探偵業を生業としている自分でいうのもなんだが、たまに調査の必要性ついて疑問に思うことがある。
ご相談者さんからお話を聞いていて、目的にもよるが高いお金を払ってまで調査をする必要があるかどうかということだ。
浮気調査であれば、慰謝料を請求したい、優位に離婚したい、離婚を拒否したい、浮気をしているか事実を確認したいといったところだろうか。
例えば、不貞行為の証拠を集めて優位に離婚したいとか、要求されている離婚を拒否するために証拠を押さえておきたいというのであればわかる。
不貞行為は法的離婚事由の一つであるため、相手がいくら離婚を拒否していても家庭裁判所で不貞が認められれば離婚をすることができる。
逆に、配偶者が浮気相手と再婚するために離婚を要求してきても、不貞の証拠があれば離婚裁判を申し立てしても認められることはない。
ただ、慰謝料請求だけをしたいとか、交際相手の浮気の事実や既婚の事実を確認したいなどのご相談は調査の必要性が本当にあるか問いかける。
離婚と不倫の慰謝料を請求したいというのであればわかるが不倫の慰謝料だけの場合、もし、認められたとしても慰謝料の額はたかが知れている。
不倫を相手がすんなり認めて、こちらが提示した慰謝料を素直に払ってくれればいいが、そうでなかった場合は裁判を提起しなければならない。
慰謝料の額は不貞行為の回数や期間など、どれだけ精神的苦痛を負わされたかによって変わってくるが、裁判所で決められる相場は大体100万円前後である。
もちろん、お金だけの問題だけではなく、事実を確認しないことには気持ちの整理がつかないなどの理由であれば、その人には必要なことなのかもしれない。
なかには、悩みを話すことによって気持ちに整理がついたり、調査をしなくてもご自身で調べられる内容であったりと相談だけで解決することもある。
しかし、調査を依頼するかは別として、行動に移せないで独りで悩んでしまっている人は、状況が悪化してどんどん悪い方向に進んでいってしまう。
ご自身で悩んで解決できるのであればいいが、一人で考えても解決策や気持ちの整理がつかないのであれば、誰かに相談することも必要だろう。
調査をする必要性があるのか、抱えている悩みに対して解決する方法はあるのかなど、そういったことも含めてご相談に乗っていければと思う。
調査を依頼することの必要性/横浜の探偵日記
- 2023年09月22日
- 2023年09月26日