記憶に残る調査①
記憶に残る調査は色々あるが、基本的には失敗した調査ほどよく覚えているもの。
意外にもうまくいった調査ほどあまり覚えていることはなく、なにか印象に残るインパクトがないと記憶には残らない。
そのなかでも印象的だった調査はいくつかあるが、その一つに10年以上続いた浮気調査がある。
この調査は私が探偵を始めたころに在籍していた探偵事務所の浮気調査で、元同僚に聞けば覚えているものも多いだろう。
特にこれといった内容でもないのだが、なにが印象的かというと浮気の事実がないにもかかわらず10年以上調査を続けたことである。
対象者は旦那さんなのだが、真面目にお仕事をされている方で休日は趣味に出掛けるくらいで女性の影はまったくない。
それだけの長い期間調査を続けたのだから何回もバレており、今だったらそこまで執拗に付きまとえばストーカー規制法違反で完全にアウトである。
しかも、依頼者さんが使った総額は3億円以上ともいわれ、私が知る限り浮気調査で個人の依頼者さんが使った金額の最高額になる。
なぜ、浮気をしていないのにここまで調査を依頼したのかは不明だが、おそらく依頼者さんも躍起になっていたのではないだろうか。
もしくは、調査をすることによって一緒にいない間の行動を把握することができるので、安心感を得れていたのかもしれない。
事実確認のために依頼をしてくる方はもちろんいる。根拠はないが浮気の疑いがあるために真実を知りたくて依頼してくるのだろう。
しかし、その調査結果に納得がいかず、原因が自分にあることや思い込みだと気づかずに何度もご依頼をしてくる方もいる。
ある程度の期間、調査をして浮気をしていなければそれを事実として受け止める必要があるのではないだろうか。