もう一度、自分を信じるために──不倫によって失われた自己肯定感を取り戻すステップ
- 2025年06月10日
- 2025年06月13日

「あの人に裏切られた私は、もう価値がないの?」
そんなふうに、自分自身を責めてしまっていませんか?
配偶者の不倫は、ただ信頼を壊すだけでなく、「自分の存在価値」そのものを揺るがします。
このブログでは、深く傷ついた心を少しずつ癒しながら、自己肯定感を取り戻していくための考え方と実践ステップを紹介します。
「もう一度、自分を信じたい」と思っているあなたへ。
心の再生は、今日ここから始まります。
■ 自己肯定感とは?
自己肯定感とは、「自分は価値のある存在だ」と自分自身で信じる気持ちのことです。 それは、他人からの評価や成果によって左右されるものではなく、 「何があっても、私は私でいていい」と思える“揺るがない軸”のようなものです。
子どもの頃からの家庭環境や人間関係、社会での経験などによって少しずつ育まれたり、 逆に傷つけられたりするのが自己肯定感です。
不倫や裏切りの経験は、この自己肯定感を大きく揺るがします。
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自分を責めてしまう
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自信をなくす
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他人の顔色を気にするようになる
そんな変化が起きたときは、「自己肯定感が傷ついているサイン」かもしれません。
でも大丈夫。自己肯定感は「取り戻せる」し、「育て直す」ことができます。
■ 自己肯定感とは「根っこ」から支える心の土台
自己肯定感とは、「私は存在していていい」「私は私であって大丈夫」と感じられる、心の“根っこ”のような存在です。
それは、日々の暮らしの中で自分を支える「目に見えない土台」であり、何かに失敗したときも、誰かに傷つけられたときも、ふと立ち返れる“安心のよりどころ”です。
しかし、配偶者の不倫という出来事は、その根を激しく揺さぶります。
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自分には魅力がなかったのではないか
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自分の価値は誰にも認められていないのでは
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愛される資格なんて、自分にはないのでは
そんな否定的な思いが、頭の中でぐるぐると渦を巻き、自分で自分を追い詰めてしまうこともあります。
裏切りの衝撃は、「相手の問題」であるにもかかわらず、「自分が足りなかったのでは」と思わせる力を持っています。
でも、本当は——
「裏切られたこと」と「あなたの価値」は、まったく別の話なのです。
誰かの選択がどれほど残酷であったとしても、それがあなた自身の存在価値を下げる理由にはなりません。
むしろ、傷つきながらも立ち上がろうとするあなたの姿にこそ、人としての尊さや力が宿っています。
自己肯定感は、今ここからでも「育て直せる」ものです。
そしてそれは、誰かに認めてもらうことではなく、自分で自分を認める小さな積み重ねの中で、少しずつ根を張り直していくことから始まります。
あなたの心の根っこは、いま大きな揺れを経験しているかもしれません。
けれど、その根があるからこそ、再び立ち上がる力が湧いてくるのです。
■「他人の言葉」に揺さぶられない心を育てる
裏切りを経験したあと、多くの人が「他人の言葉」に過敏になります。
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「でもあなたにも原因があったんじゃない?」
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「もう忘れたら?」
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「離婚してスッキリしたんでしょ?」
そんな一言が、ナイフのように胸を刺すことがあります。ときに、善意のつもりでかけられた言葉ですら、傷口をえぐることも。
でも覚えていてください。
他人の言葉は、他人の価値観にすぎません。あなたの真実は、あなたにしかわからないのです。
人は皆、自分のフィルターを通してしか物事を語れません。だからこそ、傷ついた心を守るために、
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無理に説明しない
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「今は話したくない」と言っていい
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心が信頼できる人とだけ話す
といった“心のバリア”を意識して持つことが大切です。
あなたがこれから築いていく「自己肯定感」は、“他人の言葉に左右されない軸”でもあります。
■ 自己肯定感を取り戻す5つのステップ
① 傷ついた自分を「責めない」
裏切られたことで心が傷ついたのは、あなたが弱いからではありません。
むしろそれは、あなたが「人を信じる力」を持っていたからこその反応です。
まずは、自分にこう言ってあげてください。
「こんなにつらいのは、私がちゃんと愛していた証拠なんだ」
泣いても、立ち止まっても、何も手につかなくてもいい。
そのすべての反応が、心の自然なプロセスです。
自己否定の言葉をやめ、「つらい私を受けとめる」ことが、癒しの第一歩です。
② 「自分の声」を取り戻す時間を持つ
裏切られた経験は、自分の気持ちすらわからなくなるような混乱を生みます。
だからこそ、毎日の中に「誰にも気を使わず、自分とだけ向き合う時間」を意識してつくることが大切です。
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音楽を聴きながら目を閉じる
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感情を日記に書く
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森や公園など自然の中を歩く
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誰にも話さず、ただ静かにお茶を飲む
こうした時間の中で、心の奥から「本当はどうしたいのか」という“自分の声”が少しずつ聞こえてくるようになります。
③ 過去を「自分の責任」にしすぎない
「私にも落ち度があったのかもしれない」という思いは、とても誠実な人ほど抱えやすいものです。
けれど、不倫はあくまで「相手の選択」であって、「あなたが悪いからされたこと」ではありません。
人は誰しも、他人の自由意志を完全にコントロールすることなどできません。
この現実を冷静に受けとめることで、少しずつ「責任の境界線」を引けるようになります。
過去は変えられなくても、「これからどう生きるか」は選べるのです。
④ 「できたこと」に目を向ける
苦しみの中では、「できなかったこと」「足りなかったこと」ばかりに目が向いてしまいます。
でも、こんなときこそ、あえて「自分ができたこと」を探してみましょう。
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今日ちゃんとご飯を食べられた
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人と会話ができた
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一日をなんとかやり過ごせた
こうした小さな積み重ねは、回復の「実績」です。
心がボロボロでも前に進んでいる自分に、ちゃんと気づいてあげましょう。
⑤ 「誰か」と比べない
回復の過程では、「あの人はすぐ立ち直ってるのに」「どうして私だけこんなに苦しいの?」と感じることもあります。
でも、他人とあなたでは、傷の深さも、背景も、生きてきた道もまったく違います。
人はそれぞれ「自分だけのペースと方法」で癒されていくものです。
比べるべきなのは「昨日の自分」とだけ。
昨日よりほんの少しでも穏やかに息ができたなら、それは確かな一歩です。
■ 回復を支える日常習慣:体と心の再接続
◉「体とのつながりを取り戻す」
心が深く傷ついたとき、私たちは知らず知らずのうちに“体”とのつながりも失っていきます。呼吸は浅くなり、姿勢が崩れ、食事や睡眠も乱れがちになります。
でも、心の回復には、体の感覚を取り戻すことがとても大切です。
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朝の光を浴びながら、深呼吸をする
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ゆっくりとストレッチをする
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温かい飲み物を味わいながら、体の感覚に意識を向ける
そんな小さなことからでいいのです。五感を使い、自分の“今ここ”を感じることで、少しずつ「生きている感覚」が戻ってきます。
体を大切に扱うことは、「自分を大切にする」という行為そのもの。
自己肯定感は、そんな日常の積み重ねからも育っていくのです。
◉ 「感情を書き出す journaling のすすめ」
ぐるぐると頭の中で回る不安や怒り、悲しみ。言葉にできないまま抱えていると、心の中はどんどん重く、苦しくなっていきます。
そんなときにおすすめなのが「ジャーナリング(日記を書くこと)」です。
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今日感じたことをそのまま書く
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頭に浮かんだ言葉を、順番や意味を気にせずに書き出す
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書いたあとは読み返さなくてもいい
ただ紙に感情を吐き出すことで、心の整理が少しずつ進み、感情に「距離」が生まれてきます。
書くことは、自分との対話でもあります。
傷ついた心を、少しずつ自分の手で癒していく時間になるのです。
■ 日々の行動の中で自己肯定感を育てる習慣リスト
自己肯定感は、“特別なこと”をしなくても、日常の中で少しずつ育てていくことができます。
むしろ、日々の何気ない行動の積み重ねこそが、心の土台を安定させてくれるのです。
ここでは、回復期におすすめの「自己肯定感を育てる小さな習慣」をご紹介します。
◉ 自分への「ねぎらい」を口に出す
たとえば、夜寝る前にこう声をかけてみましょう。
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「今日もよく頑張ったね」
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「しんどかったけど、ちゃんとここまで来たよ」
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「何もできなかった日も、ちゃんと生きてたね」
最初は抵抗があっても大丈夫。繰り返すことで、脳が安心の言葉として受け取るようになっていきます。
◉ 「選択する」練習をする
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朝、どの服を着たいか
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今日どんな飲み物を飲みたいか
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帰り道をどちらの道から帰るか
そんな小さな「自分の選択」を積み重ねることで、「私は私の人生を生きている」という実感が少しずつ戻ってきます。
◉ 比較ではなく「観察」で自分を見る
たとえば、
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「昨日より少し眠れたかも」
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「今朝は泣かずに出勤できた」
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「今日はちょっと不安が強かったな」
できた・できないで判断せず、「今の自分はこうなんだな」と観察する姿勢が、自分との信頼関係を育ててくれます。
◉「心がほっとするもの」に毎日ふれる
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あたたかい飲み物をゆっくり飲む
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好きな香りを部屋に漂わせる
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柔らかい服を着る
五感からの“安心”は、自己否定や緊張をやわらげ、心をほぐす大切な時間になります。
◉ 「今日のありがとう」を3つ書く
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朝日がきれいだった
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ごはんが美味しかった
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子どもの笑顔に救われた
毎日3つ、感謝をノートに書いていく習慣は、「今ここにある幸せ」や「すでに持っているもの」に目を向ける力になります。
自己肯定感は、“特別な日”ではなく、“ふつうの日々”の中で育ちます。
あなたの今のペースで、自分自身とまた仲直りする準備を始めていきましょう。
■ 自己肯定感は「取り戻せる」もの
自己肯定感は、一度失われたからといって、消えてしまうものではありません。
それは“壊れたら終わり”のような脆いものではなく、
土の中で眠っている「根っこ」のように、静かに息をひそめて、回復のチャンスを待っています。
裏切りや喪失を経験したあとでも——
いや、だからこそ、自分の本当の価値に気づき、再び育て直すことができるのです。
たとえばこんな風に、少しずつ確かめ直してみてください。
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誰かに否定されても、「私は私の味方だ」と言える日がくる。
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他人の評価ではなく、「私が嬉しいかどうか」で物事を選べるようになる。
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何かを“成し遂げた”自分だけでなく、「ただ、ここにいる自分」も肯定できるようになる。
そうした心の在り方は、一朝一夕で身につくものではありません。
けれど、日々の中で小さな選択や思考の積み重ねをしていけば、必ず取り戻せる力です。
そして何より、自分を信じる力は、人生のどんな場面でもあなたを支えてくれる「内なる支柱」となります。
一度失われたように思えても——
それは「終わり」ではなく、「再出発」の合図かもしれません。
あなたの中にある本来の力を、もう一度ゆっくり育てていきましょう。
■ 最後に:あなたが自分を信じる力を取り戻すとき
配偶者の裏切りによって傷ついたあなたは、決して「壊れた存在」ではありません。
むしろ、その傷の深さこそが、あなたがどれほど真剣に愛し、信じていたかの証です。
「信じたことは、間違いじゃなかった」
「私は、私として誇りを持って生きていい」
その言葉を、いつか自分に向かって言えるように。 あなたの心が、少しずつでも穏やかさと力を取り戻せますように。