探偵の仕事はきつい、汚い、帰れない
世間では労働条件が悪い職場を3K(きつい、汚い、危険)というが、それは探偵にもある。
ただ、少し違うところは探偵の場合の3Kは「きつい、汚い、帰れない」だ。
探偵の「きつい」は世間と同じで労働時間が長いこと。基本的に対象者の行動次第なので動きがあれば仕事の時間が長くなる。
浮気調査などで対象者が浮気相手と外泊をすれば、状況にもよるが対象者が帰ってくれない限り、こちらも当然「帰れない」
対象者が帰ってくれなければ、探偵も帰れず風呂にも入れないので必然的に「汚くなる」
冬などあまり汗をかかない時期であればいいが、夏の暑い時期は最悪である。
不倫カップルがエアコンのきいたホテルで快適に過ごしている間も、探偵は対象者がいつ出てくるかわからないので汗だくで張り込みをする。
これが泊まりになれば、汗だくでも風呂に入れない、寝れない、休むこともできないので三重苦だ。
それでも、依頼者のためにホテルから出てくる一瞬を逃すまいと眠い目をこすりながら待ち続ける。
もちろん、ホテルを出たからといって終了ではない。浮気相手がどこの誰なのかわかっていなければ浮気相手の自宅を判明させるまで追い続ける。
不倫旅行であればホテルから出たあとも、デートを楽しむだろう。別れた後でも買い物やパチンコに行ったり、まっすぐ帰宅してくれない。
ここまでくると、探偵も満身創痍だが見失うわけにはいかないのでもはや意地との戦いであり、やり切ったあとの達成感は何とも言えない。
しかし、依頼者と直接やり取りをしなければ誰かに感謝をされるわけでもなく、調査中は不審者扱いされて通報されることもある。
それでも、探偵の仕事を続けるには、よほど好きではないと続かない仕事と言えるだろう。