「浮気された自分が悪いのかも」― 不倫被害者が抱える罪悪感の正体
- 2025年04月26日
- 2025年04月26日

「浮気をされたのは、私のせいかもしれない」
不倫の被害にあった方が、そう口にすることは珍しくありません。本来、浮気をするかどうかは“シタ側”の問題であるにもかかわらず、なぜ被害を受けた側が自分を責めてしまうのでしょうか?
この記事では、不倫被害者が感じやすい罪悪感の正体や、なぜそのような感情が生まれるのかを心理的な側面から掘り下げていきます。
あなたのせいではない――そのことを心から理解するためのヒントになれば幸いです。
「自分が悪い」と感じてしまう理由
(1) 自己肯定感の低下
浮気をされた事実は、「自分には魅力がないのでは」「何か足りなかったのでは」と、自分の価値を疑う大きな衝撃になります。
加えて、相手から「お前が冷たかったから」「家では癒されなかったから」と責任転嫁されることで、「自分のせいかもしれない」という罪悪感が強まってしまうことも。
(2) 過剰な自己反省の癖
もともと責任感が強く、自分を責めやすい人ほど、相手の過ちすらも「自分が悪かったからだ」と受け止めてしまう傾向があります。
問題を自分の中で処理しようとする優しさが、かえって自分を苦しめてしまうのです。
(3) 「そうしないと気持ちが保てない」心理
「相手が100%悪い」と考えると、怒りや悲しみが強すぎて自分の心が壊れそうになるため、無意識のうちに「自分にも悪いところがあった」と考えることで感情のバランスを取ろうとする心理が働くこともあります。
罪悪感を抱えてしまうことのリスク
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自尊心の低下による自己否定感の増幅
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次の人間関係でも「どうせ私なんて…」と卑屈になる
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本来の被害者としての立場が曖昧になり、適切な対応ができなくなる(慰謝料請求や離婚判断など)
罪悪感は、必要以上に自分を縛りつける鎖になります。浮気は相手の選択によって起きたことであり、あなたの存在価値とは無関係です。
「あなたは悪くない」と心に届けたい理由
たとえ夫婦間で不満があったとしても、それを話し合う、改善する、別れるなどの選択肢がある中で、「浮気をする」という行動を選んだのは、相手の問題です。
恋愛も結婚も、相手の誠実さがあってこそ成立するもの。あなたが「される側」になったのは、“不誠実な相手に心を許してしまっただけ”なのです。
心の整理に向けたヒント
(1)「悪かったところ」ではなく、「傷ついた自分」に目を向ける
反省する前に、まずは自分の心の痛みを認めましょう。
「悲しかった」「悔しかった」「信じたかった」――その感情は、あなたが一生懸命向き合っていた証です。
(2)誰かに話すことで、自分を客観視できるようになる
カウンセラーや信頼できる友人に気持ちを話すことは、罪悪感を手放す第一歩になります。
「自分の感じていることを否定されない経験」が、心の回復に大きな力を与えてくれます。
罪悪感を抱えているかもしれないあなたへ ― セルフチェックリスト
もしかしたら、あなたの中にも「自分が悪かったのでは」という気持ちが残っているかもしれません。
以下のチェックリストは、罪悪感が心にどのように影響しているかを見つめ直すヒントになります。
□ 「私がもっと優しくしていれば…」と何度も思い返す
□ 相手を責めることに強い罪悪感を感じる
□ 自分の感情より、相手の事情を優先して考えてしまう
□ 自分を責めている方が、気持ちが落ち着くように感じる
□ 「どうせ私なんて」と自己評価が下がっていると感じる
□ 人に相談することにためらいがあり、自分一人で抱えてしまう
ひとつでも当てはまったら、あなたの中に“本来必要のない罪悪感”が根付いている可能性があります。
気づいたその瞬間から、少しずつ心の荷物を下ろしていくことができます。
心を整理するためのワーク ― 癒しノートで心をいたわる
裏切りや傷つきから立ち直るには、まず心の痛みを素直に受け止めることがとても大切です。でも、感情をうまく言葉にできなかったり、つらさを抱え込んでしまったりすることもありますよね。
そんなときにおすすめなのが、ノートやメモに自分の気持ちを書き出していく「癒しノート」のワークです。
書きながら、あなた自身の心をそっと抱きしめてあげるつもりで進めてみてください。
【ステップ1】心の奥にある「本音」を書き出す
まずは、誰にも見せるつもりがないと思って、思ったことをそのまま書きます。
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本当は何が一番つらかった?
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どんな瞬間に、どんな感情が湧き上がった?
(例:信じていた人に裏切られたのが苦しかった/私ばかり我慢していたのが悲しかった)
ポイント: 正解も、きれいな言葉も必要ありません。湧いてきた感情を、そのまま言葉にしてあげましょう。
【ステップ2】そのときの自分を振り返る
次に、つらかった状況の中でどうして自分はそう行動したのかを考えてみます。
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なぜ、その時そうしたと思う?
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何を守ろうとしていたのかな?
(例:関係を壊したくなくて、我慢してしまった/愛されたい気持ちが強かった)
ポイント: 自分を責めるためではなく、あの時の自分の“がんばり”を理解してあげるために書きます。
【ステップ3】過去の自分に寄り添う
最後に、あのときの自分にやさしい言葉をかけてあげる時間を持ちましょう。
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あの時の私に、どんな言葉をかけてあげたい?
(例:本当によく頑張ったね/苦しかったね。でもあなたは悪くないよ)
ポイント: 今ここにいるあなたが、過去の自分をあたたかく抱きしめるイメージで。
これらを書くことで、自分の本当の気持ちに触れ、少しずつでも「自分を理解する感覚」が育っていきます。
自分を責めるのではなく、「自分の心に優しく寄り添う」という習慣が、傷の回復を助けてくれるでしょう。
癒しノートを書くときのコツ
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きれいにまとめようとしなくて大丈夫
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感情があふれて涙が出ても、それは回復のサイン
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無理に書こうとせず、できる範囲でOK
癒しノートは、心のリハビリのようなものです。
一度に全部整理できなくても、少しずつ、少しずつ。あなた自身を大切にするために、優しい時間を持ってくださいね。
おわりに ― 罪悪感の鎖を断ち切って、自分を大切に生きるために
浮気の被害にあって傷ついた心は、目に見えないけれど、確かに存在します。
その痛みと丁寧に向き合い、自分の価値を再び思い出すことができれば、あなたの心は必ず少しずつ回復していきます。
どうか、あなたの中にある「無意識の罪悪感」に気づき、「それは私の責任ではない」と言葉にしてあげてください。
その瞬間から、あなたの人生は、あなた自身の手に戻ってくるはずです。