不倫した夫と交わす和解書の書き方
- 2024年10月11日
- 2024年10月11日
不倫した夫との和解書を作成する際には、慰謝料や再発防止の誓約、今後の生活に関する取り決め、違約金など、夫婦間での合意内容を具体的かつ詳細に記載することが重要です。この文書は、今後のトラブル防止と法的な証拠として重要な役割を果たします。以下に、和解書に盛り込むべき内容について詳しく説明します。
1. タイトル
- 和解書のタイトルとして「和解書」や「合意書」と明記します。
例:
和解書
2. 当事者の情報
- 夫と妻の氏名、住所、押印を記載します。
例:
夫:〇〇〇〇(氏名)、住所:東京都〇〇区〇〇町〇番地、押印 妻:〇〇〇〇(氏名)、住所:東京都〇〇区〇〇町〇番地、押印
3. 不倫の事実認定
- 夫が不倫を認め、その事実に基づいて和解することを明確に記載します。
例:
夫〇〇は、〇〇年〇〇月から〇〇氏(不倫相手)との不貞行為があったことを認め、妻〇〇に対して謝罪する。
4. 慰謝料
- 慰謝料の金額、支払い方法、支払い期限を明記します。
例:
夫〇〇は、不貞行為により妻〇〇に与えた精神的苦痛に対して、慰謝料として〇〇万円を支払うものとする。支払いは〇〇年〇〇月〇日までに、妻指定の口座に振り込む。
5. 不倫関係の解消
- 夫が不倫関係を完全に解消し、再発しないことを誓約します。
例:
夫〇〇は、〇〇氏(不倫相手)との関係を完全に解消し、今後一切の不貞行為を行わないことを誓約する。
6. 違約金の設定
- 夫が再び不貞行為を行った場合の違約金を設定します。
例:
夫〇〇が今後、再び不貞行為を行った場合、違約金として妻〇〇に対し〇〇万円を支払うことを合意する。
7. 別居した場合の婚姻費用
- 今後別居した場合に夫が支払うべき婚姻費用について明記します。
例:
夫〇〇と妻〇〇が別居した場合、夫〇〇は、婚姻費用として月額〇〇万円を妻〇〇に支払うものとする。支払いは毎月〇〇日までに行うこととする。
8. 離婚した場合の養育費
- 子どもがいる場合、離婚した際の養育費の取り決めを記載します。
例:
夫〇〇と妻〇〇が離婚した場合、夫〇〇は、未成年の子〇〇(〇歳)の養育費として、月額〇〇万円を〇〇年〇〇月から〇〇年〇〇月まで支払うものとする。
9. 財産分与
- 夫婦の財産分与について具体的な取り決めを明記します。これには、夫の退職金、預貯金、その他の財産が含まれます。
例:
1. 預貯金の分割: 夫〇〇と妻〇〇は、夫婦共有の預貯金として現在の口座残高〇〇万円を二等分し、各々の口座に振り込むこととする。 2. 夫の退職金: 夫〇〇が退職した際、その退職金の〇〇%を妻〇〇に分与するものとする。具体的な支払方法および時期は、退職金支給後速やかに双方で確認し、支払うものとする。 3. 不動産の分割: 共有している不動産がある場合、その評価額を査定した上で分与方法を記載します。 例:夫婦共有の不動産(〇〇市〇〇町〇番地)を売却し、その売却金を夫〇〇と妻〇〇で〇〇%ずつ分ける。
10. 清算条項
- 和解書に記載された内容以外について、双方が今後一切の請求をしないことを確認します。
例:
本和解書に記載された事項以外について、夫〇〇と妻〇〇は一切の請求を行わないことを確認する。
11. 成立日・署名押印
- 和解書の作成日を記載し、双方が署名・押印します。
例:
令和〇年〇月〇日 夫〇〇 印 妻〇〇 印
財産分与に盛り込むべき具体的項目
財産分与では、以下の項目を考慮します。
1. 退職金の分与
- 夫が将来退職する際の退職金を対象とし、退職時点で夫婦が離婚しているか別居している場合でも、退職金を財産分与の一部として取り決めることが可能です。具体的な取り決め例としては、「退職金の〇〇%を妻に分与する」といった文言が使用されます。
2. 預貯金の分割
- 夫婦が保有している預貯金口座の残高を、夫婦共有財産として分割します。口座を確認した上で、「夫と妻で均等に分割する」など、具体的な分割方法を明記します。
3. 不動産
- 夫婦共有の不動産(家、マンションなど)がある場合、その売却金や所有権をどのように分割するか決めます。また、査定額に基づいて分与額を決定することも可能です。
4. その他の財産
- 車、貴金属、保険なども夫婦の財産分与対象となります。これらも査定を行い、分与の方法を明確にします。
和解書の法的効力
和解書は、夫婦間での正式な合意書として契約の法的効力を持ちます。特に、慰謝料や財産分与、養育費などの金銭的な取り決めは、公正証書にしておくと、未払い時に強制執行が可能です。公正証書にする際は、強制執行認諾文言を含めることが重要です。
まとめ
和解書は、不倫をした夫との問題解決を目的に作成する重要な文書です。慰謝料、不倫関係の解消、再発時の違約金、別居時の婚姻費用、離婚時の養育費や財産分与などを盛り込み、双方が合意した内容を明確にします。また、財産分与には夫の退職金や預貯金、不動産などを含め、詳細な取り決めを行います。和解書を公正証書化することで、強制執行が可能となり、トラブル防止のための強力な法的手段となります。