裏切りの先にある強さ:配偶者の不倫を乗り越えて
- 2025年05月14日
- 2025年05月14日

配偶者の不倫が発覚したとき、心の中は混乱と痛みでいっぱいになり、「これからどうすればいいのか分からない」と感じる方が多いのではないでしょうか。信頼していた相手からの裏切りは、言葉にできないほど深い傷を残します。
このブログでは、そんな状況の中で苦しんでいるあなたに向けて、まず何を大切にすべきか、そしてこれからどんな選択肢があるのかを、心の整理・実際の行動・生活の立て直しの3つの観点から丁寧にお伝えしていきます。
今すぐに答えが出せなくても大丈夫。少しずつ、自分の心と向き合いながら、あなた自身の人生を守る一歩を踏み出せるよう、お手伝いできれば幸いです。
今、混乱している自分を受け止める
不倫は信頼していた人からの裏切りです。悲しくて当然、怒って当然、何も手につかなくなるのも当然です。まずは、「自分は今とても傷ついているんだ」と認めてあげてください。
何も決められない状態の自分を責めないでください。混乱している状態は、心が正常に反応している証拠です。無理に元気になろうとせず、深呼吸をして、1日1日をこなしていくだけで十分です。
感情の波にどう向き合うか
不倫という現実に直面したとき、私たちは「怒り」「悲しみ」「憎しみ」「虚無感」など、日によって、あるいは時間単位で異なる感情の波に飲み込まれがちです。これは、自然で正常な心の反応です。
まず知っておいてほしいのは、「この感情の波は永遠には続かない」ということ。どんなに大きな波も、必ずいつかは静かになります。そのためには、波に逆らわず、うまく乗りこなしていく工夫が必要です。
● 自分の感情に名前をつける
「今、自分は悲しんでいるな」「今日は怒りが強い」と、あえてその感情に“名前”をつけてみましょう。感情を客観視することで、少しだけ距離を置くことができ、振り回されにくくなります。
● 感情を紙に書き出す
言葉にできないほどの思いを抱えているときは、頭の中だけでぐるぐる考えがちです。そんなときは、ノートやスマホのメモなどに、自分の気持ちを思うまま書き出してみてください。整っていなくて構いません。吐き出すだけで、心が少し軽くなります。
● 「感じてはいけない」感情はない
「こんなことで怒ってはいけない」「許さなければ」と自分を抑えることが、逆に感情をこじらせてしまうこともあります。どんな感情も、あなたの中から自然に生まれた大切なサインです。まずは認めて、抱えてあげましょう。
● 波が強いときは“今ここ”に意識を戻す
過去の出来事や未来の不安に飲み込まれそうになったら、深呼吸をして「今、足元はどう感じるか」「手に何を持っているか」など、自分の感覚に意識を戻してみてください。これは“グラウンディング”と呼ばれ、パニックや強い不安を鎮めるのに効果的です。
感情に振り回される自分を責めず、むしろ「それだけ本気で相手と向き合っていた証」と受け止めてみてください。そうすることで、心の波を少しずつ穏やかにしていくことができるはずです。
子どもがいる場合、どう接するか
配偶者の不倫に直面したとき、子どもがいる家庭では、さらに悩みが深まります。「子どもにどう説明すればいい?」「不安定な自分の姿を見せていいの?」と戸惑うのは当然のことです。
まず大切なのは、子どもを巻き込まないこと。そして、子どもが必要としているのは“安心”であることを忘れないことです。
● 子どもは親の感情に敏感です
子どもは大人が思っている以上に、家庭の空気や親の感情を敏感に感じ取っています。たとえ真実を知らなくても、家庭の中で何かが起きていることを察していることが多いです。
ですから、「何もなかったように振る舞う」よりも、「今はお母さん/お父さん、少しつらい気持ちなんだよ。でもあなたのことは大好きで大切に思っているからね」と、年齢に応じた言葉で伝えてあげましょう。
● 無理に説明しすぎない
子どもに真実をすべて話す必要はありません。年齢や性格によって受け止め方も異なるため、「夫婦の間にちょっと大人の事情があるけれど心配しないで」と子どもに責任を感じさせない表現が大切です。
● 子ども自身の気持ちも聞いてあげる
「最近どう?」「学校楽しい?」といった、普段の会話の中で、子どもの心の状態を見てあげてください。不安やストレスを抱えている場合、絵や遊びの中で表現することもあります。
子どもの心のケアが難しいと感じたら、スクールカウンセラーや小児心理士など専門家の手を借りることも選択肢の一つです。
● 自分を責めないことが、子どもにも伝わる
親が自分を責めている姿を見ると、子どもは「自分にも責任があるのでは」と感じてしまうことがあります。あなたが少しずつでも前を向いている姿は、子どもにとって大きな安心と支えになります。
あなたが自分を大切にすることが、巡り巡って子どもの心も守ることにつながるはずです。
誰かに話すことで整理が始まる
信頼できる友人や家族、もしくはカウンセラーに、今の気持ちを話してみましょう。「話すこと」で、自分の気持ちが少しずつ整理されていきます。
周りに話せる人がいない場合は、ノートに思っていることを書き出すだけでも構いません。どんなにぐちゃぐちゃな感情でも、外に出してあげることが第一歩になります。
今後を考える前に、情報を集める
不倫の事実を知ったあと、「離婚すべき?許すべき?子どものことは?」といった悩みが一気に押し寄せます。しかし、答えを急がなくても大丈夫です。
まずは、
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自分の気持ちはどうなのか
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経済的な状況はどうか
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法的にどんな選択肢があるのか といった情報を、落ち着いて集めていきましょう。
弁護士や公的な相談機関に話を聞くだけでも、心の準備が整っていきます。「知らないから怖い」のであって、知ることで冷静さを少しずつ取り戻せるはずです。
「どうしたいか」は、焦らずゆっくり決めればいい
感情の波が激しいときに大きな決断をするのは危険です。あなた自身が落ち着きを取り戻し、「私はこうしたい」と思えるようになるまで、時間をかけてもいいのです。
離婚するか、再構築するか、正解はありません。大切なのは、「誰のためでもなく、自分のためにどうしたいか」を見つけていくことです。
再構築という選択肢を考えるとき
不倫が発覚した後、すぐに「離婚するべきだ」と感じる人もいれば、相手と再構築を目指して努力したいと考える人もいるでしょう。再構築という道を選ぶことは、決して軽い決断ではありません。しかし、それが自分にとって最善の道かどうかを冷静に見極めるために、以下のポイントを参考にしてみてください。
● 相手の反省と変化を見極める
再構築を目指す場合、最も大切なのは相手の心からの反省と行動の変化です。「謝罪をしたから終わり」ではなく、時間をかけて相手の態度や行動がどう変わったのかを見守ることが重要です。誠実さが感じられるなら、少しずつ信頼を取り戻せるかもしれません。しかし、言葉だけではなく、行動に移すことが求められます。
● 自分の感情に正直になる
再構築の過程で、どうしても過去の傷が蘇り、相手に対する不信感が消えないことがあります。自分の心が本当に許せるのか、時間をかけて感じてみてください。「許したいけど許せない」というジレンマが続く場合もありますが、無理に自分を押し込める必要はありません。その感情を正直に受け入れたうえで、再構築するかどうかを考えることが大切です。
● 二人の信頼を再構築するための方法
信頼を再構築するには、時間と努力が必要です。二人でのコミュニケーションを大切にし、誠実な態度で向き合い続けることが不可欠です。また、カウンセリングやセラピーを利用して、専門的なサポートを受けるのも効果的です。過去の傷を癒やすためには、第三者の力を借りることも時には必要です。
● 再構築を選ぶ理由を確認する
再構築を選ぶ理由が「子どものため」「周囲の目を気にして」など、外的な要因に偏っていないかを見つめ直すことも重要です。再構築は、あなた自身が本当に相手を許したいと思えるからこそ意味があります。周囲や状況に流されて決断するのではなく、自分の気持ちを最優先に考えることが、将来のためには最も大切なことです。
● 必要な時間を与える
再構築を決めたとしても、焦って結果を求める必要はありません。信頼は簡単には戻りませんし、感情もすぐには整理できないことがあります。お互いに時間を与え、少しずつ関係を修復していく姿勢が必要です。また、一度冷静になるために、少し距離を置くことも時には有効です。
再構築という選択肢を考えるときは、冷静に自分の気持ちや相手の行動を見守りながら判断することが重要です。それが自分にとって最良の道であると確信できるのであれば、再構築の努力をしてみても良いでしょう。焦らず、時間をかけて自分の気持ちと向き合わせながら進んでいきましょう。
周囲の理解をどう得るか
配偶者の不倫という出来事は、極めてプライベートな問題でありながら、ときに周囲との関係性にも影響を及ぼします。「誰に話せばいいのか」「どう説明すればいいのか」と悩む人も少なくありません。
● 話す相手は選んでいい
まず大前提として、無理に周囲にすべてを打ち明ける必要はありません。あなたの気持ちを尊重してくれる、信頼できる人にだけ話せば十分です。誰かに話すことで少し楽になることもありますが、逆に無神経な反応を受けて傷つくこともあるからです。
● 必要なサポートだけ求める
職場や子どもの学校など、状況によっては最低限の事情説明が必要になる場合もあるでしょう。そのときは、「家庭の事情で少しサポートが必要です」といった伝え方でも構いません。詳細を伝えることよりも、自分が安心して過ごせる環境を整えることを優先しましょう。
● 理解されないことがあっても、自分の価値は変わらない
ときに、「夫婦の問題は夫婦の中だけで解決すべき」という考え方を押しつけてくる人もいるかもしれません。そんな言葉に傷つかないでください。あなたがどう感じ、どう生きていくかは、あなたにしか決められません。他人の価値観に振り回される必要はないのです。
日常を取り戻すための小さな習慣
心が傷ついていると、これまで普通にできていたことさえ億劫に感じてしまいます。それでも、少しずつ「いつもの自分」を取り戻すために、小さな習慣を積み重ねていくことが大切です。
● 朝、窓を開けて深呼吸する
毎朝、カーテンを開けて空気を入れ替え、深呼吸をしてみましょう。たったこれだけでも、「新しい1日が始まる」という感覚が心を整えてくれます。
● 食べたいものをきちんと食べる
ストレスで食欲が落ちているときほど、栄養を取ることが重要です。完璧な食事でなくて構いません。「今日はこれが食べたいな」と思えるものを、自分に用意してあげてください。
● 外に出る時間をつくる
気分が沈んでいると、家の中に閉じこもりがちになります。近所を散歩するだけでも、日差しや風に触れることで、少し気持ちがほぐれていきます。
● 自分に「おつかれさま」と声をかける
誰も気づかなくても、あなたは今日1日を必死に乗り越えました。その自分に、そっと「今日もよく頑張ったね」と声をかけてあげましょう。誰よりもまず、自分が自分の味方になることが、心の回復には欠かせません。
これからの自分の人生のために
この経験を通して、あなたはきっと強くなれます。ただしそれは、「我慢する」ことではなく、「自分を大切にする強さ」です。
これまで配偶者や家族のために後回しにしてきた「自分自身」の声に、耳を傾けてみてください。小さなことで構いません。好きなものを食べる、しっかり眠る、髪を整える、それだけでもあなたの中にある力がよみがえってきます。
最後に
今はまだ、自分の未来が見えないかもしれません。でも、必ず「乗り越えられた」と思える日がやってきます。
不倫は、理不尽でつらい出来事です。それでも、その渦中にいるあなたがこの記事を読んでくれたこと自体が、「自分を守りたい」という意志の表れです。
どうかその気持ちを、大切にしてあげてください。あなたの人生は、ここからやり直せます。そして、やり直す価値があるのではないでしょうか。