面会交流を拒否する元妻
父親が親権をとれる割合は全体の1割程度である。
母親が親権争いで有利な理由は、子どもの監護実績や継続性、養育環境の整備、子どもの意思の尊重、母性優先の原則によるものと考えられている。
母性優先の原則とは、子どもの福祉の観点から10歳未満の子どもに関しては母性がある母親と暮らしたほうが生育上望ましいという考え方である。
裁判所は子どもの幸せを第一優先に考えており、子育てに関わってきた実績や両親の離婚によって子どもの養育環境が変わることを良しとはしない。
基本的に、母親中心に子育てを行っていることが多いので、親権争いでは母親が子どもを育てられない状況でない限り母親が有利と言われている。
ただ、子どもからすればどちらの親も大切な存在で、親の都合で離婚することになったが、子どもからすれば一緒にいたいと思う気持ちは当然だろう。
しかし、なかには夫婦仲が悪くなったからといって父親に子どもを会わせない母親もいる。面会拒否するのに、正当な理由がないのにもかかわらず。
面会交流を拒否するには、子どもに対して虐待など心身に影響を与える行為や子どもが会いたくないと意思表示すれば、子どもと会うことはできない。
ただ、このような正当な理由がないのに、子どもと会わせないのは一方の親の身勝手な都合であって、子どものことを考えているとはとても思えない。
子どもからすれば、どちらもかけがえのない親であることに変わりはないし、親からすれば会うことが許されなくても一目見たいと思うだろう。
親同士の関係性が悪くなったからといって、子どもの意見を尊重せずに利益に反する行動をとることが本当に正しいと言えるのだろうか。