探偵と法律
探偵だからといってなにをしても許されるわけではない。
探偵という仕事だからこそ、ルールや法律を守らなければ、なんでもありになってしまう。
浮気調査であれば、配偶者に不貞行為の疑いがあれば調査をすることができるが、何もないのに執拗に付きまとえばストーカー行為になってしまう。
また、勝手に写真を撮影したり、個人の私生活を調べて公開したりすれば、肖像権の侵害やプライバシー権の侵害、迷惑防止条例違反にも該当する。
そのため、依頼者さんには面談時にできることと出来ないことをお伝えしている。たとえば、不貞行為がないのに相手の氏名や住所を伝えられないことだ。
法律上の夫婦は、自由な意思で配偶者以外の異性と肉体関係を持ってはならないという貞操義務があり、貞操義務違反をすればそれは不法行為にあたる。
不倫は配偶者に対して2人で不法行為をしたとして共同不法行為責任を取らなければならいなので、浮気相手にも慰謝料の支払いをする義務が発生する。
したがって、不貞行為が見受けられれば、その行為によって配偶者が負った損害を賠償させるために、浮気相手の所在を調べることは正当な理由になる。
しかし、正当な理由がないのにもかかわらず、赤の他人の住所や氏名を調べればそれはプライバシー権の侵害にあたり、こちら側の不法行為になってしまう。
そのため、依頼者さんには事前に調べられることや調べられないことを伝えているのだが、なかには忘れてしまっているのか執拗に聞いてくる方がいる。
探偵だからといって、何でも調べられるわけでもなく、なにをしてもいいわけではない。ちゃんと法律を守らなければ正当な主張ができなくなってしまう。
もし、調査を依頼するのであれば、社会のルールや法律を守って調査する探偵事務所を選ぶことをお勧めしたい。