離婚したい夫と離婚を阻止したい妻
夫は浮気相手と一緒になりたいがために離婚を急ぎ、妻は子どもや生活のために離婚を阻止しようとする。
夫は浮気がバレれば、有責配偶者からの離婚請求は人道上の理由から原則認められないため、浮気がバレないうちに離婚を急ぐ。
妻は浮気の証拠があれば、有責配偶者からの離婚請求を拒むことができるので、離婚を拒否して婚姻費用を貰続けることができる。
不法行為をした有責配偶者からの離婚請求を認めてもらうには、
・別居期間が長期に及んでる
・夫婦の間に未成熟子がいない
・離婚しても妻が経済的に困窮しない
などの厳しい条件を満たさない限り、認められる可能性は低い。
そのため、夫の不貞行為が家庭裁判所で認められれば離婚を拒否して別居を続け、子どもが成人になるまで婚姻費用を貰い続けることができるのである。
ただ、別居中に夫婦関係が破たんしているとみなされれば、離婚が認められてしまう可能性があるため、子どもを含めて定期的に会う必要があるだろう。
また、夫が別居してからも浮気相手との関係を継続させていれば、浮気相手にお金を使い込まれてしまって財産分与の金額が減ってしまう可能性がある。
婚姻費用の額は家庭裁判所の算定表を基に計算することができ、財産分与は預貯金や持ち家など結婚して2人で築いた財産を公平に分けることができる。
今すぐ、離婚して財産の二分の一を受け取ったほうがいいのか、それとも子どもが成人するまで婚姻費用を貰い続けたほうがいいのか。
子どもが成人するまでの婚姻費用の額と財産分与の額と、どちらを選んだほうが得なのか比較してから決断することをお勧めしたい。
