「どうして、こんな酷いことを言えるの?」──不倫夫のエスカレートする“暴言”
- 2025年07月03日
- 2025年07月03日

「お前に女としての価値なんてもうない」
「誰が養ってやってると思ってるんだ」
「お前なんかと結婚したのが人生最大の失敗だった」
長年共に暮らし、家族として歩んできたはずの夫から、こんな冷酷な言葉を浴びせられる——
それは、不倫をされたという裏切りとは別の、心の深くをえぐるような二重の傷です。
「どうしてこんな酷いことが言えるの?私が何かした?」
そう思ってしまうのは当然です。けれど、この“人としての一線を越えた発言”には、明確な心理構造があります。
■ 1. 自分を正当化するために「妻を悪者にする」
不倫をしている夫が、妻に対して平気で酷い言葉を浴びせる背景には、「自分の行為を正当化したい」という強い欲求があります。
罪悪感や劣等感を抱えたくないがために、無意識に「妻を悪者に仕立て上げる」心理が働くのです。以下に、その心理構造を詳しく見ていきます。
● 心の中の葛藤から逃げるために「理由づけ」をする
人は、自分が悪いことをしていると分かっているときほど、「自分は正しかった」と思いたくなるものです。
不倫夫にとっても、浮気や裏切りという行為を“正当化”するには、「自分にもやむを得ない理由があった」と思い込む必要があります。
その結果、妻に対してこんな言葉を投げつけます。
-
「お前が冷たくなったから、俺は他の人に癒しを求めた」
-
「女を捨てたのはお前だろ」
-
「お前が俺をないがしろにしたから、俺もこうなったんだ」
これらはすべて、自分の加害行為に“正当な理由”をつけるためのもの。
しかしそれは、責任逃れであり、相手を傷つける暴力的な行為でもあるのです。
● 自分の「悪」を妻に転化する心理メカニズム
心理学ではこれを「投影」と呼びます。
本来、自分が向き合うべき罪悪感や未熟さを、他人(この場合は妻)に押しつけることで、
「自分は間違っていない」「悪いのは妻だ」と心のバランスを保とうとするのです。
たとえば、
-
「自分が不倫してしまった」 → 認めると罪悪感が生まれる
-
「でも妻がひどい態度だったから」 → と転化することで苦しまずに済む
つまり、自分を守るために相手を責めるという心理構造が働いているのです。
● 妻の自尊心を奪って「黙らせる」
不倫夫が妻を言葉で攻撃するのは、単に怒っているからではありません。
妻を責めることで、「自分の行動を正当化し、反論させない空気をつくろうとしている」のです。
-
「お前のせいで俺はこんなに苦しんでる」
-
「お前みたいな女じゃ無理なんだよ」
こうした言葉の裏には、「妻に黙っていてほしい」「責められたくない」という防衛の欲求があります。
その結果、言われた側は次第に自信を失い、「自分が悪かったのかも…」と思い込むようになってしまうのです。
● 傷つけておきながら「傷ついたふり」をする矛盾
不倫夫の特徴として、「自分が加害者なのに被害者ぶる」という矛盾した言動があります。
これは典型的なモラハラ加害者の特徴で、責任転嫁と感情操作を繰り返します。
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自分が不倫をしているのに、「お前は俺の気持ちを全然分かってくれなかった」と訴える
-
自分が酷いことをしているのに、「俺ばっかり責められて辛い」と泣き言を言う
これは、妻に罪悪感を植え付け、自分の立場を優位にするための戦術です。
■ 2. 不倫によって「家庭」が煩わしい存在に変わる
不倫をする夫の中には、次第に家庭そのものを「重荷」や「足かせ」として感じるようになる人が少なくありません。
本来、家庭は「安心できる場所」であるはずなのに、不倫という裏切りをした側の視点から見ると、
その家庭は「自由を奪う場所」や「責められる場所」へと変化してしまうのです。
● 家庭は「管理される場所」になる
不倫関係の中で「自由」や「癒し」を感じ始めた夫にとって、
家庭はルールや責任、義務がのしかかる「管理の空間」として映ります。
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食事のこと、子どものこと、生活費のこと
-
妻との会話や関係性のメンテナンス
-
自分の行動を細かく把握される窮屈さ
これらを“愛情”ではなく“拘束”と感じ始めると、家庭の存在そのものにストレスを感じるようになります。
● 妻の正当な要求が「口うるさい」にすり替わる
「今日は何時に帰ってくるの?」
「最近、子どもと向き合ってくれてないよね」
「今月の支払い、まだなんだけど…」
これらはどれも、夫婦としてごく当然の会話であり要求です。
しかし、不倫中の夫にとっては「責められている」「束縛されている」と受け取られてしまう。
→ その結果:「お前はうるさい」「疲れる」「一緒にいるとストレスしかない」などと理不尽な言葉をぶつけるようになるのです。
● 家庭は「罪悪感を刺激する場所」になる
不倫をしている以上、家に帰るたびに「自分は裏切っている」という事実に直面します。
妻や子どもの顔を見るたびに、どこか後ろめたさや罪悪感がよぎる。
本来ならその感情と向き合い、行動を改めるべきですが、
それができない人ほど「家庭から距離をとりたい」「早くこの場から逃げたい」と感じるようになります。
→ 家に帰るたびにイライラしたり、無言になったり、無関心を装うのは、
自分の罪と向き合いたくない逃避反応のあらわれとも言えるのです。
● 不倫相手との時間が「現実逃避」の手段になる
不倫相手との関係が長引けば長引くほど、夫の中で「家庭=現実」「不倫=理想や癒し」という構図が強くなっていきます。
-
家庭は問題や責任を背負わされる場所
-
不倫相手の前では、弱音も吐けるし、癒されるし、自由でいられる
このような思考の中で、家庭はどんどん「煩わしい場所」へと変貌していくのです。
特にモラハラ傾向のある夫ほど、「自分に都合のいい場所」にしか愛着を持てません。
● 「家庭」を煩わしく感じているのは、自分の問題
不倫をしている夫が「家庭は居心地が悪い」「お前といると疲れる」と言うとき、
それは妻や家庭の問題ではなく、“自分が不誠実な選択をしている”という事実から逃げている結果です。
本来向き合うべきは、「不倫をしている自分自身」であって、
妻や家庭を責めて遠ざけることは、責任転嫁にすぎません。
だからこそ、夫の冷たい態度や心無い言葉に振り回されすぎないでください。
その“違和感”は、あなたが間違っているからではなく、
相手が自らの罪を隠したいだけなのです。
■ 3. 妻の“反応”が感情のはけ口になる
不倫をしている夫が、妻に対して異様なほど冷たくなったり、攻撃的になったりするのはなぜか。
その理由の一つに、「妻の反応を、自分のストレスや罪悪感のはけ口にしている」という心理構造があります。
● 自分の罪悪感を打ち消すために「攻撃」に転じる
夫が不倫をしていることに対して、妻が当然のように怒ったり問い詰めたりすれば——
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「なんでそんなに責めるんだ」
-
「お前だって完璧じゃないくせに」
-
「だからお前とはうまくいかないんだよ」
と逆ギレのような言葉を返してくることがあります。
これは、自分の悪さを自覚しているからこそ、それを認めるのが怖くて「攻撃」に転じている状態です。
責められることで罪悪感が刺激され、それを感じたくないために“反応する相手=妻”を標的にしているのです。
● 妻の怒りや涙が「自分を正当化する材料」になる
妻が泣いたり怒ったりするたびに、夫はこう思い始めます。
-
「また感情的になってる。やっぱり面倒な女だ」
-
「こっちが冷静なのにヒステリックだな」
-
「だから癒される不倫相手のほうがいい」
つまり、妻が感情を見せれば見せるほど、自分の中で“不倫を正当化する理屈”が強化されていくのです。
本来は、自分の裏切りに対して起きた正当な反応なのに、
それを「面倒」「怖い」「冷める」と変換することで、
不倫という行為を肯定し続ける心理的装置が働きます。
● “反応する人”を選んで感情をぶつける
不倫中の夫は、外の世界では驚くほど冷静で穏やかだったりします。
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職場では協調的
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友人には礼儀正しく
-
SNSでは家庭円満アピール
それなのに、家では別人のように怒りっぽくなり、妻に対して暴言を吐くこともある。
これは、「安心して感情をぶつけられる相手」を無意識に選んでいるとも言えます。
妻が離れないと思っているからこそ、日常のイライラや不倫の罪悪感すらも、配偶者にぶつけて解消しているのです。
● 感情をぶつけることで「支配感覚」を得ている
さらに深いところでは、モラハラ傾向のある夫は、
「相手の感情を自分の手で揺さぶること」によって、優位性やコントロール感覚を得ている場合もあります。
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妻が傷つく様子を見ることで、自分の影響力を確認する
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自分の言動で相手を動かせることに快感を覚える
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それによって「まだ自分は力を持っている」と安心する
こうした歪んだ満足感が、妻への感情的攻撃を繰り返す原動力になっているケースもあるのです。
● あなたの“反応”は、夫の鏡ではない
夫の言動に反応してしまうのは当然です。
でもその反応が、「相手の攻撃性を加速させる燃料」として使われているのだとしたら、
まずはあなた自身の心の安全を優先することが大切です。
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感情をぶつけられても「自分が悪い」と思わない
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相手の態度に飲み込まれない距離を意識する
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反応することを責めず、でも必要以上に消耗しない
あなたの感情は、あなたのものです。
夫のためにあるのではなく、自分を守るために使ってください。
■ 4. 夫婦関係に「安心しきっている」からこそ言える
不倫をしている夫が、長年連れ添った妻にだけ、人の心を踏みにじるような酷い言葉を投げつける。
なぜそんなことができるのか?
それは、**「この人は離れない」「何を言っても許してくれる」**という、**夫側の“安心感”**に根ざしている場合があります。
● 「一番大切にすべき相手」だからこそ、雑に扱ってしまう
本来、夫婦とはお互いを思いやる関係であるべきです。
けれど、日常生活が長くなるにつれ、「言わなくても分かる」「何をしても受け入れてくれる」という甘えが生まれてきます。
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自分の本音をぶつけても壊れない関係だと思っている
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妻は簡単に自分から離れないと“確信”している
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結婚という契約にあぐらをかいて、気遣いを怠っている
こうした「心理的な慢心」が、無自覚なモラハラや暴言につながるのです。
● 「逃げない存在」だと思っているからこそ酷くなる
不倫相手には優しい言葉をかけられるのに、
妻には冷たく当たるのはなぜか?
それは、不倫相手は“繋ぎ止める努力”が必要な存在だから。
一方で、妻は「どんなに雑に扱っても逃げない」存在だと見なされているからです。
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「長年一緒にいるんだから今さら離れないだろう」
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「子どももいるし、どうせ家に残るしかない」
-
「経済的にも無理だろう」
こうした勝手な思い込みが、妻を傷つける言葉を平然と吐ける土壌を作ってしまっています。
● 家庭内でだけ“本性”を出している
職場や友人の前では礼儀正しく、気配りができるのに、
家庭では暴言や無視、見下し発言。
これは、**「家の中では取り繕う必要がない」と感じているからです。
つまり、夫にとって家庭は「安全圏」。
外で抑えていたストレスや不満を、最も身近な妻にぶつけることで、“ガス抜き”**のようにしているのです。
● 「あなたならわかってくれる」と歪んだ信頼感を抱いている
意外かもしれませんが、こうした態度の根底には、
**「本音を出しても壊れない関係=安心感」**という、ねじれた信頼感が潜んでいることもあります。
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「わかってくれるだろう」
-
「家族なんだから、これくらい大丈夫」
-
「他人には言えないことも、お前になら言える」
そうした“都合のいい信頼”が、妻に対する配慮の欠如を正当化してしまうのです。
■ 5. 「感覚が麻痺」している
夫が平然と、心をえぐるような言葉を妻に浴びせるとき——
それは「悪気があっての言葉」とは限りません。
むしろ恐ろしいのは、**本人が“それを問題だと思っていない”**という状態。
つまり、感覚が麻痺してしまっているのです。
● 「ずっとこうだったから」が基準になっている
長年の夫婦生活の中で、徐々に積み重なった言葉の暴力や見下し発言。
最初は傷ついていたはずの妻も、繰り返されるうちに感情を表に出さなくなっていきます。
すると夫は、こう思い始めます。
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「文句を言わないってことは、許されてるんだろう」
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「これくらい普通だろう」
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「家族なんだから遠慮はいらない」
無反応に慣れた結果、悪意のない暴言が“日常の言葉”に変わっていくのです。
● 妻を「人」として見なくなっている
長年一緒にいるということは、相手を“空気のような存在”に感じることもあります。
ただ、それが行き過ぎると、「妻の気持ち」への配慮や想像力が著しく欠けていくようになります。
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「感情がある人間」ではなく「役割」としての“妻”
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自分の都合や感情の捌け口になってくれる存在
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「何を言っても関係は壊れない」という慢心
こうして、妻は“ひとりの人格”として扱われることが少なくなり、暴言すら意識せず放たれるようになります。
● 不倫が「現実逃避」となり、妻への共感が薄れる
不倫関係にある夫は、「非日常の甘さ」に没入しやすくなります。
不倫相手には優しく、気を遣い、共感的な言葉をかけられるのに、
妻には冷たく、雑な扱いをしてしまうのは、現実(家庭)と非現実(不倫)のギャップによる感覚の崩壊が起きているからです。
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不倫相手と過ごす時間=理想と快楽
-
妻と過ごす時間=義務と負担
こうした二極化が進むほど、妻に対する共感や配慮はどんどん薄れていくのです。
● 暴言の「痛み」を想像できなくなっている
「バカじゃないの?」
「誰が食わせてやってると思ってるんだ」
「お前のせいで疲れる」
そんな言葉を平然と言える背景には、“言われた側がどれほど傷つくか”という想像力の欠如があります。
これは、もはやモラルの問題ではなく、共感能力が鈍ってしまっている状態です。
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自分の言葉が相手にどんな影響を与えるのか
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傷ついた相手がどう感じているのか
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信頼や尊厳がどう壊れていくのか
こうした「人間関係における感覚」が、長年の積み重ねの中で、壊れてしまっているのです。
■ 6. 不倫相手との“比較”で優越感を得ている心理
不倫をしている夫が、なぜ長年連れ添った妻にだけ人として信じがたいような酷い言葉を言えるのか。
その背景には、「不倫相手と妻を比較して、自分の優位性を実感する」というゆがんだ心理が隠れていることがあります。
これは単なる「浮気」ではなく、自分の価値を確認するための“支配の道具”としての不倫になっているケースです。
● 新鮮さと慣れが生む“見え方”の違い
不倫相手は、夫にとって“新鮮で自分をチヤホヤしてくれる存在”です。
一方で、妻は“生活感にまみれ、自分を批判してくる存在”に映るようになります。
すると夫は、次のような比較を無意識に始めます。
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「不倫相手は俺を褒めてくれるのに、お前は文句ばかりだ」
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「若くて可愛い子は俺を尊敬してくれるのに、お前は俺を馬鹿にする」
-
「あの子は“ありがとう”って言うのに、お前は当たり前みたいな顔してる」
こうして、妻に対して見下しの感情が生まれ、攻撃的な言動が強化されていきます。
● 比較することで「自分の価値」を感じたい
不倫関係において、夫はしばしば“理想の自分”を演じています。
その中で、不倫相手が見せる賞賛や好意が、**自分を価値ある存在として再確認させてくれる“ご褒美”**のように感じられるのです。
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「俺ってまだ魅力あるんだ」
-
「自分を好きになってくれる人がいる」
-
「結婚してもモテる男だ」
これらの承認は、自尊心が低い人間ほど強く求める傾向があります。
そのため、比較対象となる“妻”を下げることで、自分をより高く見積もろうとするのです。
● 妻を攻撃することで「自分の選択」を正当化したい
本来なら、妻は人生を共に歩んできた大切なパートナーのはず。
しかし不倫をしている夫にとっては、妻の存在自体が「罪悪感」を呼び起こす対象でもあります。
その矛盾を打ち消すために、夫は次のような思考にすり替えます。
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「だってお前が冷たいから浮気したんだ」
-
「お前に魅力がないから仕方ない」
-
「あの子のほうが俺をわかってくれる」
こうして、妻を下げ、不倫相手を持ち上げることで、“自分は間違っていない”という正当化のストーリーを作り上げていくのです。
● 妻を傷つけるほど「優位に立った」と感じてしまう
モラハラ気質の強い夫の場合、「相手より上に立っている」と実感することが安心感になります。
不倫相手には優しいのに、妻には暴言を吐くのは、“勝てる相手”にだけ攻撃を仕掛ける心理構造ともいえます。
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妻が何も言い返せない
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傷ついても離れていかない
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我慢して受け入れてくれる
その様子を見ることで、「自分は支配できている」という満足感や優越感を感じてしまうのです。
■ 7. 妻の“我慢強さ”につけ込んでいる
多くの不倫をする夫たちは、無意識のうちに「妻は簡単には離れていかない」と高をくくっています。
それは、長年一緒に過ごしてきた中で感じ取った「妻の我慢強さ」「優しさ」「自己犠牲」を、
自分の都合のいいように解釈し、利用しているという構図です。
● 「何をしても大丈夫」という“誤った安心感”
妻が怒りをぶつけても、最終的には折れてくれる。
離婚を口にしても、結局は思いとどまる。
そんなやり取りを繰り返してきた夫は、「この人には何をしても離れていかない」という誤った安心感を抱きます。
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怒っても、泣いても、離れてはいかない
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子どものために我慢していると見抜いている
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最終的には自分を許すと高をくくっている
この「安心感」が、逆に不倫のエスカレートを招く要因になっているのです。
● 妻の自己犠牲が「当たり前」になる
真面目で責任感の強い妻ほど、子どもや家庭のために耐え続けます。
しかしその姿勢が、夫にとっては次第に「当たり前」になり、感謝すら忘れさせます。
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ご飯ができているのが当然
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子育ては妻の役割
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感情的にならず受け入れるのが普通
このように、妻の我慢が「当然のルール」として機能し始めると、
夫は自分の行動に対して鈍感になり、罪悪感も希薄になっていきます。
● “逆らえない相手”には強く出る心理
自分にとって逆らってこない・関係が壊れないと確信している相手には、
人は本性をさらけ出しやすくなります。これがモラハラや精神的暴力の背景にある力学です。
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不倫相手には気を遣い、優しく振る舞う
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妻には冷たく、無関心でいられる
「許してくれる相手」にこそ、本性が出やすいという人間の心理が、ここでも働いています。
● 我慢が「無言の同意」として機能してしまう
どれだけ心の中で苦しんでいても、
行動に移さなければ、相手には伝わりません。
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離婚に踏み出さない
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不倫を問い詰めない
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感情を爆発させない
この“静かな我慢”は、夫にとっては「黙認されている」と受け取られる危険があります。
そのため、不倫を止めるどころか、「やっても問題ないこと」として継続されてしまうのです。
● 「自分が変わらなくても、妻が我慢してくれる」という甘え
夫が変わろうとしない最大の理由の一つは、
**「妻が変わることはあっても、自分が変わる必要はない」**と信じているからです。
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妻が折れてくれる
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妻が我慢を選んでくれる
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妻が家庭を壊さないように動いてくれる
そんな思考が、夫に「変わらなければいけない」という自覚を与えません。
それどころか、「このままでいい」とさえ思わせてしまうのです。
■ 8. 子どもの存在すら「抑止力」になっていない理由
不倫をする夫に対して、多くの妻が抱く疑問の一つはこれです。
「子どもがいるのに、どうしてそんなことができるの?」
かつて一緒に喜んだ出産、育児、家族の未来——それらをすべて忘れたかのような裏切り行為。
なぜ子どもの存在が、夫の行動の“ストップ”にならないのでしょうか。
● 「家庭」と「恋愛」を完全に分けている
不倫をする男性の多くは、家庭と不倫を別世界のものとして分離しています。
「家族は家族。不倫相手は癒し」
というように、自分の中で線を引いていて、家庭や子どもへの責任とは切り離して考えているのです。
この“分離思考”があるため、
-
不倫していても子どもを可愛がる
-
家族旅行にも普通に行く
-
罪悪感なく二重生活を続ける
という行動が可能になるのです。
● 子どもへの責任よりも「自分の快楽」を優先
本来、子どもは親にとって「守るべき存在」であり、
その存在がブレーキとなって、不誠実な行動を控える人も多いでしょう。
しかし不倫をする夫の場合、
“目の前の快楽”や“癒し”を優先する傾向が強く、
子どもへの責任感や影響への想像力は、後回しになります。
- 「子どもはまだ小さいからわからない」
- 「子どもにバレなければいい」
- 「自分が満たされていないから、仕方ない」
こうした“自己都合の正当化”により、
子どもの存在さえ、抑止力として機能しなくなってしまうのです。
● 「子どもは妻の担当」と思い込んでいる
夫が家庭内で育児や教育に関わっていない場合、
そもそも「子どもへの責任」を自分ごととして認識していないケースもあります。
- 「子どものことは妻がやってくれる」
- 「自分は仕事をしていればそれでいい」
- 「家庭のことは任せてるから、自由でいいはず」
このような認識のまま不倫に走る夫は、
「子どもを裏切っている」という実感すら持っていないのです。
● 自己愛が強く「自分中心の視点」しか持てない
モラハラ気質や自己愛傾向がある夫ほど、
自分の感情・欲望が最優先されるため、
子どもの存在や気持ちにまで思いが及ばない傾向があります。
- 「子どもが悲しむかも」という想像力がない
- もしくは「そんなに影響はない」と過小評価する
- 極端な場合、「子どもにバレても、責められるいわれはない」と考えている
こうした歪んだ自己中心的な価値観が、
家庭崩壊を招いてもなお、不倫をやめられない原因になっているのです。
● 「バレなければ問題ない」という安易な楽観主義
多くの不倫夫が持っているのがこの思考です。
**「バレなければ傷つけない」=「バレなければなにをやってもいい」**という思考回路。
- 子どもが気づいていない
- 妻が問い詰めてこない
- 家庭の表面上は壊れていない
これらの要素が揃っていると、
「大丈夫だろう」「自分はうまくやれている」と錯覚し、
さらに不倫にのめり込むのです。
■ 子どもの存在は「免罪符」ではない
「家庭を壊したくないから、不倫を続ける」
「子どもに気づかれないように配慮している」
こうした言い訳は、**ただの“責任回避”**にすぎません。
本当に子どもを想うなら、
不倫という裏切り行為に踏み込む前に、
家族と向き合うべきです。
不倫は、たとえ子どもに直接バレていなくても、
家庭の空気を変え、子どもの心に“見えない不安”を残します。
その傷は、思っている以上に深く、長く残るのです。
■ 9. 周囲からの評価と“現実のギャップ”へのいら立ち
不倫をしている夫が、妻に対して信じられないほどの暴言や冷たい態度をとる背景には、「外での自分」と「家の中の現実」とのギャップへのストレスが関係していることがあります。
ここでは、その心理を項目ごとに整理して解説します。
● 外では「理想の自分」を演じている
不倫をする男性の中には、外では非常に評判の良い人物が多くいます。
- 仕事では頼りになる上司
- 地域では良き父、良き夫
- SNSでは家庭的な人物を演出
このような「理想的な外面」を維持することにエネルギーを注いでいるため、
本当の自分の欲望や感情を家庭内に押し込めていることが多いのです。
● 家庭内の現実が「理想」を壊す存在になる
そんな外での評価に対して、家では…
- 妻から小言を言われる
- 子どもが言うことを聞かない
- 生活感にあふれた空間で癒されない
このような**“現実”が、外で築き上げたイメージと噛み合わない**ため、
本人の中でストレスが高まっていきます。
「理想通りにいかない現実」が、徐々に“いら立ち”の対象に変わるのです。
● 妻が「本当の自分」を見ていることへの苛立ち
外では“いい人”を演じている自分に対して、
妻は「本性」を知っている存在です。
- ごまかしが効かない
- 弱さやだらしなさを見抜かれている
- 演じる自分に付き合ってくれない
こうした“無防備な自分を知る人”の存在が、逆に疎ましく感じることもあります。
結果として、**「お前さえいなければ理想の自分でいられるのに」**という怒りが芽生え、
そのはけ口として暴言や冷たい態度が出てしまうのです。
● 他人からの賞賛と、妻の評価のギャップに苦しむ
外で褒められても、家に帰れば妻は冷たい。
自分の努力を認めてくれない。
そんな「評価のギャップ」が、プライドを傷つけます。
- 「なんでお前だけは俺を認めないんだ」
- 「他の人はわかってくれるのに」
- 「家庭にいると、自分の価値がなくなる気がする」
このような感情が、やがて“妻への敵意”にすり替わっていくのです。
● 外面を保つストレスを家庭で解放している
良い夫、良い父、仕事もできる人間。
そうした“キャラ”を維持するには、相当な精神的エネルギーが必要です。
しかし、モラハラ気質や自己愛傾向のある男性は、
そのストレスをうまく処理できず、「最も安全な場所=家庭」で爆発させます。
つまり、家庭が“ストレスのゴミ箱”のように扱われるのです。
■ 10. 「離婚したいけど、自分からは動けない」卑怯な心理
不倫を続ける夫の中には、はっきりと離婚を口に出さないまま、
家庭には冷たく、不倫相手との関係だけを優先し続ける人がいます。
その根底には、「離婚したいけど自分からは動かない」という卑怯な心理があります。
では、なぜ彼らはハッキリと行動を起こさないのでしょうか。
● 自分が「悪者」になるのを避けたい
離婚を自分から切り出せば、周囲から「浮気した人」「家族を捨てた人」という評価が下されます。
そうなれば、会社での信頼や親族からのイメージが損なわれる。
つまり彼らは、「自分の社会的イメージ」を何よりも大切にしているのです。
だからこそ、
- 妻が出ていけばいいのに
- 妻が自分を嫌ってくれればいい
- 妻から「離婚したい」と言わせたい
と、陰でコントロールしながら「悪者になるリスク」だけは避けようとします。
● 金銭的・生活的リスクを負いたくない
離婚をすると、慰謝料や養育費、財産分与など、金銭面で大きな負担がかかります。
さらに、家を出なければならない・一人暮らしになるといった現実的な不便さも。
つまり、自分の快適な生活を手放したくないのです。
- 今の家に住みながら不倫も続けたい
- 経済的に損したくない
- 新しい生活に責任を持つのが面倒
こんな身勝手な理由で、「離婚するほどの勇気」も「責任を取る覚悟」も持てないまま、曖昧な関係を続けるのです。
● 「責任を負う覚悟」より「逃げ道」を選ぶ
離婚を決断するということは、
夫として・父として・家族の一員としての責任と向き合うということです。
しかし、未熟な精神性を持つ人は、
**「責任を取るくらいなら、逃げ道を残しておきたい」**という思考に陥ります。
- 家庭がうまくいかなくなったのは妻のせい
- 不倫相手とは遊びのつもりだった
- 自分は何も決めていないから悪くない
このように、自分の立場をあいまいにし続けることで、「誰にも責められない状態」を保とうとします。
● 「誰かが決めてくれるのを待っている」
自分から離婚に踏み出す勇気はない。
でも、今の家庭も維持したくない。
そんな人が心の奥で望んでいるのは、**「誰かが自分の代わりに決めてくれること」**です。
- 妻が限界を迎えて出て行く
- 不倫相手が「奥さんと別れて」と言ってくる
- 周囲から「離婚したら?」と背中を押される
こうした“外的要因”に頼り、「自分の意志で決断したのではない」と思いたいのです。
すべてを他人のせいにできるように、責任を逃れようとするのが、彼らの卑怯さです。
● 「保険」として家庭をキープしている
不倫相手とうまくいかなくなったときのために、
“家庭”という「逃げ場」「保険」を手元に残しておきたい——
そう考える男性も少なくありません。
- 不倫がダメになったら、家族に戻ればいい
- 子どもに会いたくなったときは、帰れる場所がほしい
- 何があっても“ひとりにはならない”安心感がほしい
このような発想のもと、「離婚したい」と心の中で思っていても、
自分から関係を断ち切る決断ができないのです。
● 結局、誰よりも「自分が傷つきたくない」だけ
こうした夫の心理を一言で言えば、
**「誰よりも自分が傷つくことを恐れている」**ということです。
- 悪者になりたくない
- 傷つけられたくない
- 責任を取るのが怖い
- 一人になるのが嫌だ
それらすべてが混ざり合い、
「離婚したいけど、自分からは動かない」という中途半端で卑怯な状態を選び続けるのです。
■ それでも、不倫被害者である「あなたは悪くない」
このような暴言に晒され続けると、あなた自身が「私が悪いのかも」と感じてしまうことがあります。
でもそれは、相手の自己防衛や歪んだ支配欲のせいであって、あなたの価値が低いわけではありません。
どんな状況であれ、人としての尊厳を傷つけられていい理由など、どこにもありません。
■ まとめ:酷い言葉は「夫の弱さ」の裏返し
不倫をしている夫が放つ冷酷な言葉は、あなたを貶めるための暴力であり、同時に、
自分自身の罪・弱さ・不安から目をそらすための“逃避”でもあるのです。
それを真正面から受け止める必要はありません。
あなたがすべきことは、相手の言葉に振り回されず、自分の心の安全を守ることです。
「言われていい言葉かどうか」ではなく、
「言われて苦しかったなら、それがすべて」です。
どうか、あなたの心を一番に大切にしてください。
必要であれば、信頼できる第三者や支援機関に繋がることも、心を守る大切な選択肢です。