婚外恋愛女性は不倫がバレたら、なぜ不倫相手の配偶者に責任転嫁するのか
- 2024年09月28日
- 2024年09月30日
不倫相手の女性が、不倫が発覚した際に相手の配偶者側にも責任があると責任転嫁するのは、心理学や精神学、倫理観の視点からいくつかの理由が考えられます。
こうした行動は、自分の行為に対する罪悪感や矛盾する感情を和らげるための心理的なメカニズムや、倫理観の歪みから生まれることが多いようです。
1. 認知的不協和理論による矛盾の解消
レオン・フェスティンガーの認知的不協和理論は、人間が自己の行動と信念の間に矛盾を感じたとき、その不協和を解消しようとする傾向があることを示しています。
つまり、不倫をしている女性が自分の行動に対して「悪いことをしている」と認識すると、その認識と自分の行動の間に心理的な不快感が生じます。
責任転嫁による不協和の解消: 不倫相手の女性は、自分が既婚者と不適切な関係にあることを自覚している場合でも、その行為に対する罪悪感や批判を減らそうとします。そのため、「自分だけが悪いわけではない」という考え方をすることで、罪悪感を軽減しようとします。
このとき、不倫相手の配偶者に責任があると主張することで、自分の行動を正当化し、内的な矛盾を解消しようとするのです。たとえば、「配偶者が魅力的でなかったから不倫が起きた」「配偶者が相手を満たしていないから、私が必要だった」という主張がこのような責任転嫁にあたります。
2. 投影防衛機制による責任回避
精神分析の防衛機制の一つに投影があります。投影とは、自分が認めたくない感情や考えを他者に押し付ける(投影する)ことで、自分の精神的な安定を保とうとする防衛機制です。
罪悪感の投影: 不倫相手の女性が不倫に対して罪悪感や不安を感じている場合、その感情を相手の配偶者に投影することがあります。自分の行動に対する批判を受け入れるのではなく、「不倫の原因は配偶者のせいだ」と考えることで、自分自身の行動に対する責任を回避しようとします。
こうした投影は、自分の過ちを認める代わりに、他者を非難することで自己防衛を図る一種の心理的なメカニズムです。
3. 被害者意識による自己正当化
不倫相手の女性が、自分自身を「被害者」として捉え、責任を転嫁することもあります。これは、自己正当化の一つであり、倫理観や道徳観の歪みから生じます。
自己正当化のための被害者意識: 不倫相手の女性が自分の行為に罪悪感を感じつつも、それを認めたくない場合、自己正当化を図るために「自分はむしろ被害者だ」という考え方を持つことがあります。
たとえば、「相手が家庭で満たされていなかったのだから、不倫はむしろ助けてあげた」といった思考です。このように、自分を被害者と位置づけることで、行為そのものに対する倫理的な責任を回避し、他者に責任を転嫁することが可能になります。
4. 倫理観の歪みや道徳的相対主義
不倫相手の女性が倫理的に自分の行動を正当化するために、道徳的な基準が相対的であると考えることがあります。これは、いわゆる道徳的相対主義と呼ばれるもので、「状況によっては不倫も正当化される」という信念に基づくものです。
道徳の相対化: 不倫をしている人が、「状況が違えば、この行動は正当だ」という認識を持つ場合、道徳的な責任を他者に転嫁することがしやすくなります。たとえば、「配偶者が相手を満足させなかったから、不倫は避けられなかった」「相手が私を選んだのだから、配偶者のせいだ」といった言い訳です。
これは、道徳や倫理に対して一貫した基準を持たず、自分に都合の良い基準を用いて自己を正当化する典型的な例です。
5. 共感力の欠如と他者視点の欠落
心理学的には、共感力が低い人は他者の感情や立場を理解することが難しく、自己中心的な考え方を持つことが多いです。
不倫相手の女性が、自分の行為に対して配偶者の視点を考慮せずに行動する場合、共感力の欠如が影響していることがあります。
共感力の低さと自己中心的思考: 不倫相手の女性が、自分が行った行為によって配偶者がどれほど傷つくかに対してあまり共感しない場合、自分の行動に対する責任を感じにくくなります。
これにより、相手の配偶者に対する理解が欠け、自分の行動が悪くないという認識に至ることがあります。結果的に、「配偶者が問題を引き起こしたから、不倫が起きた」という論理を展開し、責任転嫁を行います。
6. ナルシシズム(自己愛)の影響
ナルシシズム、つまり過剰な自己愛を持つ人は、自分の価値や欲望を優先し、他者の感情や道徳的規範を軽視する傾向があります。
ナルシシズムが強い場合、自己中心的な行動を正当化しやすく、他者への責任転嫁が顕著に現れることがあります。
自己愛と責任転嫁: ナルシシスティックな傾向を持つ人は、自分の行動が正当であると確信し、他者が悪いと非難することで自己価値を守ろうとします。
たとえば、「私は魅力的で、相手は私を選んだ。それは私が正しい選択をされたからだ」という自己中心的な論理が働きます。この考え方によって、配偶者側に責任を押し付け、不倫が発覚した際に自分を擁護する理由として使います。
7. 防衛機制としての合理化
フロイトの防衛機制の一つに合理化があります。合理化とは、感情的に受け入れがたい行動を、自分にとって納得のいく理由や理屈で正当化しようとする心理的メカニズムです。
不倫行為の合理化: 不倫相手の女性が自分の行動を倫理的に認めたくない場合、配偶者に責任を転嫁することで自分の行為を合理化します。
「配偶者が問題を引き起こした」「夫婦間の愛が冷めていた」などと主張することで、不倫という行為が「やむを得ない結果」であるかのように説明し、自分の行動を納得させようとします。これによって、自己批判や罪悪感から逃れようとします。
まとめ
不倫相手の女性が、不倫が発覚した際に配偶者側に責任転嫁をする理由は、主に心理的な防衛機制や倫理観の歪みによるものです。
認知的不協和の解消、投影防衛、自己正当化、共感力の欠如、ナルシシズム、そして合理化といった心理的メカニズムが作用し、責任を自分以外に押し付けることで、自己を守ろうとする傾向が見られます。
こうした行動は、内的な不安や罪悪感に対する対処の一環として行われ、自己を心理的に守るための手段でもありますが、その過程で他者への共感や倫理的判断が欠如していることが多いです。