不倫被害者が抱えるトラウマについて

不倫被害者が抱えるトラウマとは?心の傷と向き合うために

  • 2025年06月03日
  • 2025年06月03日

「まさか自分が…」

大切なパートナーからの裏切りは、多くの人の心に深く静かな傷を残します。不倫の発覚は、単なる恋愛の破綻ではなく、「信じていた人からの裏切り」という極めて強烈な精神的ショックを伴います。これはしばしば**トラウマ(心理的外傷)**となり、長期的な影響を及ぼすことがあります。

本記事では、不倫被害者が抱える心の傷の特徴と、そこから回復していくためのステップを心理的観点から解説します。

■ 不倫被害者が抱えるトラウマ症状

不倫は、単なる「裏切り」ではありません。信じていた相手に突然心を踏みにじられることで、多くの被害者は深い心の傷=心理的トラウマを負います。これは、戦争や事故、災害などと同じく、**“予測不能でコントロールできなかった衝撃”**として心に刻まれ、日常生活にさまざまな影響を及ぼすことがあります。

1. 繰り返しよみがえる「フラッシュバック」

  • 何気ない言葉や場面で、過去の修羅場や告白の瞬間がまるで“今起きているかのように”心に浮かぶ

  • 急に涙があふれたり、呼吸が浅くなる

  • 夢に出てきて、眠れなくなる

これは「心の安全」が脅かされた経験が、記憶ではなく“身体感覚”として残っている状態です。

2. 自分を責めてしまう「自己否定感」

  • 「私がもっと良い妻・夫だったら…」

  • 「浮気される私にも原因があるんじゃないか」

  • 「私には価値がないのかもしれない」

不倫の責任は明らかに裏切った側にありますが、被害者はなぜか“自分を責めてしまう”傾向があります。これは、心がショックに耐えるために、「自分が悪かった」と納得しようとしている防衛反応でもあります。

3. 人間不信・恋愛不信

  • 次の恋愛に踏み出せない

  • ちょっとした異性の行動でも疑ってしまう

  • 信じたいのに怖くてできない

このように、「また裏切られるかもしれない」という恐怖から、他人との関係構築が困難になるケースも少なくありません。

4. 感情が麻痺する、何も感じない

  • 泣きたいのに涙が出ない

  • 楽しいはずのことも心から楽しめない

  • 空っぽな感じが続く

これも心の防衛反応です。傷つかないために「感じる力」をオフにしている状態であり、自分でも気づきにくいですが、心が深く疲弊しているサインです。

「なんだか最近おかしい」と感じたら、それはあなたの心が出しているSOSかもしれません。

トラウマの症状は人それぞれですが、「ただの気分の浮き沈み」や「性格の問題」ではありません。**“心が傷ついた結果として起こる自然な反応”**であることを、まずはあなた自身が理解してあげてください。

回復には時間がかかりますが、「気づくこと」が最初の一歩です。そして、必要であれば信頼できるカウンセラーや心理士などの専門家の力を借りることも、大切な選択肢の一つです。

■ なぜ不倫はトラウマになるのか?

不倫によって心が深く傷つくのは、単に「愛情が裏切られた」という事実だけではありません。人は、安心や信頼を土台にして日常を築いています。その根幹を揺るがす出来事が「不倫」なのです。

1. 心の土台が崩れる「安全の喪失」

人間関係における信頼は、心理的安全を支える基盤です。パートナーという最も親しい存在に裏切られることで、「私は世界の中で安全ではない」「誰も本当に信じられない」という感覚に陥りやすくなります。これは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の典型的な特徴の一つでもあります。

2. 予期しない裏切りの衝撃

事故や災害と同様に、不倫も「予測不能」かつ「自分ではどうすることもできなかった出来事」です。想定していなかった人からの裏切りは、自己像や人生観を一気に崩壊させ、心のバランスを大きく崩します。

3. 感情の混乱と孤立

  • 愛していた相手を今は憎んでしまう

  • 許したいのに許せない

  • 誰にも言えない、相談できない

こうした複雑な感情は、心の中に“答えのない問い”を残し続けます。結果として、人とのつながりを断ち、自分の感情さえも分からなくなる状態に陥ることも。

4. 自己否定とのセットで深まる

不倫の被害者は、裏切られたにもかかわらず、「自分が何か足りなかったのかも」「もっと努力すれば防げたのでは」と自分を責めてしまう傾向があります。この“自責”がトラウマをさらに深刻にし、回復を遅らせてしまうことがあります。

不倫は「心の交通事故」

とも言えるほどの衝撃を与える出来事です。ただの恋愛トラブルや夫婦喧嘩と軽視されがちですが、その心理的影響は非常に大きく、専門的なケアを要する場合もあります。

■ 自分の傷に気づけない人へ:「これってトラウマかも?」チェックリスト

不倫によるトラウマは、明確に「心の病」として自覚されるとは限りません。むしろ多くの場合、心の奥に静かに蓄積され、気づかないまま日常生活に影響を及ぼしていきます。
「私は大丈夫」と思っていても、実は心が悲鳴を上げていることもあります。

以下のチェックリストは、不倫被害による心の傷がどのように表れるかを知る手がかりです。いくつ当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。

チェックリスト

  • □最近、感情の波が激しくなったと感じる

  • □楽しいはずのことが心から楽しめない

  • □不倫のことを思い出すと動悸がしたり涙が出たりする

  • □パートナーのスマホや行動が過剰に気になる

  • □他人の幸せな恋愛話や夫婦関係の話に強く反応する

  • □夜になると不安や孤独感が強くなる

  • □無意識に「自分が悪い」と考えてしまう

  • □急に虚しさや無力感に襲われる

  • □身体に疲れが取れず、眠りが浅い

  • □人間関係全般に不信感を持ちやすくなった

→ 3つ以上当てはまった方は、心が限界を迎えている可能性があります。

気づくことは回復の第一歩です。
「つらい」と思う自分を責めず、「よくここまで耐えてきた」と、自分を労わる視点を持ってください。次のステップで紹介する回復へのヒントが、きっと助けになるはずです。

■被害者が陥りやすい「自分を責める思考グセ」5つとその脱出法

不倫という裏切りのショックを受けたとき、被害者は「怒り」や「悲しみ」と同時に、自分自身に矛先を向けてしまうことがあります。
「私がもっと○○だったら…」という思考は、つらさを処理しきれない心が生み出す**“自己防衛のための誤作動”**のようなもの。

ここでは、被害者が陥りやすい5つの「自責グセ」と、そこから脱出するための考え方を紹介します。

①「私にも原因があったのかも…」

不倫された側が、無意識に「自分にも責任があったのでは」と考えてしまうのは自然な心理です。
しかし浮気は、相手が選んだ“問題への向き合い方”の結果です。関係に不満があったとしても、浮気をするという行動は本人の選択であり、その責任は明確に相手にあります。

脱出法:
「浮気は私の責任ではない」と繰り返し言葉にし、自分に責任転嫁するクセを止めましょう。

②「見る目がなかった私が悪い」

信じたこと、愛したことは悪ではありません。人を信じるという行為は、人間関係の中で最も大切で美しい行為です。
裏切った側の未熟さや誠実さの欠如を、「見る目がなかった」とすべて自己評価に転化する必要はありません。

脱出法:
「私は信じた。裏切ったのは相手」と立場を整理する視点を持ちましょう。

③「もっと愛される努力をすべきだった」

努力不足や魅力の欠如が原因だったと思い込むと、被害者はどんどん自分を否定してしまいます。
愛は「条件付き」で与えられるものではありません。努力の不足を“浮気の言い訳”にするのは、根本的に間違っています。

脱出法:
「愛される努力」は本来、浮気の有無に関係ないことを思い出し、自分の価値を条件で測らないようにしましょう。

④「誰にも言えない。恥ずかしいことをされた私が悪い」

不倫被害は、なぜか「被害を受けた側」が恥ずかしさを感じてしまう傾向があります。
しかし裏切ったのは相手であり、隠すべきなのは加害側です。黙って耐えることが“美徳”ではありません。

脱出法:
信頼できる人や専門家に話すことで、「私は恥ずかしいことをされた側ではない」と自分の立ち位置を再確認できます。

⑤「私が変われば、またうまくいくかも」

自分さえ我慢すれば…と自分を変えようとすることで関係を保とうとする人は少なくありません。
でもそれは、**「裏切られても仕方ない人間」**になることではありませんか?
関係を再構築するには、相手の「誠意」や「再発防止への本気の姿勢」が必要です。

脱出法:
「関係を修復したい」という思いと、「自分を犠牲にしない」という意思は両立できると理解することが重要です。

自分を責めてしまうのは、それほどまでに“相手を大切にしていた証”でもあります。

だからこそ、その優しさを「自分自身」にも向けてください。
あなたの価値は、誰かの裏切りによって傷つけられるようなものではありません。

■ SNS時代の二次被害:「知りたくなかった」情報のダメージ

パートナーの不倫を知ったあと、**心をえぐるような“二次のショック”**を受ける人が増えています。その多くは、SNSを通じて目にしてしまった情報が原因です。

たとえば、

  • 浮気相手のアカウントを特定してしまった

  • 無邪気な旅行写真やメッセージの投稿を目にしてしまった

  • 共通の友人が「いいね!」を押しているのを見てしまった

これらは、「本来知らなくてもよかった/見るつもりじゃなかった」情報であることが多く、“偶然”という形で心を傷つけてきます。

1. SNSが引き起こす「感情のフラッシュバック」

SNSでの二次被害が厄介なのは、それが一瞬で心を過去の痛みに引き戻すという点です。タイムラインを流し見していたつもりが、気づいたときには心拍が上がり、涙が止まらない…ということもあります。

これは「トラウマ反応」とも呼ばれ、まるで過去の出来事が“今まさに起きている”かのように脳が誤認してしまう状態です。

2. 見ない・追わないための対処法

心の回復には、「情報のシャットアウト」が重要なケースも多々あります。以下のような対策を講じることで、自分の心を守るスペースを作ることができます。

SNSアカウントの整理

  • 浮気相手やパートナーのアカウントは一時的にブロックまたはミュート

  • 共通の知人も、自分の心が安定するまでは「非表示」にしてもいい

SNS断ちを意識的に行う

  • 毎日特定の時間は「スマホから離れる」習慣をつける

  • SNSアプリを一時的にアンインストールする

  • 「知ることで苦しむ自分」を想像してみる

心が反応する“トリガー投稿”に気づく

  • 「こんな投稿を見ると苦しくなる」というパターンを記録しておく

  • 同じような投稿が流れてきたとき、スルーする訓練を少しずつ始める

3. 情報との距離感は「心の回復力」を高める

知ってしまったことで苦しむなら、「知らない」という選択をしてもいいのです。
見ない勇気、遮断する行動は、**逃げではなく“守り”**です。

SNSが与えるダメージは思っている以上に深く、しかも繰り返し心に傷を残すこともあります。
大切なのは、自分のペースで心を回復させること。
「わざわざ苦しむ場所に、何度も足を踏み入れなくていい」ことを、どうか忘れないでください。

■ パートナーと再構築するかどうか迷っている人へ:心の安全を取り戻すための3つの問い

不倫が発覚したあと、多くの人が「この関係を続けるべきか」「もう終わらせた方がいいのか」と苦しい選択に直面します。誰かが代わりに答えを出してくれたらどれほど楽かと思っても、その答えはあなたの中にしかありません。

迷いの中で大切なのは、「いま、何を感じているか」と丁寧に向き合い、自分の内側から答えを見つけていくことです。そのために役立つ、3つの問いを紹介します。

1. 私はこの人といて「安心できる」と感じているか?

「信頼」は一朝一夕で築けるものではありません。不倫のあと、再構築を考えるうえで最も重要なのは、「心が落ち着けるかどうか」という感覚です。

  • 一緒にいるときに、身体がこわばる

  • 相手のスマホを見るたびに不安になる

  • ふとした瞬間に過去がよみがえる

これらが続く場合、あなたの心はまだ「安全」と感じられていないかもしれません。再構築の土台は、「恐れ」ではなく「安心」であるべきです。

2. 相手は本気で変わろうとしているだろうか?

言葉では「やり直したい」と言われても、実際の行動が伴っていない場合、その言葉は信頼の回復にはつながりません。

  • 自分の非をきちんと認めているか?

  • 浮気の原因や背景について正直に話しているか?

  • こちらの痛みや不安を受け止めようとしているか?

  • 行動や態度に「一貫性」があるか?

本気の変化には、「謝罪」ではなく「責任を引き受ける覚悟」が見えるはずです。

3. 自分の人生にとって、この関係はプラスかマイナスか?

どれだけ相手が変わろうとしていても、「その人と一緒に生きること」があなた自身の幸せにつながらないなら、関係を手放すという選択も必要です。

ここでのポイントは、「相手のため」ではなく「自分の人生のため」に考えるという視点を持つことです。今までの我慢や犠牲を取り戻そうとせず、未来のあなたが笑っていられるかどうかで考えてください。

4. 迷いは「心が本気で生きようとしている証」

再構築か、離婚か――その選択に正解はありません。
ただ、あなたの心が「迷っている」ということは、それだけ本気で自分を大切にしようとしている証拠です。

どうか焦らず、自分の感情と向き合い、あなたの心が「これなら大丈夫」と感じられる道を、少しずつ選んでいってください。たとえどんな結論になっても、それはきっとあなたにとって必要なプロセスです。

■ 再構築か?離婚か?迷ったときの判断基準

不倫を経験したあとの選択——**「関係を続けるのか、終わらせるのか」という問いは、多くの被害者にとって人生の分岐点となります。
どちらの道を選んでも、正解はありません。ただし、「納得できる決断かどうか」**は、回復の質に大きく影響します。

1. 怒りや混乱の渦中で結論を出さない

裏切りを知った直後は、感情が激しく揺れ動きます。このタイミングで無理に「答え」を出そうとすると、後で後悔することも少なくありません。
まずは「感情を整理する期間」が必要です。冷静に「自分は本当はどうしたいのか?」を見つめるためにも、心の回復と情報の整理を先に行いましょう。

2. 判断の軸は「未来の自分が後悔しないか」

  • 子どものために我慢する?

  • 経済的な不安で離れられない?

  • 世間体が気になるから関係を続ける?

それらも現実的な理由ではありますが、それだけを理由に決断するのは危険です
最終的には、「未来の自分がどの選択に納得できるか」という視点が大切です。誰かの期待ではなく、自分の幸せと安全を軸にしてください。

3. 修復可能な関係かどうかの見極めポイント

以下のチェック項目は、「再構築」が可能かどうかを見極める参考になります:

✅ パートナーに「誠意ある謝罪」と「具体的な行動の変化」があるか
✅ 信頼回復に向けた努力(例えばカウンセリングなど)をともにできているか
✅ あなた自身が「この人とやり直したい」と心から思える瞬間があるか
✅ 二人の間に「再発防止の対話と合意」があるか

これらが欠けている場合、関係修復は極めて困難です。
単なる「許す努力」は、あなた自身をすり減らすことにつながりかねません。

4. 離婚という選択も「敗北」ではない

離婚は、社会的にはまだ“ネガティブ”に見られることがあります。ですが、自分を守るために関係を終えることは「自立」と「回復」の一歩」です。
我慢や犠牲の上に成り立つ関係よりも、自分の尊厳と安心を取り戻す道を選ぶことを、どうか責めないでください。

5. 決断は「自分のペース」でいい

焦らなくていい。
迷って当然。
そして、何度でも立ち止まっていい。

他人の意見や常識に惑わされず、自分の人生にふさわしい選択をじっくり育ててください。
必要であれば、カウンセラーや信頼できる第三者のサポートを受けながら進めていくのも有効です。

6. 最後に

「再構築するか?離婚するか?」という問いに対して、正しい答えはありません。
ただ、あなたが“自分を大切にする選択”をできることが、何よりも大事です。
誰のためでもなく、「あなた自身が納得できる未来」を選んでください。

■ あなたの傷は、あなたの価値を決めるものではない

不倫によって傷ついた経験は、あなたの人格を否定するものではありません。
むしろ、その苦しみに耐え、立ち上がろうとしているあなた自身の姿こそが本当の強さです。

ゆっくりでも、確実に、あなたの心は癒えていきます。
自分を責めず、自分を責めたくなったときは、「それほどまでに私は愛していたのだ」と、愛の深さに誇りを持ってください。

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