有責配偶者と境界性パーソナリティー障害との関係性について

不倫と境界性パーソナリティー障害との関係性

  • 2024年11月29日
  • 2024年12月03日

不倫を繰り返す行動と境界性パーソナリティ障害(BPD: Borderline Personality Disorder)の間には、一定の関連性が認められることがあります。境界性パーソナリティ障害は、不安定な対人関係、感情のコントロール困難、自己イメージの不安定性、衝動的行動を特徴とする精神疾患であり、不倫のような行動がその症状の一環として現れる場合があります。以下に、因果関係を詳しく説明します。

1. 境界性パーソナリティ障害の特徴

1.1 対人関係の不安定さ

  • 理想化とこき下ろし
    境界性パーソナリティ障害を持つ人は、親密な関係において相手を「理想化する」か「こき下ろす」かの両極端に振れることが多いです。このため、現在の配偶者との関係に不満を抱いた際、極端に相手を否定し、外部の関係(不倫)に理想を求めることがあります。
  • 見捨てられ不安
    境界性パーソナリティ障害の人は、見捨てられることに対する強い恐怖心を抱きます。この不安を埋めるために、不倫相手との関係を通じて「常に誰かとつながっている」状態を維持しようとする場合があります。

1.2 感情の不安定さ

  • 感情のジェットコースター
    境界性パーソナリティ障害の特徴として、感情が短期間で急激に変化することがあります。この感情の揺れが、衝動的な行動(不倫など)につながることがあります。

1.3 自己イメージの不安定さ

  • 自己評価の揺れ
    自分の価値を極端に低く感じる瞬間がある一方で、過剰な自信を抱く場合もあります。この不安定さが、不倫を通じて一時的に自分の価値を確認しようとする行動を引き起こすことがあります。

1.4 衝動的行動

  • リスクのある行動の選択
    境界性パーソナリティ障害の人は、衝動的な行動(浪費、アルコールや薬物乱用、危険な性行動など)に走ることがあります。不倫もこの衝動的な行動の一環として現れる可能性があります。

2. 不倫行動との関連性

2.1 不倫を通じた感情的な充足感

  • 境界性パーソナリティ障害の人は、他者との親密な関係を通じて自分の存在価値を感じることが多いです。配偶者との関係が満たされていないと感じる場合、不倫相手との関係に逃避することで、感情的な充足感を得ようとします。

2.2 新しい関係の刺激を求める

  • 境界性パーソナリティ障害の人は、日常生活の中で空虚感を感じることが多いです。この空虚感を埋めるために、新しい関係の刺激(不倫相手との恋愛感情など)を求める場合があります。

2.3 衝動性による選択

  • 衝動的な行動の一環として、不倫が選択されることがあります。これは瞬間的な感情に基づいて行動する傾向が強いためであり、長期的な結果を深く考慮しないことが原因です。

3. 見捨てられ不安と不倫行動

3.1 不倫相手を通じた不安の緩和

  • 見捨てられる恐怖を抱く人は、同時に複数の人間関係を持つことで、誰かに依存する状態を維持しようとすることがあります。不倫はこのような依存関係の一部として現れる場合があります。

3.2 配偶者との関係の試し行動

  • 不倫は、配偶者に対する「愛情を試す」行動として現れる場合があります。例えば、「自分が不倫をしても配偶者が離れないか」を試すことで、見捨てられないという安心感を得ようとすることがあります。

4. 心理的背景にある要因

4.1 過去のトラウマ

  • 境界性パーソナリティ障害は、幼少期の虐待やネグレクトなどのトラウマ体験と関連することが多いです。これが成人期における不安定な対人関係や、不倫行動を含むリスクの高い行動につながる場合があります。

4.2 依存性と共依存

  • 境界性パーソナリティ障害の人は他者に対する依存傾向が強い場合があります。不倫相手との関係が依存的なものになることもあり、相互に依存し合う「共依存」の関係に陥ることがあります。

5. 不倫行動の悪循環

5.1 感情の不安定さの増大

  • 不倫をすることで、配偶者や周囲との関係がさらに不安定になり、それが本人の感情の揺れを増幅させます。
  • 結果的に、不倫による一時的な満足感を追求する行動が繰り返されることがあります。

5.2 自己評価の低下

  • 不倫による罪悪感や周囲からの非難が、境界性パーソナリティ障害の人の自己評価をさらに低下させ、感情的な混乱を引き起こす可能性があります。

6. 治療とサポートの重要性

6.1 境界性パーソナリティ障害への治療

  • 弁証法的行動療法(DBT)
    境界性パーソナリティ障害の治療に効果的なアプローチであり、感情のコントロールや衝動的行動を抑える方法を学ぶことができます。
  • 心理療法
    認知行動療法(CBT)や個別の心理カウンセリングが、本人の自己理解や行動の改善に役立ちます。

6.2 家族へのサポート

  • 境界性パーソナリティ障害を持つ人の配偶者や家族も、心理的に大きな負担を抱える場合があります。家族向けのサポートやカウンセリングを活用することが推奨されます。

まとめ

境界性パーソナリティ障害を持つ男性が不倫をする場合、その行動は感情の不安定さや見捨てられ不安、衝動性といった障害の特徴によるものであることが多いです。不倫行動自体は問題の結果であり、根本的な原因には心理的なトラウマや未解決の感情的な課題が存在している可能性があります。治療やサポートを通じて、本人と家族が共に健康的な関係を築くことが重要です。

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