慰謝料を請求されても逃げれば済むと思っている不倫相手の心理

”逃げ得”は許さない ― 慰謝料から逃げる不倫相手の身勝手な勘違いと誤算

  • 2025年07月08日
  • 2025年07月10日

裏切られた側は、夜も眠れないほど苦しんで、
生活も心もズタズタになって、それでも前に進もうと必死に立っている。

それなのに、不倫相手は――

「関係は終わったんだから、もういいでしょ」
「慰謝料なんて無視すれば大丈夫でしょ」
…まるで、自分は何の責任もないかのように逃げていく。

慰謝料の請求は、単なるお金の問題じゃなく、
奪われた時間・信頼・尊厳への正当な償いの機会です。

本記事では、「なぜ不倫相手は慰謝料を請求されても“逃げれば済む”と思い込むのか?」
その10の勘違いと心理の裏側を深掘りしていきます。

■ 1. 「自分は被害者」という勘違い

慰謝料を請求されたとき、本来であれば「自分が悪かった」と反省すべき立場の不倫相手が、
なぜか「自分も傷ついた」「騙されたのは私」と、“可哀想な自分”を演じることがあります。

これは単なる自己防衛ではなく、責任逃れと現実逃避が入り混じった巧妙な心理的すり替えです。
ここでは、その“勘違い”の構造と、どこが問題なのかを項目別に解説していきます。

■① 「私は本気だった」という“恋愛被害者”意識

不倫相手がよく口にするのが、
「私は本気で愛していた」「遊びじゃなかった」というセリフです。

この言葉には、一見すると誠実さがにじんでいるようにも見えます。
しかしそれは、“恋愛感情がある=正当な行為”という危険な自己正当化にすぎません。

どれほど真剣だったとしても、相手が既婚者である時点で、その関係は他人の家庭を壊す“不法行為”。
感情の強さは、加害行為の免罪符にはなりません。

「私は愛していた」ではなく、「誰かを傷つけた」という事実と向き合う必要があるのです。

■② 「騙された」は責任免除の理由にならない

不倫相手が自分を正当化するために使う、もう一つの典型的な言い訳が
「最初は既婚者だと知らなかった」「独身だと聞いていた」というもの。

確かに、最初の出会いで相手が既婚者とわからなかった場合、一時的には情状が考慮される余地もあります。

しかし問題は、「知ったあとも関係を続けたかどうか」

裁判の場でも重視されるのは次のような点です。

  • 既婚者と知ったタイミング

  • その後も交際を継続したか

  • 会話・LINE・写真などの証拠が存在するか

「途中で既婚者だと知っていた」と判断されれば、それだけで慰謝料の法的対象となる可能性が高くなります。

「知らなかった」は、関係を続けた言い訳にはならないのです。

■③ 被害者を演じることで“加害者としての罪”を忘れようとする

「自分もつらかった」「裏切られたのは私の方」――
こうした言葉には、無意識のうちに**“自分には責任がない”と思い込みたい心理**が潜んでいます。

これは「責任を負うのが怖い」「攻撃されたくない」という防衛本能でもあります。

しかし、その裏側には次のような“逃げの構造”が存在しています。

  • 裁判になったら困る

  • 家族や職場に知られたくない

  • 慰謝料を払いたくない

だからこそ、「自分も被害者だった」と思い込むことで、“加害者である自分”から逃げているのです。

けれども、どれだけ心の中で自分を正当化しても、行動の責任は消えません。
不倫によって人生を壊された人が現実に存在する限り、“心の中の言い訳”は誰も救ってくれないのです。

■④ 本当の被害者は誰なのか――視点のすり替えに注意

自分を被害者と思い込む不倫相手の思考には、“視点のすり替え”というトリックが潜んでいます。

本来、被害者とは、

  • パートナーに裏切られた配偶者

  • 家庭を壊され、生活が一変した配偶者

  • 心身に深刻なダメージを負った配偶者

であり、「不倫関係の終わり」でやっと日常を取り戻し始めようとしている最中なのです。

そんな中で「私はだまされた」「傷ついたのは私」と語る不倫相手は、
被害者の痛みに無自覚なまま、“自分の感情”ばかりを優先しているにすぎません。

本当の意味で責任を果たすとは、自分が「どう感じたか」ではなく、
相手に「何をしたか」に目を向けることなのです。

■ 被害者ヅラでは、償いは始まらない

不倫相手が「私は傷ついた」「だまされた」といくら口にしても、
その裏にあるのが「責任を取りたくない」という逃げの心理である限り、償いにはつながりません。

“本気だった恋”を盾にするのではなく、
“誰かの人生を壊した行動”に目を向けること――それが、責任を取る第一歩です。

被害者を演じることは、責任から逃げること。
そしてその逃げの先にあるのは、信用の失墜と法的制裁です。

■ 2. 慰謝料=「脅し」程度にしか受け止めていない

不倫相手の中には、慰謝料請求の通知が届いても、まるで「ただのハッタリ」としか思わない人がいます。
請求書を見ても、「どうせ本気じゃないだろう」「これは気持ちの問題で、払わなくても大丈夫」と、深刻に受け止めない傾向があるのです。
その背景には、複数の心理的要因と誤った思い込みが潜んでいます。

■① 「法的な手段なんて取られない」と思い込んでいる

不倫相手が最初に思うのは、「どうせここまででしょ」「訴訟まではしないはず」といった“都合の良い想定”です。

これは、いわゆる正常性バイアスの一種。
自分にとって都合の悪い情報を無視し、「まさか自分には起こらない」と楽観的に考えることで、不安を和らげようとする心理です。

しかし実際には、多くの被害者が弁護士を通じて、調停や訴訟といった正式な法的措置へと進みます。
「本気じゃないでしょ」は、根拠のない幻想でしかありません。

■② 慰謝料を“感情の押しつけ”だと軽視している

請求書を受け取っても、「これは怒りのはけ口に過ぎない」「感情をぶつけたいだけでしょ」と、感情論にすり替えて解釈するケースもあります。

つまり、慰謝料=「ただの怒りの延長」だと見なし、法的責任の重みを正しく理解していないのです。

しかし実際には、慰謝料は民法709条(不法行為)に基づく正当な損害賠償請求であり、
「感情」ではなく「法律」が根拠となっています。

■③ 請求書の“効力”を甘く見ている

弁護士からの内容証明が届いたとしても、
「これってただの通知でしょ?強制力はないんでしょ?」と軽視する人がいます。

確かに、内容証明郵便には直接的な強制力はありません。
ですが、それは訴訟への“警告”としての重大な意味を持つものです。

内容証明の段階で真剣に向き合わなければ、その後、

  • 調停の申し立て

  • 訴訟提起

  • 強制執行(財産差押え)

…という、回避できたはずの事態に追い込まれていくのです。

■④ 「無視していれば収まる」と思ってしまう回避心理

慰謝料請求に限らず、何か問題が起きたとき、
「見なかったことにしよう」「相手もそのうち諦める」と考える人は一定数存在します。

これはいわゆる回避傾向の強い性格特性であり、
面倒なことや自分に都合の悪い現実から逃げようとする心の働きです。

その場しのぎの無視が、後になって「訴状」という形で返ってくることを、彼女らは想像できていないのです。

■⑤ SNSやネット情報で“安心材料”を探してしまう

近年では、「不倫の慰謝料は取れない」「証拠がないと無理」といった極端な話がネット上に溢れています。
こうした情報を、自分にとって都合よく解釈して「なんとかなる」と思い込むのです。

これも一種の確証バイアス。
“都合の悪い事実”を否定し、“安心できる情報”だけを選び取ることで、自分の逃げ場を正当化します。

ですが当然ながら、インターネット上の匿名意見や体験談が、自分のケースにも当てはまるとは限らないのです。

■  逃げれば逃げるほど、代償は大きくなる

「これは脅しだから無視しよう」と軽く考えているうちは、不倫相手は楽かもしれません。
しかし、被害者が本気で動いたとき、そのツケは必ず回ってきます。

  • 調停や訴訟で住所・勤務先の情報が開示される

  • 裁判所命令によって、給与や預金が差し押さえられる

  • 自己破産などで信用情報に影響が出る場合もある

慰謝料請求は、感情ではなく法律の問題です。
「逃げれば済む」と思い込んでいる間に、自分の社会的信用や経済的未来を破壊してしまうことになるのです。

■ 3. 「関係が終わればチャラ」と思っている

不倫相手の多くは、「もう別れたのだから、すべて終わったこと」と考えています。
しかし、関係が終わったことと、与えた損害や傷が消えることはまったく別問題です。

「もう関係を断ったんだから、許されて当然」
「今さら慰謝料を請求されるなんて納得できない」

こうした思考には、**自分本位な“加害者都合の区切り”**が潜んでいます。

■① 「別れた=許された」と勝手に思い込んでいる

不倫相手がよく口にするのが、
「もう会ってないから」「別れたし、もう関係ないでしょ?」という言葉。

ですがこれは、“自分の都合だけで終わらせた”という一方的な線引きにすぎません。

別れたからといって、

  • 被害者の心の傷が癒えたわけではありません

  • 壊れた家庭が元通りになったわけでもありません

  • 精神的苦痛がなかったことになるわけでもありません

「終わったから責任も終わり」ではなく、むしろ終わったその後に、本当の責任が始まるのです。

■② 「過去のことだから」と責任を“風化”させようとする

不倫相手は、関係の終了を“時効”のように扱うことがあります。
「もう何ヶ月も前の話じゃん」「今さら責任を取れって言われても…」と、
あたかも**“昔のことだから水に流してほしい”**という態度をとるのです。

しかし、傷つけられた側にとっては、それは“今もなお続いている苦しみ”。
不倫によって失った信頼や尊厳は、加害者が思うほど簡単に回復するものではありません。

時が経てば帳消しになるのではなく、むしろ放置したぶん怒りや失望が蓄積されていくのです。

■③ 自分が「けじめをつけた」と思い込んでいる

中には、「きっぱり別れた」「誤解が解けるように説明した」
「自分なりに反省したから、もう十分」などと、
自分の中で完結した“けじめ”を盾にする人もいます。

ですが、慰謝料の請求や謝罪の受け入れを決めるのは被害者側の権利です。
加害者が「もう終わった」「もう十分やった」と勝手に判断するのは、
傷ついた相手を無視して、自分の感情だけを優先しているという証拠です。

「自分なりにやった」というのは、責任を果たしたことにはなりません。

■④ 精神的損害の「清算」を軽く考えている

不倫相手が“チャラ”だと思い込む背景には、
「別れたから、もう迷惑をかけていない」という表面的な解釈があります。

しかし、不倫による損害とは、

  • 配偶者としての尊厳を踏みにじられたこと

  • 家庭の安定や信頼関係を壊されたこと

  • 被害者が受けた怒り・悲しみ・自己否定感

こうした深い精神的損害に対して、法は「金銭的補償=慰謝料」を認めているのです。

関係が終わったからといって、
「その後の人生を壊した責任」が消えるわけではありません。

■⑤ 関係の終わりを「逃げの口実」に使っている

「もう終わったことだから放っておいて」
「関係も解消したのに、なんでまだ言われなきゃいけないの」

このような言い分の裏には、**責任を取らないまま終わらせたいという“逃げの姿勢”**が隠れています。

本当に誠意があるなら、関係が終わってからが本当の償いの始まりのはず。
それをせずに、「終わったんだから放っておいて」と言うのは、
“終わったことにしたいだけ”の逃避にすぎません。

「終わったからチャラ」は、“逃げた証拠”なのです。

■ 終わった関係にも、終わらせ方の責任がある

不倫関係が終わったのは、確かに一歩かもしれません。
しかしそれは、加害者にとっての“終わり”であり、被害者にとっての“始まり”なのです。

被害者がやっと現実を受け止め始めたそのとき、
不倫相手が「もう済んだこと」と思って逃げていれば、傷はさらに深くなります。

「終わらせた」ではなく、「どう終わらせたか」こそが問われているのです。

■ 4. SNSやネットの知識で“なんとなく”安心している

不倫相手の中には、慰謝料請求の通知が届いても、焦るどころか妙な“安心感”を抱いている人がいます。
「どうせ本気じゃないでしょ」「ネットで調べたら大丈夫って書いてあったし」――
それは、SNSやネット上の“都合のいい情報”にすがった、根拠のない自信と楽観バイアスのなせる業です。

その裏には、「信じたい情報だけを信じる」確証バイアスと、「最悪の事態を想像したくない」心理的逃避が潜んでいます。

■① ネットの体験談を“絶対的な事実”だと思い込んでいる

「X(Twitter)で見た」「知恵袋に書いてあった」など、ネット上には様々な“不倫体験談”があふれています。
中には、「慰謝料なんて払わなかった」「請求されたけど無視したら何も起きなかった」といった話もあります。

しかし、それらの情報の多くは、

  • 状況がまったく違う

  • 書き手の主観や感情で歪められている

  • 結末やその後が書かれていない

など、参考にはなっても、真実とは限らないのです。

「他人が大丈夫だったから自分も大丈夫」と思い込むのは、非常に危険な錯覚です。

■② 自分にとって都合の良い情報だけを集めてしまう「確証バイアス」

人は不安になったときほど、「安心できる情報」ばかりを探す傾向があります。
たとえば、「不倫 慰謝料 払わない 大丈夫」と検索し、出てきた“自分を正当化できる情報”だけを拾い集めるのです。

これは心理学でいう**確証バイアス(confirmation bias)**と呼ばれるもので、
「自分の信じたいことを裏付ける情報しか信じなくなる」という、認知のゆがみです。

結果的に、事実とはかけ離れた楽観的な判断をしてしまい、
本来とるべき法的対応を怠るという重大な判断ミスにつながります。

■③ 「ネットで見たから大丈夫」と、専門家の意見を軽視する

SNSや掲示板で“似たようなケース”を見かけて、
「弁護士に相談しなくても自分で何とかなる」
「慰謝料なんて裁判にならないと取れないらしいよ」

と、プロの知識や法的なリスクを軽んじる人も少なくありません。

ですが、現実には、

  • 弁護士から内容証明が送られている

  • 請求額に証拠が添えられている

  • 裁判所が受理できるだけの根拠がある

こういった場合、素人判断での“楽観視”は完全に命取りになります。

「ネットの誰か」の意見よりも、「法的な当事者」の意志の方が、はるかに重いのです。

■④ 「情報が多すぎて判断できない」から思考停止する

ネット情報の海に飛び込んで、あまりに多くの情報を見た結果、
「よく分からない」「もう考えたくない」となって、思考停止状態に陥るケースもあります。

そしてそのまま、「まぁ、どうにかなるだろう」と何の対応もせず放置してしまう。

これは、“情報過多”による典型的な回避行動であり、
現実逃避の延長線上にある無責任な態度です。

ですが当然ながら、「知らなかった」「調べたけど分からなかった」は責任回避の理由にはなりません。

■⑤ “安心材料”を探す行為そのものが「罪悪感の裏返し」でもある

慰謝料請求を軽く受け止めるために、ネットで「大丈夫そうな情報」を探し回る行動は、
実は「心のどこかでまずいと分かっている」ことの裏返しです。

本当に責任がないと信じているなら、わざわざ「不倫 慰謝料 回避」などと検索する必要はないのです。

つまり、ネットでの情報収集にすがっているのは、
“正面から向き合う覚悟がない”という現実を隠すための作業にすぎません。

■ 「ネットの声」はあなたを守ってくれない

匿名の書き込みや誰かの体験談は、いざというときに何の法的効力も持ちません。
「ネットで読んだ」では、裁判所は納得しませんし、責任から逃れることもできません。

一方、慰謝料を請求する側は、

  • 証拠を集めている

  • 弁護士と相談して動いている

  • 法的な準備を着々と進めている

“現実を動かすのは、ネットの言葉ではなく、現実の行動”なのです。
根拠のない安心感にすがっているうちに、本当に取り返しのつかない状況へと追い込まれていく――
それが、不倫相手が抱える“見えない落とし穴”なのです。

■ 5. 「バレなきゃいい」という思考の延長線上

不倫相手の中には、発覚するまでは「バレなければ大丈夫」と軽く考えている人が少なくありません。
そして不倫がバレた後も、
「もうバレちゃったんだから開き直るしかない」
「とりあえず逃げれば、どうにかなる」
と、“責任逃れのための延長戦”を始めてしまうケースがあります。

この思考は、道徳や倫理の問題ではなく、**深層にある「現実から逃げたい心理」**が強く関係しています。

■① 「見つからなければ無罪」という幼稚な思考の名残

そもそも不倫関係を続けるうえで多くの人が持つ前提が、
「バレなければ大丈夫」「証拠なんて残さなければいいでしょ」というものです。

これは子どもの頃の「怒られるのがイヤだから隠す」という行動と同じで、
罪の重さではなく、発覚のリスクでしか行動を判断できない未成熟な思考です。

このような人にとっては、
「悪いことをした」よりも「バレたことが問題」になっているため、
発覚後も「じゃあ、どう逃げるか?」という方向に意識が向いてしまいます。

■② 不倫の間に染みついた「自己都合の思考回路」

不倫関係そのものが、「相手がいるのに自分の欲望を優先する」という、自己中心的な世界観で成り立っています。
この関係性に慣れてしまうと、次第に、

  • 「自分だけは大丈夫」

  • 「相手は許してくれる」

  • 「自分の人生は壊されたくない」

という“自分目線だけ”で物事を判断する癖がついてしまいます。
慰謝料請求を受けたときも、「これは回避すべきトラブル」としか捉えられず、
被害者の感情や傷を「障害物」としてしか見なくなるのです。

これは、長期間の不倫によって形成される、倫理感のマヒとも言える状態です。

■③ バレても「まだ逃げられる」と信じている現実逃避

慰謝料請求や内容証明郵便が届いても、
「まだ裁判じゃないし」「住所変えれば大丈夫」「黙ってれば忘れられる」
といった“楽観的すぎる逃避思考”に陥る人は少なくありません。

これは、不倫がバレたときに生じる強烈なストレスから逃れるために、
脳が働かせる**防衛機制のひとつ(否認・回避)**です。

しかし当然ながら、現実は甘くありません。
訴訟へ移行すれば、居場所を突き止められることも、強制執行されることも十分あり得ます。

「逃げ続ければ終わる」というのは幻想であり、むしろ追い詰められていく一方なのです。

■④ 責任感の欠如と「感情のない謝罪」の根本原因

この「バレなきゃいい」「逃げればいい」という思考が染みついた人は、
謝罪をしたとしても、「とりあえず形だけ」「この場をやり過ごしたい」といった
心のこもっていないアリバイ的な謝罪を選びがちです。

なぜなら、謝罪の本質を「謝ることで責任を取る」ではなく、
「謝れば逃げられる手段」だと認識しているからです。

このような謝罪では、当然ながら被害者の心には何一つ届きません。
むしろ、「逃げる気満々なのに、形だけ謝ってる」と見透かされ、さらなる怒りを招く結果となります。

■⑤ 「逃げ切った成功例」への幻想が判断を狂わせる

不倫相手の中には、「友達は逃げ切った」「知り合いは払ってなかった」といった
“誰かの逃げ得エピソード”を信じて自分も同じようにできると思い込む人もいます。

しかし、現実には、

  • 裁判沙汰になって職場にバレた

  • 財産を差し押さえられた

  • 家族や交友関係にまで影響が及んだ

というケースが多数存在します。
成功例ばかりに目を向け、失敗例や制裁の現実を無視するのは、極めて危険な偏りで

“逃げ切れる確率”ではなく、“責任を負う覚悟”が問われていることに気づくべきなのです。

■ 「逃げれば済む」は、“責任感の放棄”であり、“信用の自殺”である

「バレなければ大丈夫」「逃げれば終わる」と思っていた人にとって、
慰謝料請求は、自分の思考の甘さと無責任さを突きつけられる瞬間でもあります。

ここで責任を取らなければ、失うのは金銭だけではありません。

  • 社会的信用

  • 人間関係

  • 今後の人生における選択肢

逃げることは一時的な楽かもしれません。
しかし、その代償は“じわじわと人生を侵食する形”で確実に返ってくるのです。

■ 6. 「相手が訴えてこない」と過信している

不倫相手がよく口にする言葉のひとつが、
「まさか本当に訴えるわけないでしょ」
「脅し文句みたいなものでしょ?本気じゃないよね」

こうした思考は、被害者の感情や覚悟を甘く見ていることに他なりません。
その油断が、現実を見誤らせ、最終的に法的責任のど真ん中に引きずり出される原因となるのです。

■① 表面上の態度だけを見て“本気じゃない”と判断してしまう

不倫相手はしばしば、被害者(配偶者)の態度を表面的に観察し、
「冷静に見える」「取り乱してない」「大騒ぎしてない」=「本気じゃない」
という誤った推測をしてしまいます。

しかし本当に心を傷つけられた人ほど、

  • 怒りを内にためこむ

  • 感情的にならず、冷静に証拠を集める

  • 感情ではなく“法”で戦おうとする

という冷静な行動をとる傾向にあります。

つまり、「落ち着いて見えるから大丈夫」と油断したときこそ、
すでに法的対応への準備は進行している可能性が高いのです。

■② 「こんなことで裁判なんて、面倒なはず」と甘く見ている

不倫相手が持つ典型的な誤解に、
「裁判なんて手間と時間がかかる。そんな大事にはしないはず」
という考えがあります。

しかし現代では、不倫問題に精通した弁護士が迅速かつ効率的に対応しており、
被害者がひとりで戦う時代ではなくなっています。

つまり、「裁判=大ごとで大変」というのは、もはや時代遅れの認識です。
手間がかかるから訴えてこないだろうという読みは、完全に甘いと言えるでしょう。

■③ 「謝れば済む」と思っている人ほど危ない

「相手が本気になる前に一言謝っておけば済むだろう」
「誠意は見せたし、これで気持ちも落ち着くだろう」

といった、“口先だけの謝罪”で火消しを図ろうとする人もいます。

ですが、既に心を深く傷つけられた側にとって、
そのような浅い謝罪は火に油を注ぐような逆効果になることもあります。

本当に怒っている人は、「謝ってほしい」のではなく、
「傷つけた責任を取ってほしい」と願っているのです。

被害者の本気度を見誤り、「もう大丈夫だろう」と勝手に判断するのは、極めて危険です。

■④ 「この人は訴えない人だ」と思い込む心理の裏には“自己保身”がある

なぜ不倫相手は、被害者を過小評価してしまうのか。
その根底には、「そうであってほしい」という願望混じりの認知が存在します。

つまり、

  • 自分に責任が降りかからないでほしい

  • 金銭的負担を負いたくない

  • 社会的立場を失いたくない

という強い防衛本能が、「相手は訴えないはずだ」という思い込みを作り出しているのです。

これは、「信じたいことしか信じない」という心理的回避行動であり、
決して“事実”や“冷静な判断”ではありません。

■ 「訴えないだろう」は願望であって、保証ではない

加害者がいくら「訴えてこないはず」と思っていても、
被害者が「許せない」「絶対に責任を取らせたい」と決意した瞬間、
その想定は簡単に崩壊します。

そして一度、法的手続きが始まれば、

・内容証明の送付
・慰謝料請求訴訟
・財産の差押えや給与の開示命令

といった、現実的な制裁が淡々と進んでいくのです。

「訴えてこないだろう」と信じて何も対処しないことこそが、
自分自身を窮地に追い込む最大のリスクなのだと認識すべきです。

■ 7. 金銭的な制裁より「感情のケリ」が主だと思い込んでいる

不倫相手の中には、慰謝料請求が届いても、それを「感情的な怒りのはけ口」程度にしか受け止めない人がいます。

「謝れば済むんじゃないの?」
「もう会わないって言ったし、そこまで怒ること?」
「お金を払うほどのことじゃないでしょ?」

――これらはすべて、「慰謝料=感情の問題」だと誤解しているから出てくる言葉です。

しかし、慰謝料とは“怒り”の象徴ではなく、損害に対する法的な賠償責任です。
この事実を軽んじたとき、加害者は“法の重み”をもろに受けることになります。

■① 「謝ったんだから気は済んだでしょ?」という浅い理解

不倫相手の多くは、「誠意を込めて謝った」「もう連絡もしない」といった“行動”をもって責任を果たしたつもりになっています。

そしてその上で、「もう気持ちの問題は終わったでしょ?」と、
“感情のケリがついた=責任は果たした”と誤解しているのです。

しかし、被害者側にとっては、

  • 壊された家庭

  • 子どもへの影響

  • 失った信頼や精神的安定

これらは一言の謝罪や関係終了では回復できない“実害”です。
被害者が求めているのは、「気が済む」ことではなく、「償ってもらうこと」
その手段として法的な慰謝料請求があるのです。

■② 「金銭を請求するなんて、逆に酷くない?」というすり替え思考

不倫相手の中には、慰謝料の請求を受けた途端、
「こっちはもう別れたし、反省してるのに、金を取るなんてひどくない?」
と、被害者を“加害者”のように扱う逆転現象を起こす人もいます。

これは典型的な自己正当化+責任逃れの思考であり、
自分の罪に向き合いたくないがために、「お金を取るなんてやりすぎだ」と相手を責めることでバランスを取ろうとしています。

しかし、慰謝料はあくまで損害賠償のひとつであり、個人的な“仕返し”ではありません。
加害者が「感情の清算」だと決めつけるのは、法的にも道義的にも筋違いです。

■③ 「心の問題を金で解決しようとするなんて」と言う人ほど責任から逃げたいだけ

「慰謝料って、結局はお金で解決しようとしてるってことでしょ?」
「愛情とか信頼って、お金で測れないよね?」

――このようなセリフを吐く人もいますが、これは問題のすり替えでしかありません。

たしかに、心の痛みはお金では完全に癒せません。
しかし、それを言い訳にして**「だから払わなくていい」という結論に飛ぶのは無責任**です。

法律上、精神的苦痛に対する賠償として認められているのが慰謝料であり、
それは「心をお金で買う」のではなく、損害を目に見える形で償うための手段です。

感情論を振りかざして責任から逃げようとする姿勢は、被害者の痛みに対して二重の侮辱となります。

■ 「これは感情の問題だ」と思った瞬間、責任から目を背けている

慰謝料は、被害者が抱える“痛み”を「感情」ではなく「損害」として認識し、
社会的・法的に“償い”を求めるための正当な権利です。

加害者が「感情のケリだ」「謝罪で済むはず」と思い込んだ瞬間、
それは、被害者の苦しみを“感情処理”に貶め、責任の本質から逃げている証拠です。

真の誠意とは、「どう償えば責任を果たせるか」を考え、行動に移すこと。
「怒りをなだめる」ことではなく、「損害を償う」ことが、加害者として取るべき姿勢なのです。

■ 8. 「無視していれば忘れられる」という逃避癖

不倫相手の中には、慰謝料請求や連絡を受けても、
「とりあえず放っておこう」「そのうち相手も諦めるでしょ」と、
“何もしない”という選択を取る人がいます。

それは、無責任でも冷酷でもなく、“逃げるしかできない人”がよく陥る心理的パターンです。
彼らは「無視することで問題が消える」と信じ込んでいますが、現実はまったく逆であり、
放置すればするほど、問題は大きく・深く・法的に進行していくのです。

■① 「向き合うのが怖い」からとにかく“見なかったことにする”

慰謝料請求や弁護士からの書面が届いたとき、
それを開封せずに放置したり、読んでも「どうしていいかわからない」と戸惑ったりする人がいます。

これは、典型的な回避傾向の強い性格特性です。

  • 問題が大きすぎて処理できない

  • 自分が責められる状況が耐えられない

  • 過去の失敗と直面するのが苦しい

こうした感情が強くなると、人は「現実そのものから目を逸らす」ことで心の平穏を保とうとします。
しかし、目を逸らした瞬間から、問題は“心の外”ではなく“背後”で静かに進行し始めるのです。

■② 「時間が経てば忘れられる」という甘い幻想

「しばらくすれば落ち着くだろう」
「相手も忙しいだろうし、きっとそのうち忘れる」

――こうした考え方は、一見冷静なようでいて、実は何の根拠もない“願望ベース”の判断です。

現実には、被害者側は、

  • 怒りを鎮めて冷静に戦う準備をしている

  • 弁護士と相談し、法的手続きを進めている

  • 粛々と調停や訴訟の手続きを整えている

という、“静かな本気”の中にいるかもしれません。

逃げた時間が長くなればなるほど、責任の重みも、求められる慰謝料の額も膨らむ可能性があります。

■③ 「無視=拒否権」ではないという重大な勘違い

不倫相手の中には、「連絡を無視していれば、応じる義務はない」と考えている人がいます。
しかし、法的な場面において“無視は黙認”や“不利益な結果を受け入れた”とみなされることもあります。

たとえ、

  • 内容証明郵便を無視 → 「意思表示を受け取っている」とみなされる

  • 調停への呼び出しを無視 → 相手側の主張が一方的に通る可能性がある

  • 裁判を無視 → 欠席裁判で敗訴確定、財産差押えに進む可能性あり

つまり、無視は拒否ではなく、“相手の要求を事実上認めたことになる”というケースもあるのです。

■ 問題は“忘れられる”のではなく、“積み上がっていく”

「無視すれば、そのうち風化する」
――この考え方は、被害者を“感情の生き物”としか見ていない証拠です。

しかし、被害者が感じているのは一時の怒りではなく、

  • 人格を否定された悔しさ

  • 信頼を壊された痛み

  • 未来を奪われた苦しみ

という、“深く現実的な損害”です。

そしてその損害に対する責任は、無視しても、逃げても、決して消えることはありません。

むしろ、何もしないことこそが、
**「この人は反省も誠意もない」=「強く責任を問うべき対象」**とされる最大の理由になります。

■ 9. 自分は法的に責任を問われないと思い込んでいる

不倫相手の中には、慰謝料請求が届いても、どこか他人事のように構えている人がいます。
「悪いのは家庭を壊した既婚者の方」
「私は結婚していないし、直接関係ない」
――そう思い込むのは、“当事者ではないから責任もない”という都合の良い誤認識に基づくものです。

しかし、法的には不倫関係において“既婚者であると知っていた上で交際した側”にも明確な責任が問われます。
無知や無関心、責任のすり替えでは、法的義務からは逃れられません。

■① 「配偶者じゃないから関係ない」と勘違いしている

よくある誤解が、
「結婚してない自分には夫婦関係に対する責任はない」というもの。

たしかに、不倫相手は法律上の婚姻関係にある当事者ではありません。
しかし民法上、不倫(不貞行為)は“共同不法行為”として、既婚者と不倫相手の両方に責任が生じます。

▶ 民法709条:不法行為に基づく損害賠償
▶ 民法719条:共同不法行為者の連帯責任

つまり、「結婚していないから無関係」ではなく、「共犯」だということ。
“知らなかったふり”をしても、それが通用しないことは、すでに多数の判例で明らかになっています。

■② 「悪いのは家庭を裏切った側でしょ?」という責任転嫁

不倫相手の中には、
「裏切ったのは既婚者の方」「自分は巻き込まれただけ」といった被害者意識を持っているケースもあります。

たしかに、嘘をつかれて始まった関係であれば、一時的な同情の余地はあるかもしれません。
しかし裁判では次の点が厳しく見られます。

  • いつ既婚者だと知ったか

  • 知った後も関係を続けたか

  • その交際が配偶者に損害を与えたか

これらが立証されれば、不倫相手にも法的な慰謝料支払い義務が発生するのは確実です。
「騙された」は免責理由にはなりません。
途中で気づいた時点で引くことができたにも関わらず、続けたのであれば“責任”は免れないのです。

■③ 「恋愛感情に罪はない」というロマンチックな錯覚

「好きになったのは仕方ない」
「恋愛は自由でしょ?」

こうした“恋愛無罪”のような感覚に浸っている人もいますが、法の世界では結果に対して責任を問うのが基本です。

不倫は、夫婦関係という法律で守られた関係を破壊する行為であり、
それに意図的・継続的に加担していれば法的責任を負うのは当然のことです。

恋愛感情の強さや経緯は、違法行為に対する免罪符にはなりません。

■④ 「自分の名前は知られていないから平気」と思っている人へ

「どうせ私のことは知られていない」
「本名も住所も伝えてないし」

――こう思って安心している不倫相手もいますが、被害者側が弁護士を立てた場合、

身元特定をすることは可能です。

 

「バレてないから大丈夫」というのは、一時的な幻想であり、訴えられるタイミングで一気に崩れ去るのです。

■⑤ 「お金を持ってないから請求されても関係ない」と思っている人へ

「そもそも払えるお金なんてないし」
「無職だし、財産もないし」

という理由で、慰謝料請求を軽く見ている人もいます。
しかし慰謝料請求は、“払える・払えない”ではなく、「責任の有無」によって発生するものです。

仮に一括で支払えなければ、

  • 分割払い

  • 将来の収入に対する差押え

など、長期にわたり社会的・経済的な制裁を受ける可能性があります。

払えるかどうかは「情状」であり、責任があるかどうかとは別問題なのです。

■ 自分に関係ないと思った瞬間から、責任感は死んでいる

「私は関係ない」「悪いのはあの人」「訴えられるなんて思ってなかった」
――こうした言葉はすべて、**責任から目を背けた人間の“自己防衛”**にすぎません。

しかし、被害者から見れば、

  • 二人で関係を続けた

  • 二人で家庭を壊した

  • 二人で配偶者の尊厳を踏みにじった

という、「二人で加害者だった」という事実があるだけです。

その事実の前に、「私は関係ない」と主張しても、責任からは決して逃れられないのです。

■ まとめ:不倫加害者は責任から逃げられない

不倫相手が「逃げれば済む」と思い込んでいるのは、
自己正当化、情報の誤認、そしてなにより**“責任を取りたくない”という本能的な防衛反応**です。

しかし、現実は甘くありません。
慰謝料請求は法に基づいた正当な権利であり、逃げれば逃げるほど、自分を追い込むことになります。

「逃げる」という選択の先にあるのは、“自由”ではなく“信用の喪失”と“法的な制裁”です。
逃げる前に、立ち止まり、自分の行動に向き合う勇気を持つべきではないでしょうか。

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