強制執行の手続きについて

未払いの慰謝料を強制執行で差し押さえる方法

  • 2024年10月09日
  • 2024年10月10日

強制執行とは、債務者が任意に債務を履行しない場合に、債権者が裁判所を通じて債務の履行を強制するための手続きです。強制執行を申し立てる際の書類の書き方や必要な情報、流れについて、以下に詳細を説明します。

1. 強制執行の前提条件

まず、強制執行を行うには、債務名義(執行力のある判決や調停調書など)が必要です。債務名義には、以下のものが含まれます:

  • 確定判決
  • 調停調書、和解調書
  • 公正証書(強制執行認諾文言が入ったもの)

2. 強制執行の申し立て書類

強制執行を申し立てるには、以下の書類が必要です。

1.執行文付与済みの債務名義

  • 債務名義に執行文(裁判所が強制執行を行うための文言)を付与してもらう必要があります。
  • 裁判所に執行文付与の申請を行います。申請書に、判決正本や調停調書を添付して提出します。

 

2.強制執行申立書

書類には、以下の内容を記載します。

  • 債権者(申立人)と債務者(相手方)の情報

名前、住所、連絡先など

  • 債務名義に基づく債権額とその内容

支払われていない金額や利息、損害金の計算

  • 執行の対象となる財産(不動産、動産、預金など)の特定

不動産の場合は登記簿謄本、動産の場合は具体的な物品名、預金なら銀行名と支店名などを記載

  • 強制執行の理由

任意で履行がされていないこと

3.執行費用の納付

強制執行を行う際には、一定の執行費用を納付する必要があります。執行費用は手続きの種類や財産の種類によって異なります。

4.その他の証拠書類

必要に応じて、強制執行の対象となる財産や、債務者の現在の経済状況などを示す書類を用意します。

3. 強制執行の申し立ての流れ

ステップ 1:債務名義の取得

  • まず、訴訟や調停で確定判決や調停調書を得て、債務名義を取得します。強制執行の基礎となる債務名義がなければ、強制執行はできません。

ステップ 2:執行文の付与申請

  • 債務名義を取得後、裁判所に執行文の付与を申請します。執行文が付与された後に、強制執行の申立てが可能となります。

ステップ 3:強制執行申立書の提出

  • 管轄の地方裁判所または執行官事務所に、強制執行申立書を提出します。この際、債務名義(執行文付与済みのもの)を添付し、必要な書類を揃えます。

ステップ 4:強制執行の開始

  • 裁判所が申立てを受理すると、執行官が強制執行を行います。執行官が債務者の財産を差し押さえ、競売などの手続きが進められます。

ステップ 5:財産の売却と分配

  • 差し押さえた財産が競売などにかけられ、売却代金が分配されます。債権者は、この代金から債権回収を行います。

4. 強制執行の種類

強制執行にはいくつかの種類があります。主なものを以下に紹介します。

1. 金銭債権の強制執行

  • 債務者の預金、給与、売掛金などの債権を差し押さえる手続きです。銀行口座や給与支払元に対して、裁判所を通じて差押命令を出します。

2. 不動産の強制執行

  • 債務者が所有する不動産を差し押さえ、競売にかけて回収します。裁判所で不動産の登記を差し押さえる手続きを行います。

3. 動産の強制執行

  • 債務者が所有する動産(車や貴重品など)を差し押さえる手続きです。執行官が債務者の居宅や会社に出向いて、財産を差し押さえます。

5. 申し立て後の流れと注意点

強制執行の申し立てが受理されると、執行官や裁判所が手続きを進めますが、債務者が財産を隠匿したり、資産が不足している場合、回収が難航することがあります。また、債務者が破産を申し立てた場合には、強制執行が一時的に中止されることもあります。

6. 強制執行申立書の書き方

強制執行申立書の例

強制執行申立書 〇〇地方裁判所 御中 申立人:氏名、住所、電話番号(債権者) 相手方:氏名、住所(債務者) 債務名義:〇〇地方裁判所の令和〇年〇月〇日付確定判決(事件番号:〇〇) 執行文付与:令和〇年〇月〇日付執行文付与済 1. 債権内容  債務者は、令和〇年〇月〇日付の確定判決により、申立人に対して〇〇円の支払い義務を負っています。しかし、現時点までに支払いがなされていません。 2. 差し押さえ対象財産  債務者の〇〇銀行〇〇支店にある普通預金口座(口座番号:〇〇〇〇〇〇)を差し押さえ、未払い金〇〇円の回収を行いたい。 3. 債権額  本件債権の金額は、〇〇円であり、これに対する法定利息および遅延損害金を含めた〇〇円を回収したい。 記  令和〇年〇月〇日

まとめ

強制執行の手続きには、債務名義の取得や執行文の付与が必要であり、正確な手続きが求められます。裁判所への書類提出や執行官による差し押さえなど、プロセスは複雑な場合も多いため、必要に応じて弁護士に相談することも検討されると良いでしょう。

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