 感情優先がもたらす危険な思考
感情をすべての判断基準にしてしまうことは、倫理観や法的義務を軽視する危険な思考につながります。
「感情さえあれば何をしてもいい」という誤った信念は、不倫や裏切りを正当化する温床となります。
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相手の苦しみを無視する
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社会的ルールや約束事をないがしろにする
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自己中心的な行動がエスカレートする
これにより、家族関係の修復はますます困難になります。
● 感情を尊重しつつ、責任も果たすべき
もちろん、感情は無視できない重要な要素です。
しかし、感情だけで判断せず、責任や義務も同時に考えることが大切です。
本当に関係を終わらせるのであれば、法律的な手続きや相手への配慮も必要です。
感情のみに振り回されることなく、冷静に現実と向き合うことが求められます。
■ 9. 不都合な現実から目をそらす“逃避思考”
不倫をしている夫がしばしば見せる特徴の一つに、現実の厳しい事実や自分の責任から目を背ける「逃避思考」があります。
彼らにとって、真実と向き合うことは自分のプライドや安定した生活を脅かすため、意図的に「見なかったこと」にしようとするのです。
● 「責任を取ることの怖さ」を避けたい心理
不倫という行為は、法的責任や家庭内の問題を引き起こします。
それを認め、向き合うことは精神的にも重い負担です。
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慰謝料請求や離婚協議への恐怖
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家庭や子どもに与える影響への不安
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社会的信用の失墜への恐怖
これらを考えると、逃げたくなる心理が強まります。
結果として「まだ終わってない」「責任は負わない」と言い張り、不都合な現実から目をそらすのです。
● 現実の「見ないフリ」で日常を保とうとする
逃避思考は、「今の楽な状態」を維持するための自己防衛でもあります。
現実を直視すれば、生活が一変する恐れがあるため、彼らは次のような態度を取ります。
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離婚手続きを避ける
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問題の話し合いを拒否する
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不倫相手との関係を優先し、家庭のことは放置する
こうして「見ないフリ」を続けることで、心理的な負担を軽減しようとしますが、問題は解決しません。
● 短絡的な「今さえよければいい」思考
彼らの逃避思考は、しばしば目先の快楽や安定を優先する近視眼的な考えに陥ります。
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「今の関係がうまくいっていればいい」
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「妻が怒っても、そのうち落ち着く」
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「子どもの問題は後で何とかなる」
このように未来の問題を先送りにし、都合の悪い現実に蓋をしてしまいます。
しかし、その先送りはやがて大きなトラブルとなって跳ね返ってきます。
● 逃避がもたらす家族の深刻な傷
不都合な現実から逃げ続けることは、家族全体に深刻な傷を残します。
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妻の心の傷が癒えず、精神的に追い詰められる
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子どもが家庭内の不和に苦しみ、安心できない環境に置かれる
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家族間の信頼関係が崩壊し、再構築が困難になる
逃避は一時的な逃げ場に過ぎず、根本的な解決を遠ざけてしまうのです。
■ 10. 言葉ではなく「行動」と「事実」が真実を語る
不倫をしている夫は、自分に都合のいい言葉を並べて「もう終わっている」「責任はない」と主張することがあります。
しかし、真実を映し出すのは言葉ではなく、彼の「行動」と「現実の事実」です。
● 言葉は簡単に変わるが、行動は隠せない
言葉は時に感情的で、その場の気分や都合によって変わりやすいものです。
不倫を正当化するために作り話をしたり、責任逃れの言い訳を並べたりすることは珍しくありません。
一方で、行動は本人の意図や本心がよりはっきり表れます。
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家を出ていったまま戻らない
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連絡を絶ったり、嘘をついたりする
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不倫相手との関係を続ける
こうした事実は言葉よりも説得力があり、隠しようがない真実です。
● 事実が語る「責任の所在」
法律や社会的なルールは、言葉よりも現実の状況を重視します。
たとえ夫が「もう終わっている」「離婚したい」と言っても、
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離婚届が提出されていない
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財産分与や慰謝料の話し合いが進んでいない
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子どもの養育について合意がない
という状況では、婚姻関係は続いており、夫に責任が残っています。
● 言葉に騙されず、現実を見る重要性
妻としては、夫の言葉に振り回されることなく、目の前の「行動」と「事実」に注目することが大切です。
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夫が生活費を支払っているか
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家族とのコミュニケーションを取っているか
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不倫の事実に対して謝罪や改善の意思を示しているか
これらは、夫の本気度や誠実さを見極める重要な判断材料になります。
● 「言葉だけの約束」に惑わされない
不倫夫は、時に都合の良い言葉で妻を安心させようとします。
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「もう二度としない」
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「ちゃんと向き合う」
-
「離婚は考えていない」
しかし、言葉だけで行動が伴わなければ、それは空約束にすぎません。
行動が変わらなければ、信頼は回復しないのです。
■ まとめ:その“都合のいい言葉”は、ただの逃げ道
不倫している夫が語る「もう終わってる」は、法的にも倫理的にも、なんの正当性もありません。
それは、現実から逃げるための方便であり、自分の行動を正当化するための“魔法の言葉”にすぎないのです。
あなたが信じるべきは、彼の言葉ではなく、これまで築いてきた家庭と、あなたの心の声です。
どうか、堂々とあなたの立場と権利を守ってください。