離婚協議書の書き方について

離婚協議書の書き方

  • 2024年10月09日
  • 2024年10月10日

離婚協議書とは、夫婦が話し合いによって離婚に合意し、その際に取り決めた内容を文書化したものです。この書類は、離婚後のトラブルや争いを防ぐために非常に重要な役割を果たします。

離婚協議書に書く内容

1. 離婚協議書の基本的な書式・レイアウト

離婚協議書は、離婚時に夫婦間で決定した合意事項を文書で確認し、後日のトラブルを防ぐために作成されます。通常は以下のような構成になります。

タイトル

  • 「離婚協議書」または「離婚合意書」と明記する。

当事者の情報

  • 夫の氏名、住所、押印
  • 妻の氏名、住所、押印

離婚の合意

  • 夫と妻が合意して離婚する旨を記載します。以下のような文言が一般的です。
    例:夫〇〇(氏名)と妻〇〇(氏名)は、合意のもと、離婚することを確認した。

親権

  • 子供がいる場合、どちらが親権を取得するか明確に記載します。
    例:子供〇〇(氏名、生年月日)の親権は妻(または夫)が取得する。

養育費

  • 親権者でない方が支払う養育費の額や支払期限、支払方法などを記載します。例えば、月額いくらをいつまでに支払うかなどの詳細を書きます。
    例:夫は妻に対し、子供〇〇の養育費として、毎月〇〇円を妻の指定する銀行口座に、毎月〇日までに振り込むこととする。

面会交流(面会権)

  • 離婚後、親権を持たない親が子供とどのように面会するかについての取り決めも記載します。
    例:面会交流は、毎月第〇〇土曜日に実施し、〇〇場所で〇〇時間面会を行う。

財産分与

  • 離婚時の財産分与について記載します。具体的には、住宅や車などの不動産、貯金、保険などをどのように分けるかを書きます。
    例:夫名義の不動産(住所)を妻に譲渡する。 夫名義の預金〇〇円を、離婚成立後に妻へ〇〇銀行の口座に振り込む。

慰謝料

  • 慰謝料が発生する場合、その金額や支払方法を記載します。
    例:夫は妻に対し、慰謝料として〇〇円を一括(または分割)で支払う。

年金分割

  • 離婚後の年金分割に関する事項を記載します。どちらが何%分割するかを記載します。
    例:年金分割については、夫の年金を50%分割し、妻がその請求手続きを行う。

清算条項

  • 清算条項は、財産や金銭的な問題を含め、その他の権利義務を全て解消するという条項です。この項目を盛り込むことで、後から財産分与や慰謝料の請求をされるリスクを減らします。
    例:本協議書に記載された事項以外の財産分与、養育費、慰謝料など、双方は一切の請求をしないものとする。

成立日・署名押印

  • 協議書を作成した日付、双方の署名と押印を記載します。
    例:令和〇年〇月〇日 夫〇〇 印 妻〇〇 印

2. 離婚協議書に必ず盛り込むべき内容

  • 親権の決定:子供がいる場合、親権者の明確な決定が必要
  • 養育費:金額や支払い方法、期間を明確にする
  • 面会交流:面会の頻度、方法を具体的に定める
  • 財産分与:財産の分け方について具体的に記載
  • 慰謝料:慰謝料が発生する場合、金額や支払い方法を明記
  • 年金分割:年金の分割方法や割合を定める
  • 清算条項:お互いの権利義務を全て解消する旨を明記

3. 公正証書の必要性と法的効果

公正証書とは?

公正証書は、公証人が作成する法的に強制力を持つ文書です。離婚協議書を公正証書にしておくと、後に支払義務が履行されなかった場合、裁判を経ずに強制執行ができるという大きなメリットがあります。

公正証書にしない場合

公正証書にしなくても、離婚協議書自体には法的な効力があります。ただし、公正証書にしない場合、万が一支払いが滞った際に強制執行ができません。そのため、支払義務が履行されない場合は、再び裁判を起こす必要があります。

公正証書にするメリット

  • 強制執行力

公正証書に「強制執行認諾文言」を含めれば、支払いが履行されなかった場合、裁判を経ずに相手の財産を差し押さえることができます。これにより、特に養育費や慰謝料の未払いに対して迅速に対処できます。

  • 証拠としての信頼性

公正証書は、公証人が介入して作成されるため、文書の信頼性が高く、後々のトラブルを未然に防ぐ効果があります。

公正証書の作成方法

  • 公証役場に出向く:夫婦双方が公証役場に出向き、協議書を公正証書にします。
  • 必要書類:協議内容を示すメモ、当事者の身分証明書(運転免許証など)、離婚届など。
  • 費用:公正証書作成の費用は数万円程度で、協議内容の金額や内容によって異なります。

まとめ

離婚協議書は、離婚に際して夫婦が合意した事項を明確に文書化したものであり、親権や養育費、財産分与、慰謝料などを具体的に記載します。清算条項を盛り込むことで、後日トラブルを防ぎます。また、公正証書にすることで、強制執行力が付与され、支払いが履行されなかった場合の対処がスムーズになりますが、公正証書にしない場合でも協議書自体に法的な効力はあります。ただし、後のトラブルを避けるため、特に支払いに関する条項は公正証書にしておくことが推奨されます。

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